ディズニーが決算受け大幅安 広告収入の低迷と動画配信の損失が予想以上=米国株個別
ディズニー<DIS>が大幅安となっており、ダウ平均を圧迫している。前日引け後に7-9月期決算(第4四半期)を発表し、ディズニー+の加入者は予想以上に増加したものの、1株利益、売上高とも予想を下回った。広告収入の低迷と動画配信の損失が予想以上だった。
ディズニー+加入者は1210万人の新規顧客を獲得したものの、ディズニー+を牽引する消費者向け直販部門は損失を計上。番組制作費の増加とグローバル展開のコストが重石となった。
同社のチャペックCEOは、ディズニー+が2024年度に黒字化するとの見通しを改めて示し、今後損失が縮小するとの見通しを示した。「ディズニー+の立ち上げから僅か3年での急成長は素晴らしいコンテンツ制作とサービスの国際展開に多額の投資を行うという戦略的決断の直接的な結果だ」と述べた。
今回の決算を受けてアナリストの目標株価の引き下げも複数伝わっている。「見通しの下方修正およびその低さを背景に、バリュ―ションに下振れリスクを見る。2023年度の売上高と利益のガイダンスは大半のセグメントで収益性が予想よりも低く、いくつかの分野では著しく低くなることを示唆している」との指摘も出ている。また、「動画配信事業のガイダンスを達成するためには、何らかのトレードオフを行わなければ困難と思われる」とも付け加えた。
(7-9月・第4四半期)
・1株利益(調整後):0.30ドル(予想:0.51ドル)
・売上高:201.5億ドル(予想:212.6億ドル)
メディア・エンターテインメント:127.3億ドル(予想:138.1億ドル)
パーク・リゾート・消費者向け製品:74.3億ドル(予想:75.9億ドル)
・営業利益:16.0億ドル(予想:20.7億ドル)
・ディズニー+加入者:1.64億人(予想:1.62億人)
・ESPN+加入者:2430万人(予想:2390万人)
・Hulu加入者:4720万人(予想:4720万人)
・ディズニー+ARPU:3.91ドル(予想:4.29ドル)
(NY時間09:38)
ディズニー<DIS> 88.61(-11.29 -11.30%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美