話題株ピックアップ【昼刊】:恵和、エーザイ、郵船

注目
2022年11月30日 11時38分

■恵和 <4251>  3,595円  +205 円 (+6.1%)  11:30現在  東証プライム 上昇率5位

恵和<4251>は続伸。29日の取引終了後、12月31日を基準日(実質的には12月30日)として1株を2株に株式分割すると発表しており、これが好感されている。投資単位あたりの金額を引き下げることにより、投資のしやすい環境を整え、株式の流動性の向上と投資家層の拡大を図ることが目的としている。効力発生日は23年1月1日。

■エーザイ <4523>  9,320円  +332 円 (+3.7%)  11:30現在

エーザイ<4523>が動意づき、一時5%を超す上げとなった。午前9時50分、認知症候補薬「レカネマブ」に関する大規模なグローバル臨床第3相のClarity AD検証試験の結果を第15回アルツハイマー病臨床試験会議で公表すると発表した。前日に同社株は死亡例の報告が伝わったことで大幅安となっていたが、今回の発表の内容を受けて買い戻しが入ったようだ。発表の中でエーザイは、治験参加者の死亡例が報告されたことに関し、レカネマブ投与群の2例については「重大な合併症および大出血や死亡の一因となる抗凝固薬使用などのリスク因子を有していた」と指摘。「エーザイはこれらをレカネマブに起因する死亡ではないと評価する」との見解を示した。

■日本郵船 <9101>  3,012円  +85 円 (+2.9%)  11:30現在

日本郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>など大手をはじめ海運株が全般下げ相場に逆行して軒並み高となっている。業種別騰落で「海運」は2.6%前後の上昇をみせ、33業種(TOPIX採用ベース)の中でも強調ぶりが際立っている。海運セクターに業績変貌をもたらしたコンテナ船市況の高騰にも歯止めがかかり既に調整局面に入っているが、一部で調整一巡感も取り沙汰されている。また、鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数の方は、28日現在で4日続伸し1300台半ばまで戻すなど底入れの兆しをみせている。海運株に対する下値不安も和らいでおり、バリュー株としての側面が再び意識されている。郵船はPERが1倍台、PBRが0.6倍台と割安感が際立つ一方、今期年間配当は1210円を計画、配当利回りは17%近くに達している。

■三菱重工業 <7011>  5,364円  +52 円 (+1.0%)  11:30現在

三菱重工業<7011>が全般地合い悪に抗して続伸、一時115円高の5427円まで上値を伸ばし、今月11日につけた戻り高値5447円奪回を視野に入れてきた。岸田政権では防衛費を2027年度にGDP比2%に増額する方向にあることが伝わっており、同社はその関連最右翼として注目されている。同社は防衛省との昨年度の契約額が4500億円超に達しており、全体に占めるシェアも25%と国内企業の中でも群を抜いた存在。今後の防衛費増額による収益インパクトも大きい。

■メタウォーター <9551>  1,795円  -52 円 (-2.8%)  11:30現在

メタウォーター<9551>が3日続落し、1月につけた年初来安値に接近した。29日取引終了後、日本ガイシ<5333>や富士電機<6504>に対して要請した保有株の一部売却について、応諾されたと発表した。同時に野村証券による「株式需給緩衝信託」の設定を決議し、株式需給への影響を極力抑えながら流通株式の拡大を図る。だが、同信託を通じた売却が一定期間に及ぶことから、大株主の株式売却に伴う需給面での悪影響が継続するとの懸念が株価の重荷となったようだ。流通株式の拡大と株主の多様化により、コーポレート・ガバナンスの強化につなげる。同信託は取得総数330万株(自己株式を除く発行済み株式総数の7.57%)、取得総額66億円を上限に、東京証券取引所における立会外終値取引(ToSTNeT-2)でメタウォータ株を取得。信託期間は2023年11月30日までを予定する。

■菱洋エレクトロ <8068>  2,365円  -39 円 (-1.6%)  11:30現在

菱洋エレクトロ<8068>は反落している。29日の取引終了後、23年1月期の連結業績予想について、売上高を1130億円から1230億円(前期比9.7%増)へ、営業利益を36億円から42億円(同86.0%増)へ、純利益を23億5000万円から28億円(同49.4%増)へ上方修正したが、織り込み済みとの見方が強いようだ。第3四半期において、半導体関連の需要が想定していた落ち込みには至らず、大口ビジネスの終息時期も後ろ倒しになり引き続き堅調に推移したことが要因としている。なお、業績予想の上方修正は、8月に続き2回目となる。同時に発表した第3四半期累計(2~10月)決算は、売上高962億6800万円(前年同期比19.7%増)、営業利益36億7600万円(同2.4倍)、純利益26億9300万円(同2.2倍)だった。

■レーザーテック <6920>  24,910円  -310 円 (-1.2%)  11:30現在

レーザーテック<6920>が3日続落、東京エレクトロン<8035>が4日続落となるなど、半導体関連株が軟調に推移している。29日、世界半導体市場統計(WSTS)の半導体市場予測が公表された。2023年の半導体市場は前年比4.1%減と、19年以来4年ぶりのマイナス成長を予測。これをネガティブに受け止めた投資家の売りが、きょうの株価の重荷となったようだ。公表資料によると、個人向けの電子機器需要が低迷した22年途中からの市況悪化の影響が継続し、特に23年前半は半導体需要が低迷する見込みという。一方で、5GやIoT化の進展と、データセンターの能力拡張などによる半導体の潜在需要は引き続き強く、年後半の半導体市場の回復をけん引すると想定。自動車の電動化や再生可能エネルギー関連の投資も、需要を下支えする要因になると分析している。

■ソフトバンクグループ <9984>  5,925円  -34 円 (-0.6%)  11:30現在

ソフトバンクグループ<9984>は強弱観対立のなかもやや売りに押される展開となっている。前日は終値でフシ目の6000円台を下回ったが、終値で5000円台をつけるのは10月25日以来約1カ月ぶりとなった。米国株市場ではここハイテク株に軟調な銘柄が多く、ナスダック総合株価指数の下値模索が続いている。ナスダック市場と株価連動性の高い同社株にはこれが向かい風となっている状況だ。信用買い残は11月下旬を境に増勢にあり、個人投資家の押し目買いが活発化しているが上値の重い展開が続いている。テクニカル的には75日移動平均線が位置する5760円近辺が下値メドとして意識される。

■アスクル <2678>  1,592円  -7 円 (-0.4%)  11:30現在

アスクル<2678>は4日続落。29日取引終了後に発表した11月度の単体売上高は、前年同月比0.4%減の310億5800万円となった。増収基調が継続していた状況から一転して、売上高が前年割れとなったことを嫌気した売りが膨らんだようだ。11月度のBtoB事業は同3.1%増(稼働日修正後は同7.7%増)と引き続き増収となった。半面、LOHACOが同22.0%減と落ち込んだ。前期にあった販促の影響の反動があったほか、海外向けが落ち込んだ。国内のLOHACOは同15.7%減だった。

■ビリングシステム <3623>  1,602円  +298 円 (+22.9%) 一時ストップ高   11:30現在

ビリングシステム<3623>が急動意。株価は前日に1300円台に乗せ、10月25日につけた高値1288円をクリアし年初来高値をつけた。新波動入りで一段と上げ足を強めている。国民年金のスマホ払いに関連した業務を厚生労働省から受託したことを10月20日に発表、同社が提供する決済アプリ「PayB(ペイビー)」を活用し、事前に登録した銀行口座やクレジットカードから国民年金保険料を即時決済できるようにするもので、これに伴う同社収益の押し上げ期待が株価急騰の材料となったが、その後は目先筋の利益確定売りでいったん調整局面を迎えていた。ここにきて日銀が主導して「デジタル円」の発行に向けメガバンク各社や地銀を交え積極的に実証実験を行う準備に入ったことが伝わっており、その関連銘柄としての思惑も働く。チャージを必要としない同社のPayBは地方公共団体などでの導入が加速している。電子マネーは複数あり、それを作った企業がそれぞれ主体となっているが、デジタル円はいわば日銀が主体となることが最大の特徴であり、ATMに並ぶことなく銀行口座を持たなくても日常で我々が通貨を使うのと同じ感覚で使うことができる。同社の持つ独自のノウハウが生かされる可能性がある。

■セーラー広告 <2156>  314円  +29 円 (+10.2%) 一時ストップ高   11:30現在

セーラー広告<2156>が一時ストップ高まで買われ、年初来高値を更新した。同社は29日取引終了後、地域ブランド商品の企画開発及び販売業務などを目的とした子会社を12月1日付で設立すると発表。これが材料視されているようだ。子会社の名称は、MD&アソシエイツ。事業内容は、「地域産品の販路開拓」(商業施設や地元小売店のほか、自社ECサイトを活用した地域産品の販売業務を支援するほか、ライブコマースの活用も視野に営業を展開)、「地域商品の開発」(地域資源を活用した顧客の商品開発を支援するほか、地元協力会社との協業により開発した地域商品の製造までを支援)、「自社商品の開発」(地域生産者や食品関連の経営者とともに自社で販売できる商品を開発)などとなっている。

■アルファクス <3814>  361円  +22 円 (+6.5%)  11:30現在

アルファクス・フード・システム<3814>は急伸。29日取引終了後、固定資産と事業の売却により特別利益を計上する見込みとなったと発表。これを材料視した買いが入った。債務超過解消に向けた取り組みの一環として、同社が所有するナチュラルグリーンパークホテルに関する不動産とホテル関連事業を売却する。これに伴い、23年9月期第1四半期(10~12月)の決算で、特別利益を1億900万円計上する見込み。同社の業績予想には織り込まれていないとして、今後、開示すべき事項が発生した場合には、速やかに開示するとしている。

■日本金属 <5491>  1,008円  +61 円 (+6.4%)  11:30現在  東証プライム 上昇率4位

日本金属<5491>が急反発。同社はきょう、自社のグレーチング部材製品であるIバー「リプルス」が、食品工場や精密機器製造工場に採用されたことを明らかにしており、これが材料視されたようだ。この製品は、強度・軽量化のニーズに加え、ステンレスの清潔感・耐久性、高い耐すべり性が特長。異形圧延によるランダムな模様付けを施した意匠性を有する冷間異形鋼は同社の独自製品で、今回の採用によって生産量が倍増しているという。

■川崎地質 <4673>  2,480円  +117 円 (+5.0%)  11:30現在

川崎地質<4673>が急伸。午前10時に業績予想の増額修正を発表したことを好感する買いが流入した。22年11月期の単独営業利益は3億2000万円から5億1000万円(前期比1.8%増)に見直された。主に大型案件を含む完成計上が順調に進み、その結果、原価低減も図られたことが寄与する見込みだ。

■MRT <6034>  1,891円  +53 円 (+2.9%)  11:30現在

MRT<6034>が大幅続伸。非常勤医師や看護師の紹介サイトを運営するが、業績は売上高、利益ともに高成長が続いている。好業績を背景に株主還元も強化する方向にあり、29日取引終了後、22年12月期配当を30円とすることを発表した。同社にとってはこれが初配当となる。これを評価する買いが入った。同社株はPERにも割安感があり、水準訂正余地に着目した投資資金の流入を誘っている。

●ストップ高銘柄

日医工 <4541>  205円  +50 円 (+32.3%) ストップ高   11:30現在

新東 <5380>  3,380円  +500 円 (+17.4%) ストップ高   11:30現在

など、2銘柄

●ストップ安銘柄

イクヨ <7273>  2,580円  -700 円 (-21.3%) ストップ安   11:30現在

以上、1銘柄

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