話題株ピックアップ【夕刊】(1):アダストリア、フェローテク、フリー
■アダストリア <2685> 2,345円 +340 円 (+17.0%) 本日終値 東証プライム 上昇率トップ
アダストリア<2685>が急反発。29日の取引終了後、23年2月期の連結業績予想について、売上高を2300億円から2400億円(前期比19.1%増)へ、営業利益を100億円から125億円(同90.4%増)へ、純利益を63億円から82億円(同66.8%増)へ上方修正し、あわせて期末配当予想を30円から35円へ引き上げたことが好感された。従来想定した通りに外出需要が回復したことに加えて、商品企画やマーケティング施策が奏功したことで主力ブランドが好調に推移したほか、成長ブランドの出店も寄与し売上高が計画を上回った。また、従来予想では原材料及びエネルギー価格の上昇、物価や金利の上昇、円安の進行などの影響を見込んでいたものの、売上高が想定を上回ったことで、一定程度吸収することができたとしている。なお、年間配当は60円(前期55円)となる予定だ。同時に発表した第3四半期累計(3~11月)決算は、売上高1770億2600万円(前年同期比20.6%増)、営業利益111億6500万円(同2.5倍)、純利益76億1600万円(同2.2倍)だった。
■藤田観光 <9722> 2,996円 +183 円 (+6.5%) 本日終値 東証プライム 上昇率5位
藤田観光<9722>が大幅高。新型コロナウイルス対策の行動制限を伴わない年末年始を3年ぶりに迎えている。この年末年始に国内旅行をする人の数がコロナ禍前の約7割程度まで回復する見込みにあることが伝わっており、旅行需要の復活に向けた道筋がようやく見え始めてきた。関連銘柄もこの先一段と回復色を強めることが見込まれるが、足もと鉄道や空運、旅行会社など主力どころの銘柄には買い一巡感が広がっている。こうしたなか、値動きの良い関連中小型株に物色の流れが向いており、その一角である同社株がきょうは買い人気となっている。
■フェローテク <6890> 2,787円 +117 円 (+4.4%) 本日終値
フェローテックホールディングス<6890>が急反発。半導体製造装置向け部品を手掛け、特に真空シールでは世界でも群を抜く商品シェアを誇っている。同社は29日取引終了後、中国部品洗浄事業子会社FTSVAの深セン創業板市場への上場日がきょう12月30日に決定したことを発表しており、これが足もとの株価を刺激する格好となった。フェローテクの株価は今月14日ザラ場に3395円の戻り高値を形成した後に売り直され、前日は一時2614円まで水準を切り下げ11月上旬以来約1カ月半ぶりの安値をつけた。しかし、株式需給面では信用買い残の整理も進み、目先売り圧力が一巡した感もある。一方、中国では新型コロナウイルスの感染拡大が続いており、これを横にらみに上値追いに慎重な見方もある。
■フリー <4478> 2,928円 +116 円 (+4.1%) 本日終値
フリー<4478>が続伸。きょう付の日本経済新聞朝刊で「2023年10月に始まるインボイス(適格請求書)制度に向け、関連サービスの競争が激しい」と報じられ、なかで「クラウド会計ソフトのfreee(フリー)は業務を効率化するサービスを始める」と紹介されたことが好材料視されたようだ。記事によると、23年10月からECサイトで購入した際に、簡単にインボイスに対応できるサービスを始めるとあり、ECサイトやクレジット会社から発行される電子明細書と、別に送られてくるインボイスをクラウドでひも付け、簡単に保管できるようにするとしている。
■ハピネット <7552> 2,053円 +60 円 (+3.0%) 本日終値
ハピネット<7552>が大幅高で5日続伸。インバウンド需要の回復とともにカプセル玩具関連として関心が高まっているようだ。専門店「gashacoco(ガシャココ)」を全国の大型商業施設を中心に69店舗展開しており、11月14日に発表した上期(4~9月)決算では「ガシャココ」の出店や新規ロケーションの拡大などが寄与しカプセル玩具事業は前年同期比34.4%増の108億円に伸長したという。今後も商品ラインアップを拡充するとともに魅力的な売り場展開を実施することで同事業の拡大を狙うとしている。
■マツキヨココ <3088> 6,600円 +190 円 (+3.0%) 本日終値
マツキヨココカラ&カンパニー<3088>が大幅高で3日ぶりに反発。中国のゼロコロナ政策の撤回とその後の急激な新型コロナウイルス感染者の急増で、中国人が母国の家族や知人に向けて風邪薬や解熱剤を「爆買い」する姿が目立つようになったことを受けて、ドラッグストア大手の同社に思惑的な買いが向かったようだ。また、ウエルシアホールディングス<3141>、ツルハホールディングス<3391>、コスモス薬品<3349>など他のドラッグストア大手にも買いが目立っている。
■ユナイテッドアローズ <7606> 1,852円 +44 円 (+2.4%) 本日終値
ユナイテッドアローズ<7606>が続伸。アダストリア<2685>が29日の取引終了後、23年2月期の業績及び配当予想を上方修正したことを受けて、同じくカジュアル衣料の専門店を展開する同社やTOKYO BASE<3415>などに好業績期待の買いが入っているようだ。両社ともに月次売上高を開示し、足もとの堅調を確認していることも安心感につながっているようだ。
■スミダコーポレーション <6817> 1,374円 +31 円 (+2.3%) 本日終値
スミダコーポレーション<6817>が上昇。30日の朝日新聞電子版が「トヨタ自動車は、電気自動車(EV)向けの専用ラインを、国内工場に設ける検討に入った」と報じた。前日の米国市場でテスラ株が急伸した追い風もあって、車載向けコイルを手掛ける同社をはじめEV関連銘柄を物色する動きが広がった。EV向けセラミックボールのツバキ・ナカシマ<6464>や、EV向けで振動試験装置の拡販が期待されているIMV<7760>、リチウムイオン電池用セパレーターのダブル・スコープ<6619>が堅調に推移している。報道によると、トヨタは同社初のEV専用モデルのSUV(スポーツ多目的車)「bZ4X」向けに専用ラインをつくり、2025年にも増産を始める方向。ラインを設けるのは高岡工場(愛知県豊田市)が候補となっているという。
■共立メンテナンス <9616> 5,900円 +100 円 (+1.7%) 本日終値
共立メンテナンス<9616>が3日ぶりに反発。29日の取引終了後に発表した11月のグループ売上高が前年同月比32.9%増の180億6300万円となったことが好感された。寮事業において、期初からの日本人学生稼働室数の大幅な増加に加え、入国規制の緩和などにより留学生の増加傾向が続いた。また、ホテル事業では秋の行楽シーズンを迎えて、全国旅行支援による追い風や、訪日外国人旅客数が段階的に回復するなど、ドーミーイン・リゾートともに高い稼働率で推移し、客室単価が新型コロナウイルス感染症発生前の19年同月水準を超過したことも寄与した。
■ウェザーニューズ <4825> 7,150円 +120 円 (+1.7%) 本日終値
ウェザーニューズ<4825>が続伸。岩井コスモ証券は29日、同社株の投資判断を「B+」から「A」に引き上げた。目標株価は7700円から8000円に見直した。第2四半期累計(6~11月)の連結営業利益は前年同期比10.6%増の12億7100万円と業績改善を示した。防災への関心の高まりやリオープン(経済再開)を背景に同社が提供する気象情報関連サービスへの需要は堅調。23年5月期の同利益は前期比10.2%増の32億円と会社予想の達成が期待できるとみている。また、24年5月期は36億円への増益を予想している。
株探ニュース