【クラウドファンディング】料理をスマホ撮影→共有 食卓体験プラットフォーム「スナップディッシュ」のヴァズ、1月11日募集開始

経済
2022年12月30日 15時00分

自作の料理を撮影、共有できるプラットフォーム「スナップディッシュ」を展開するヴァズ株式会社(東京都武蔵野市)が、株式投資型クラウドファンディング(普通株式型)による出資を募集します。申し込みは2023年1月11日19時30分開始を予定しています。

・ 普通株式型
・ 目標募集額:1260万円、上限募集額:5040万円
・ VC出資実績あり
・ 事業会社/CVC出資実績あり
・ エンジェル出資実績あり
・ 株主優待あり:「スナップディッシュマーケット」販売商品の割引クーポン券を贈呈
・ みなし時価総額:15億7008万円
・ 類似上場企業:イオレ、カヤック、ウォンテッドリー、THECOO、モイ、Retty

※「みなし時価総額」はミンカブ編集部が「発行済み株式数×募集株式の払込金額」により試算

料理を"作業"ではなく"楽しみ"へ

ヴァズは、一般家庭で作られる料理の写真を共有できる食卓体験プラットフォーム「スナップディッシュ(SnapDish)」を提供するベンチャー企業です。

「スナップディッシュ」は、自分が作った料理をスマホで撮影、共有することで、食卓での体験を分かち合い、他のユーザーからコメントをもらうなどのコミュニケーションが取れるサービスです。

新型コロナの影響などにより、自宅で料理をする人が増えているため、「スナップディッシュ」を軸に、料理を中心としたコミュニティーや体験を創造し、料理を単なる作業ではなく、楽しみに変えたいと同社は考えています。

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(出典:FUNDINNO)

「スナップディッシュ」はスマホアプリをメインとして、ウェブ、ライブ配信、SNSなども活用しており、ユーザーがいつでもどこでも、食卓体験を共有できる環境作りを追求しています。

従来の料理レシピ中心のサービスとは異なり、料理頻度の高いユーザーが作った日常の食卓の料理を掲載し、それへの反応から生まれるコミュニティーでは、料理に関心のある人同士のつながりが生まれ、これまでにない新しい価値を創造できると同社は考えています。

特にスマホアプリには、誰でも簡単においしそうな料理写真が撮れる「AI料理カメラ」や、効率的に魅力的な投稿と出会える「AIサジェスト」などの機能も実装し、ユーザーの使いやすさを考慮しているといいます。

「スナップディッシュ」は一般的な広告による収入ではなく、料理への関心が高いユーザーに、食品・飲料メーカーなどが、商品のモニター企画や市場調査などのファンマーケティング活動を行うビジネスモデルによりマネタイズを実現。これにより、「スナップディッシュ」ユーザーと食品・飲料メーカーの関係性を深め、商品やブランドのファン増加を促進していく方針です。

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(出典:FUNDINNO)

従来のSNSのスマホアプリは、各ユーザーの投稿の合間に企業の広告が掲載されるビジネスモデルが一般的でしたが、広告が増えることで、ユーザーはストレスを感じてしまい、また、人口が減少傾向にある日本では、「ユーザー数=収益」という従来の広告モデルは時代に合わなくなっていくと同社は考えています。

そこで、「スナップディッシュ」アプリ上では一般的な広告を一切掲載せず、各ユーザーの多種多様な体験だけが連続して掲載されることで、自然と商品やブランドのファンが生まれてくることを目指しています。

食品・飲料メーカーは「スナップディッシュ」を活用することで、長期にわたって企業の製品を購入する、LTV(顧客生涯価値)の高い顧客の育成・獲得が期待でき、また、ファンの声を商品開発や営業活動に活用することもできるといいます。

売上の要であるファンマーケティング事業については、2022年の参加企業は40社以上を見込んでおり、ヤマサ醤油やユウキ食品、マルコメ、ニップン <2001> [東証P]などの大手食品・飲料メーカーも参加しています。

「スナップディッシュ」は2011年にアプリをリリース後、日本など200以上の国と地域でダウンロードされ、投稿画像総数も累計1800万枚を突破(2022年12月現在)。ファンマーケティング事業を主とした売上高も、2022年12月期は1.28億円を見込んでおり、同社はできるだけ早い上場を目指しています。

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(出典:FUNDINNO)

「今後は営業体制とアプリ開発を強化し、全国の食品・飲料メーカーを開拓するとともに、積極的に世界展開を進める予定です。日本のみならず、世界中の食卓と食卓、人と人とがつながり、料理がうれしくなる体験を共有できる社会の実現を目指していきます」(同社)


広告収益モデルの限界?

世の中にはさまざまな投稿サイトやSNSなどの情報共有サービスが存在し、それらは、自身の体験を伝えたい、周りから共感を得たいという、誰もが持つ欲求を満たすものとして生まれてきたものの、運営には多大なコストがかかり、それを賄うために広告収益モデルを採用するケースがほとんどだと同社は考えています。

しかし、同社によると、インターネット黎明期とは異なり、現在は膨大な数のSNSがあり、利用者を奪い合うような環境であるため、広告収入を得るための十分なインプレッションを獲得するのも難しく、また最近では、ネット上の広告は敬遠されがちな存在となり、年々、プライバシー保護の機運が高まっているといいます。

今後もそのような広告が増え続けると、サービスを利用する頻度が下がり、広告を出稿する企業も費用対効果が得られなくなってしまうほか、日本は人口が減少傾向にあり、インターネット人口も減少が想定される中で、世の中に広告があふれたままであれば、広告一つ一つの発信力は減少し、ユーザー離れにつながってしまうと同社は危惧しています。

「従来の『ユーザー数=収益』という広告収益のビジネスモデルは、これからの時代に合わなくなるのではと考えています」(同社)

ユーザー一人一人のエンゲージメントを高める

同社は、今後、情報共有サービスが市場で生き残るためには、一人でも多くのユーザーを確保するよりも、ユーザー一人一人のエンゲージメントを高め、ユーザー1人あたりの価値を高めていく必要があると考えています。

食品メーカーにとって、「スナップディッシュ」の1人のユーザーが10種類の商品やブランドのファンになれば、たとえ、ユーザー数が100万人でも、その価値は10倍の1000万人分のユーザー価値を生み出すことができると考えられるため、同社は「スナップディッシュ」を一般的な広告掲載ではなく、プラットフォームを活用した企業のファンマーケティングの場として展開しています。

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(出典:FUNDINNO)

「スナップディッシュ」はさまざまなツールを活用しており、特にスマホ用「スナップディッシュ」アプリは、自社開発のAI料理カメラで、誰でもおいしそうな写真を撮ることができ、周りから共感を得ることで、次もまた投稿したくなるような設計にしているといいます。

さらに、アプリ内で時間をかけて検索しなくても、AIがユーザーごとに好みの料理写真をおすすめする「For You」機能により、検索して探す時間を省略したり、自分でも気付かなかった自分の好みに出会える可能性もあるそうです。

「つまり、純粋に料理に関心があって、普段から、料理を積極的に作るユーザーが集まりやすく、その方々でコミュニティーが形成されているのです」(同社)

ユーザーのリアルな食卓体験が共有されるということは、食品・飲料メーカーにとっては、他では手に入れにくい価値の高いデータが集約されていることになるといい、同社は、食品・飲料メーカーが商品モニターやキャンペーンなどを通じて、ユーザーにオンライン/リアルで商品を体験してもらえる「ファンマーケティング事業」、同社と食品業界関係者で連携して、消費者に"ファンになる体験"を販売する「ファンマーケット事業」の2つのビジネスモデルを展開しています。

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(出典:FUNDINNO)

「スナップディッシュ」アプリ内では、食品・飲料メーカーは公式アカウントを開設して、新商品を登録したり、新商品モニターを募集したり、商品を活用した料理写真コンテストを実施したり、料理ワークショップを開催したりするなど、さまざまな企画が可能だといいます。

また、食品・飲料メーカーは「スナップディッシュ」で得たマーケティング上の知見やユーザー投稿によるコンテンツを、商品開発や店頭・ECなどでの商品PRといったさまざまなマーケティング課題の解決に活用することができるそうです。

この2事業により、食品・飲料メーカーは消費者のリアルな体験や意見を集めることができ、こうした取り組みによって、「スナップディッシュ」ユーザーと食品・飲料メーカーとの関係性を深め、商品へのファン化を促進できるとしています。

「ユーザーが自然と企業のファンになれば、企業側から投稿を促さなくとも、ユーザーは自然と体験を共有してくれます。その投稿を見たほかのユーザーも自然と商品やブランドに興味を持つようになり、ファンが新たなファンを生むという好循環が生まれます」(同社)

全国約5万社の食品製造業者にアプローチ

安心安全が重視される食の分野では、ファンは信頼する商品やブランドをリピートする傾向にあり、ユーザーをファンとして定着させることができれば、食品・飲料メーカーは売上増加を見込むことができると同社は考えています。

同社は投稿内容を分析して、マーケティング戦略を提案したり、ファンと一緒に商品開発に参加したりすることもあり、近年では、ヤマサ醤油の「これ!うま!!つゆ」の味付けから商品名、パッケージまで、ファンと一緒に商品開発を行ったことで、商品のヒットに大きく貢献したといいます。

各メーカーに「スナップディッシュ」への参加を呼びかける方法としては、2012年初期から、「スナップディッシュ」によるファン作りに参画しているヤマサ醤油などの実績を基に、ヴァズが営業活動を実施。また最近では「スナップディッシュ」がテレビ・新聞・ウェブなどに取り上げられ、問い合わせを受ける機会も増えているそうです。

「スナップディッシュ」を通して、ファン作りから売上増加までサポートする仕組みを構築しており、今後も、売上向上につなげる新たなマーケティング手法として、全国の食品・飲料メーカーの成長に貢献していきたいとしています。

同社は主に、ファンマーケティングの実施費用でマネタイズを行っており、商品モニターは120万円(税抜き)~、キャンペーンは350万円(同)~と施策内容に応じた価格を設定。2021年に18社だった取引企業は、2022年には40社以上に増加する見込みで、2020年、2021年と継続しているメーカーの2022年の継続率は100%だといいます。

一方で、全国の食品製造業者が大小含め約5万社であることを考えると、シェアを獲得する余地はまだまだ大きいと考えており、今後、ますます多くのメーカーに対して営業活動を行っていく必要があるとしています。

料理レシピサービスや料理動画サービスなど、料理レシピ関連のサービスは数多く存在する一方、多くのレシピサービス利用者層は「料理の作り方を知りたい人」であり、また、広告や会費制など従来のビジネスモデルで運営しているサービスが多いといいます。

そうした中で、料理に関心のある層に的を絞り、純粋に料理に関心のあるユーザー同士でコミュニティーが形成され、コアな料理ファンを育成する仕組みを作り上げたことが、自社の優位性につながっていると同社は考えています。

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(出典:FUNDINNO)

また、「スナップディッシュ」には、11年にわたり投稿されてきた1800万枚以上の写真や、写真へのコメント、累計2億5000万以上の「いいね!」が蓄積されており、同社はビッグデータを基にしたマーケティング戦略も提案できるそうです。

今後の成長に向けて

(1)予算の少ない中小メーカーも導入しやすい環境を

同社は2022年より新規事業として、ファンマーケット事業も開始。同社がメーカーからセレクトした商品やブランド、または自社開発の商品を、実際に料理で使用する体験なども含めて販売する事業です。

ファンマーティング事業の商品モニターのように、企画に当選したユーザーしか体験できないのではなく、ファンマーケット事業では、参加する権利を購入する形でより多くの消費者に「ファンになる体験」を提供できるといいます。現在はこの企画を「食卓を紡ぐおたより便」という定期便サービスとして試験運用している段階です。

今後は、このような企画を「スナップディッシュ」のユーザーに限定せず、多くの消費者に販売していきたい考えです。

(2)サービス基盤を安定させ、日本食の魅力を海外ファンに発信

同社は今回の調達資金の主な使用使途を、ファンマーケティング事業の拡大としています。

具体的には、営業体制を強化し、まずは売上高10億円以上の大規模・中規模メーカーを対象に開拓を図りたい考えです。

並行して、アプリのメーカー公式アカウントにファンコミュニティー機能を追加する予定です。現状、メーカーがファンマーケティングを実施するには同社に依頼する必要がありますが、商品モニターでも120万円以上かかるため、小規模メーカーは導入が難しいといいます。

そこで、公式アカウントを運用することでもユーザーと密に関われる機能を用意することで、導入コストを下げ、大手から中小メーカーまで幅広く利用してもらうのが狙いです。

今後はこれらのサービスを充実させた上で、「スナップディッシュ」を活用したファンマーケティング事業の海外展開も進める計画で、日本食は世界的にも関心が高いことから、今後は積極的に、海外進出に興味のある食品・調味料メーカーに参加を呼びかける方針です。

(3)将来的なEXITはIPOを想定

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(出典:FUNDINNO)

(4)2024年に270件以上のファンマーケティング契約を計画

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(出典:FUNDINNO)

株主構成

同社は、以下のVC及び事業会社、エンジェル投資家などより出資を受けています。

・SIG Asia Investments,LLP

・シーサー株式会社

・SMBCベンチャーキャピタル株式会社

・アライドアーキテクツ株式会社

・株式会社ライダース・パブリシティ

・大樹生命保険株式会社

類似上場企業(業態やサービス・製品などで類似性の見られる企業)

・イオレ <2334> [東証G]

・カヤック <3904> [東証G]

・ウォンテッドリー <3991> [東証G]

・THECOO <4255> [東証G]

・モイ <5031> [東証G]

・Retty <7356> [東証G]

株主優待

【基準日】

毎年12月末日

【優待内容】

株式の保有者に「スナップディッシュマーケット」で販売する商品の購入代金を割り引くクーポン券を贈呈。

1株:500円分クーポン券

2~4株:1,000円分クーポン券

5~8株:2,000円分クーポン券

9株以上:3,000円分クーポン券

【申し込み方法】

株主のメールアドレスに年に1度、「クーポンコード」を送信。スナップディッシュマーケットで商品購入時、「クーポンコード」を入力すると割引処理が行われ、一般より安く購入できる。

【注意事項】

優待基準日を基準に、年に1度利用可。株主本人以外は利用できない。他のクーポンと併用できない。

発行者・募集情報

■募集株式の発行者の商号及び住所、資本金等

ヴァズ株式会社

東京都武蔵野市御殿山一丁目5番6号

資本金:412,179,060円(2022年12月1日現在)

発行済株式総数:13,084株(同)

発行可能株式総数:40,000株

設立日:2010年2月22日

決算日:12月31日

■募集株式の発行者の代表者

代表取締役 舟田善

■募集株式の種類及び数(上限)

普通株式 420株

■募集株式の払込金額

1株あたり 120,000円

■資金使途

・目標募集額達成時の資金使途内訳

調達額1,260万円を以下の目的に充てる予定

採用関連費用 622万円

サービス開発費用 240万円

ファンマーケット開発費用 120万円

手数料 277万円

・上限募集額達成時の資金使途内訳

上記に追加し、調達額3,780万円(目標募集額1,260万円と上限募集額5,040万円との差額)を以下の目的に充てる予定

採用関連費用 2,368万円

サービス開発費用 360万円

ファンマーケット開発費用 220万円

手数料 831万円

■投資金額のコース及び株数

120,000円コース(1株)

240,000円コース(2株)

360,000円コース(3株)

480,000円コース(4株)

600,000円コース(5株)

1,800,000円コース(15株)

3,000,000円コース(25株)

6,000,000円コース(50株)

9,000,000円コース(75株)

9,960,000円コース(83株)

※特定投資家口座以外からの申し込みの場合、480,000円コース(4株)までしか申し込みできない。なお、特定投資家口座からの申し込みの場合、9,960,000円コース(83株)を上限とする。

■申込期間

2023年1月11日~1月17日

■目標募集額

12,600,000円(上限募集額 50,400,000円)

※特定投資家口座全体からの申し込みの上限は40,320,000円とする。

■払込期日

2023年2月9日

■連絡先

ヴァズ株式会社

電話番号:0422-24-6341

メールアドレス:finance@vuzz.com

※本株式投資型クラウドファンディングの詳細については、FUNDINNOの下記ページをご覧ください。

大手食品メーカーも多数参加!生活者の食卓体験からファンを創出し業績アップを支援。脱・広告モデルの新世代SNS「スナップディッシュ」

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