JBR Research Memo(6):将来の売上となる前受収益が100億円を突破

特集
2022年12月29日 14時56分

■業績動向

3. 財務状況と経営指標

ジャパンベストレスキューシステム<2453>の2022年9月期末の財務状況を見ると、資産合計は前期末比291百万円減少の27,884百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産では未収入金が856百万円減少した一方で、現金及び預金が2,541百万円増加した。固定資産では投資有価証券が上場株式の株価下落等の影響により1,200百万円、のれんが209百万円それぞれ減少した。

負債合計は前期末比574百万円増加の17,081百万円となった。有利子負債が919百万円減少した一方で、会員、保証事業における前受収益及び長期前受収益が合計で1,309百万円、保険事業における責任準備金が265百万円それぞれ増加した。純資産合計は同865百万円減少の10,802百万円となった。非支配株主持分が589百万円増加した一方で、その他有価証券評価差額金が896百万円、利益剰余金が576百万円それぞれ減少した。このうち利益剰余金については、親会社株主に帰属する当期純利益437百万円を計上した一方で、配当金572百万円の支払い、収益認識会計基準等の適用により期首残高を405百万円減少したことが減少要因となっている。

経営指標を見ると、経営の安全性を示す自己資本比率は前期末の40.2%から35.4%に低下したものの、前受収益の積み上げに伴う負債の増加が主因となっており、有利子負債比率が27.8%から22.5%に低下していることや、ネットキャッシュは前期末比3,461百万円増加の11,854百万円と過去最高水準に積み上がっていることから、財務の健全性は高いと判断される。収益性について見ると、2~3年前まで2ケタ台の水準であったROAやROE、営業利益率がそれぞれ1ケタ台に低下している。ACTGを買収したことが主因となるが、既述のとおり買収後のACTGの収益性は順調に改善しており、2023年9月期以降は経営統合の効果も顕在化してくると見られることから、営業利益率やROEについては早ければ2024年9月期にも10%台に復帰するものと予想される。一方、ROAについては前受収益が今後も積み上がる見通しで、10%台への復帰は少し遅れることになりそうだ。

なお、同社は未上場企業や事業提携関係にある上場企業も含めて、投資有価証券を5,698百万円保有している。事業提携関係にある上場株式に関しては基本的に保有継続方針であるものの、その他の株式や金融商品に関しては適切な時期を見計らい、徐々に減らしていく意向を示している。一方、M&AについてはACTGの買収で手応えを得たことから、同業他社等で条件に見合う案件があれば積極的に検討していく方針だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《SI》

提供:フィスコ

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.