NY株式:米国株式市場は反発、中国コロナ規制緩和や利上げ減速期待を好感
ダウ平均は401.97ドル高の32,403.22ドル、ナスダックは132.31ポイント高の10,475.25で取引を終了した。
中国当局の「ゼロコロナ」政策緩和期待を背景に大幅上昇でスタート。10月雇用統計では依然健全な労働市場が証明されたものの同時に失業率が上昇するなど一部弱まる兆候も見られた。また、連邦準備制度理事会(FRB)の一部高官の発言を受けて利上げ減速観測が再燃し長期金利が一時低下すると一段高に。ただ、その後、長期金利が再び上昇すると相場は失速。引けにかけては振れ幅の激しい展開となった。セクター別では、半導体・同製造装置、耐久消費財・アパレルが上昇、自動車・自動車部品が下落。
中国当局が外国人対象としたビオンテック製新型コロナワクチンを承認したほか、徹底的にコロナを抑制する「ゼロコロナ」政策の影響緩和を探っているとの報道を受け、活動再開期待に特に同国のエクスポージャーが大きいスポーツ用品メーカーのナイキ(NKE)やコーヒーチェーンを運営するスターバックス(SBUX)が軒並み上昇。オンライン旅行サービス会社のエクスぺディア(EXPE)は第3四半期の決算が予想を下回る結果となったものの、ハリケーン「イアン」などの特別要因が影響したに過ぎず、強い需要の基調は続くとの期待から買われて大幅高となった。
一方で、オンライン中古車販売プラットフォーム運営のカーバナ(CVNA)は四半期決算の結果が予想を下回ったほか、見通しも弱く、アナリストの投資判断引き下げもあり大幅安。メディアのワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)は第3四半期決算で広告収入が減ったほか、企業の再編コストが嵩み、結果が予想を下振れて売られた。
FRBが公表した金融安定報告では、予期せぬ持続的な高インフレ、金利上昇が経済・金融システムのリスクになると指摘された。一方、ブレイナード副議長は「過去6カ月、金利上昇しても家計、企業の債務は安定している」と述べた。
(Horiko Capital Management LLC)
《YN》