前場に注目すべき3つのポイント~ヘッジ対応の動きから下へのバイアスが強まる状況を警戒~
23日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■株式見通し:ヘッジ対応の動きから下へのバイアスが強まる状況を警戒
■コネクシオ、23/3下方修正 営業利益63億円←86億円、ノジマが1株1911円でTOB発表
■前場の注目材料:日本精工、再生医療に参入、「3D細胞製品」ベンチャーと連携
■ヘッジ対応の動きから下へのバイアスが強まる状況を警戒
23日の日本株市場は、ギャップダウンから始まり、売り一巡後もリバウンド基調は強まらないだろう。22日の米国市場は、NYダウが348ドル安だった。朝方発表された7-9月期国内総生産(GDP)確定値が改定値から上方修正され、市場予想上回ったことを受けて利上げ懸念が再燃、寄り付きから下落した。新規失業保険申請件数も小幅増で労働市場の堅調さを示し、連邦準備制度理事会(FRB)による利上げが正当化され、利上げが景気後退を招くとの警戒感が相場の重石となった。また、半導体メーカーマイクロンの冴えない決算をきっかけに半導体銘柄を中心にハイテク株が大きく売られた。シカゴ日経225先物は大阪比330円安の26110円。円相場は1ドル132円40銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、ギャップダウンから始まろう。マイクロンテクノロジーの予想を下回る決算が嫌気され、半導体株は軒並み売られており、SOX指数は4%を超える下落となった。指数インパクトの大きい東エレク<8035>など値がさハイテク株の重荷となる可能性が高く、日経平均を下押す格好になりそうだ。また、日経225先物はナイトセッションで一時25900円と節目の26000円を割り込む場面も見られた。節目を割り込んだことから、いったんは底入れ感も意識される可能性はあるものの、ヘッジ対応の動きから下へのバイアスが強まる状況を警戒しておきたいところであろう。
物色の流れとしては引き続きTOPIX型優位の流れになりやすい。NT倍率は低下傾向を強めてきており、日銀の大規模緩和縮小のなか、リバランスの動きは継続することが見込まれる。また、為替相場の円安修正の流れが継続するなかにおいては、NTロングには向かいづらい需給状況であろう。中小型株についても物色対象は絞られてくると考えられ、成長性の高い銘柄や円高メリットなどでの短期的な値幅取り狙いのトレードにとどまりそうだ。
■コネクシオ、23/3下方修正 営業利益63億円←86億円、ノジマが1株1911円でTOB発表
コネクシオ<9422>は2023年3月期業績予想の修正を発表。売上高は2000億円から1950億円、営業利益を86億円から63億円に下方修正した。円安による人気機種の値上げの影響や消費者の携帯電話買い替えサイクルの長期化、通信キャリアの販売施策が新規顧客獲得に偏重したこと等により大幅に端末販売は減少。なお、ノジマ<7419>は、コネクシオに対し完全子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。買い付け価格は1株1911円で、22日終値(1201円)を59%上回る。期間は23日から2023年2月9日まで。買い付けの下限は2982万5200株で、応募株数が下限に達しない場合は買い付けを行わない。
■前場の注目材料
・日経平均は上昇(26507.87、+120.15)
・1ドル=132.30-40円
・米国景気は拡大
・日銀は金融緩和を継続
・コロナ後の人流再開
・日本精工<6471>再生医療に参入、「3D細胞製品」ベンチャーと連携
・NEC<6701>再生エネの「自己託送」支援、クラウドサービス来春提供
・豊田通商<8015>アフリカのモビリティー新興に40億円、総合サービス体制構築
・日産自<7201>日産・三菱自、軽のEV値上げ、原材料費高騰で
・愛知製鋼<5482>インドの技術支援先から鋼材調達、来月から東南ア向け
・富士通<6702>疑似量子技術で最適投資、スペイン金融と実証
・ローム<6963>パワー半導体が日立アステモのEV部品に採
・昭和電工<4004>日鉄と工場排ガスの低濃度CO2を分離回収、6大学と技術開発
・UBE<4208>CPL価格100ドル安1650ドル、12月アジア契約
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・08:30 11月全国消費者物価指数(生鮮食品除く)(前年比予想:+3.7%)
・08:50 日銀金融政策決定会合議事要旨(10月27-28日開催分)
<海外>
・特になし
《ST》