15日の米国市場ダイジェスト:NYダウは764ドル安、過剰な利上げによる景気後退懸念
■NY株式:NYダウは764ドル安、過剰な利上げによる景気後退懸念
米国株式市場は大幅続落。ダウ平均は764.13ドル安の33202.22ドル、ナスダックは360.36ポイント安の10810.53で取引を終了した。連邦準備制度理事会(FRB)が連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を高い水準で長期にわたり維持する計画を表明したことに続いて、欧州中央銀行(ECB)も定例理事会で当面利上げを継続する必要があるとタカ派色を強めたため警戒感から大きく売られ、寄り付き後、下落。世界主要中央銀行の過度な金融引き締めによる景気後退入りを警戒した売りが終日続き、下げ幅を拡大した。セクター別では、特にテクノロジー・ハード・機器の下げが目立った。
住宅建設会社のレナー(LEN)やDRホートン(DHI)は住宅ローン金利の低下で業績回復期待にそれぞれ買われた。電気自動車メーカーのテスラ(TSLA)はマスク最高経営責任者(CEO)による短文投稿サイトのツィッター買収後2度目のテスラ株売却が明らかになった一方で、キャシーウッド氏が運営するアークインベストメントが同社株を購入したことが明らかになり買われた。
動画配信サービスのネットフリックス(NFLX)は広告付き配信サービスの会員が目標に達せず広告主に返金しているとの報道が嫌気され、大幅安。製薬会社のノババックス(NVAX)は株式と転換社債売却計画を提示し大きく売られた。また、メディアのワーナーブラザーズディスカバリー(WBD)は再編コストの積み上がりが警戒され、下落。
ソフトウエアメーカーのアドビ(ADBE)は取引終了後に決算を発表。内容が予想を上回り、時間外取引で上昇している。
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■NY為替:FRBの長期にわたる利上げ織り込む、ドル反発
15日のニューヨーク外為市場でドル・円は、135円61銭まで弱含んだのち、138円17銭まで上昇して137円79銭で引けた。米小売売上高が予想以上に悪化したためドルが一時軟調に推移、しかし、先週分新規失業保険申請件数が増加予想に反し前回から減少し、9月来で最小と労働市場のひっ迫を示したため米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ長期化観測が広がりドル買いが優勢となった。また、株安で質への逃避のドル買いも強まったと見られる。
ユーロ・ドルは、1.0735ドルまで上昇後、1.0593ドルまで下落し、1.0626ドルで引けた。欧州中央銀行(ECB)は市場の予想通り、政策金利を0.50%引き上げを決定。ユーロ開始以来最悪のインフレ封じ込むため一段の利上げを予想しているとし、会合ごとに政策を決定していく方針を表明。ラガルド総裁が利上げ幅の縮小が政策転換ではなく、FRBに比べ長期な軌道になるとのタカ派的な発言を受けてユーロ買いが一時加速。その後は、ドル買いに押された。ユーロ・円は145円00銭から146円73銭まで上昇。日欧金利差拡大観測にユーロ買い・円売りが優勢となった。ポンド・ドルは、1.2358ドルから1.2157ドルまで下落した。ドル・スイスは、0.9233フランまで下落後、0.9317フランまで上昇した。
■NY原油:続落で76.11ドル、欧米株安やドル高を嫌気
NY原油先物1月限は続落(NYMEX原油1月限終値:76.11 ↓1.17)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物1月限は、前営業日比-1.17ドルの76.11ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは75.33ドル-77.77ドル。欧米中央銀行の政策金利は大幅に上昇するとの見方が増えていること、欧米株安、ドル高を意識して75.33ドルまで売られた。需給ひっ迫の思惑はやや後退。通常取引終了後の時間外取引では主に76ドル台で推移。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 31.77ドル -0.51ドル(-1.58%)
モルガン・スタンレー(MS) 87.79ドル -2.71ドル(-2.99%)
ゴールドマン・サックス(GS)349.83ドル -10.55ドル(-2.93%)
インテル(INTC) 27.15ドル -1.11ドル(-3.93%)
アップル(AAPL) 136.50ドル -6.71ドル(-4.69%)
アルファベット(GOOG) 91.20ドル -4.11ドル(-4.31%)
メタ(META) 116.15ドル -5.44ドル(-4.47%)
キャタピラー(CAT) 230.66ドル -3.82ドル(-1.63%)
アルコア(AA) 43.27ドル -2.23ドル(-4.90%)
ウォルマート(WMT) 145.36ドル -1.31ドル(-0.89%)
《ST》