エヌビディアが決算受け上昇 データセンター部門がゲーム部門の低迷を相殺=米国株個別
きょうはIT・ハイテク株への売りが強まる中、エヌビディア<NVDA>は小幅ながらも上昇している。前日引け後に8-10月期決算(第3四半期)を発表し、売上高は予想を上回ったものの、1株利益は予想を下回った。データセンター部門の好調がゲーム部門の低迷を相殺した。
ファンCEOは声明で「マクロ環境に迅速に対応し、在庫レベルを是正し、新製品への道を開いている」と述べている。
大規模なクラウドコンピューティング企業は、人工知能(AI)を処理するために同社のグラフィックスチップを利用しており、低迷するPC市場よりも持ちこたえていることが示された。
マイクロソフト<MSFT>が、同社のグラフィックスチップ、ネットワーク製品、ソフトウェアを新たなAI製品に使用すると発表。同社はこうしたシステム企業向けの幅広い技術によって、部分的なソリューションを持つ競合他社よりも優位に立てると主張している。
しかし、同社は米中の対立に巻き込まれており、米政府は中国から先進的なチップ技術を切り離そうとする姿勢を強めている。同社の最高のAI製品は現在、中国への輸出にライセンス要件が課されており、同社はこのハードルによって数億ドルの収益の機会損失が発生する可能性があると述べている。
アナリストは「同社の成長率は底を打ったように見え、データセンター、ゲーム、自動車の各セグメントで緩やかな成長が見られる可能性がある」と指摘。
「2023年はさらに追い風が吹くと考えられ、足元の株価には有利なリスク・リワードシナリオがあると見ている。同社のデータセンター向けGPUには引き続き強い需要がある」とも述べた。
(8-10月・第3四半期)
・1株利益(調整後):0.58ドル(予想:0.70ドル)
・売上高:59.3億ドル(予想:57.9億ドル)
データセンター:38.3億ドル(予想:37.9億ドル)
ゲーム:15.7億ドル(予想:13.2億ドル)
プロフェッショナル・ビジュアル:2.00億ドル(予想:3.49億ドル)
自動車:2.51億ドル(予想:2.42億ドル)
・粗利益率(調整後):56.1%(予想:64.9%)
・FCF:-1.56億ドル(予想:+2.63億ドル)
(11-1月・第4四半期見通し)
・売上高:60億ドル±2%(予想:60.9億ドル)
・粗利益率(調整後):65.5~66.5%(予想:65.3%)
(NY時間09:48)
エヌビディア<NVDA> 160.67(+1.57 +0.99%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美