アメックスが決算受け下落 旅行需要拡大も予想以上の貸倒引当金を嫌気=米国株個別
アメリカン・エキスプレス<AXP>が取引開始前に7-9月期決算(第3四半期)を発表し、1株利益、経常収益とも予想を上回った。旅行需要に伴うカード支出が拡大した。
同社のスクエリCEOは声明で「旅行需要が年間を通じて予想を上回り、トラベル&エンターテインメント(T&E)の支出額は57%増、海外市場では今期初めてパンデミック前の水準を上回った」と述べた。
ただ、株価は冴えない反応を示している。同社は予想以上の貸倒引当金を計上し、金利上昇が顧客の支払能力を圧迫し始めている可能性を示唆したことが嫌気されている模様。同社は数カ月前から、消費者がパンデミックの影響でより多くの借金をするようになり、償却額が増加すると警告していた。正味償却率は1年前の0.8%から1.1%に跳ね上がっている。
投資家はFRBが金利を引き上げてインフレを抑制しようとする中、それが景気後退に拍車をかけ、カードの貸し倒れが拡大するのではないかと懸念している。
(7-9月・第3四半期)
・1株利益:2.47ドル(予想:2.40ドル)
・経常収益:135.6億ドル(予想:134.9億ドル)
・総取扱高:3944億ドル(予想:4017億ドル)
・総費用:103.2億ドル(予想:104.9億ドル)
・貸倒引当金:7.78億ドル(予想:5.73億ドル)
・カード獲得費用:35.7億ドル(予想:36.4億ドル)
(通期見通し)
・1株利益:9.25~9.65ドル以上(予想:9.90ドル)
・経常収益:23~25%増
(NY時間09:54)
アメックス<AXP> 135.79(-6.63 -4.66%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美