個人主体の資金は中小型株に/オープニングコメント

市況
2022年12月19日 8時23分

19日の日本株市場は、売り先行で始まった後は、こう着感の強い相場展開になりそうだ。16日の米国市場はNYダウが281ドル安だった。12月の製造業・サービス業PMI速報値が想定外に11月から悪化したため景気後退を懸念した売りが先行した。また、米連邦準備制度理事会(FRB)高官がインタビューや講演で、FRBの政策金利を高水準で長期にわたり維持する姿勢を再確認したため長期金利やドルが上昇したことも更なる売り圧力となった。そのほか、4兆ドル規模と言われる大口オプションの満期日に当たり、需給面での影響も見られた。シカゴ日経225先物清算値は大阪比190円安の27280円。円相場は1ドル136円20銭台で推移している。

シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り先行で始まることになりそうだ。日経平均は先週末にマドを空けての下落から、支持線として意識されていた75日線水準まで売られていた。75日線を明確に下回ってくるとみられ、12月8日の直近安値27415円も割り込んでくる可能性があるため、仕掛け的なショートの動きも意識されそうである。日経225先物はナイトセッションで日中比190円安の27280円であり、一時27120円まで下げる場面も見られたことから、節目の27000円を試してくる可能性はありそうだ。

そのため、センチメントの悪化が警戒されやすく、押し目を狙った買いの動きを慎重にさせそうである。一方で、テクニカル面ではボリンジャーバンドの-3σが27358円辺りに位置しており、これを一気に下回ってくることから、売られ過ぎのシグナルが意識されてくるだろう。52週線は27360円辺りに位置していることもあり、同水準での底堅さが見られる局面においては、短期的にはリバウンド狙いのトレードも入りやすい。

とはいえ、FOMCの重要イベントが通過し、クリスマス休暇入りから海外勢のフローは限られてくるとみられる。年末に向けて積極的にポジションを取りに行く動きは考えづらく、短期的な売買が中心になりそうである。先物主導の短期的な売買に振らされやすいなか、インデックスの影響を避ける流れから、個人主体の資金は中小型株に向かいそうだ。IPOは初値形成後こそ弱い動きが見られているものの、好スタートを切っていることからセカンダリーへの資金還流も中小型株物色を活発化させると考えられる。足元で強い基調を継続している銘柄などへは、一段の上昇を狙った資金が集中しやすいと考えられる。

《AK》

提供:フィスコ

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