米企業業績は金融危機時に匹敵するかもしれないとの指摘も=米国株
NY株式先週末終値
ダウ平均 32920.46(-281.76 -0.85%)
S&P500 3852.36(-43.39 -1.11%)
ナスダック 10705.41(-105.12 -0.97%)
FRBのタカ派姿勢とリセッション(景気後退)への警戒感で米株式市場では今年から来年にかけての米企業業績への警戒感が強まっている。中には、米国株の今年のパフォーマンスは世界金融危機以降で最悪になるが、企業利益も金融危機時並みに悪化する見込みだとの指摘も聞かれる。
迫りくる企業業績の不況は08年の金融危機時に匹敵するかもしれないという。それは大方の投資家が想定しているよりも遥かにひどく、株価の一段安を引き起こす可能性があると警告している。それが実際に起こるまでは市場が結果を織り込んだとは考えないほうが良いという。インフレは歴史的な高水準から鈍化し始めたが、米経済の軟化を示す最近の兆候は不安材料だとしている。
2023年のS&P500企業の1株利益の予想を1株180ドルと弱気シナリオに傾いているという。なお、本日時点の市場のコンセンサス予想は平均で234ドル。現在、株価のバリュエーションは高いがリスクプレミアムが金融危機時よりも低いことを踏まえると、S&P500は来年に3000まで下落する可能性もあるとしている。
金融危機時のようなシステミックな金融リスクや住宅市場の変調は見込んではおらず、株式相場が08年のように50%下げるとまでは考えていないとも述べた。
ヘルスケアや生活必需品、公益などディフェンシブを保有の一方、裁量的支出とハードウエア関連のテクノロジー株の保有縮小を推奨している。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美