話題株ピックアップ【夕刊】(2):Genky、イー・ギャラ、三菱UFJ
■Genky <9267> 3,635円 +50 円 (+1.4%) 本日終値
Genky DrugStores<9267>は反発。29日の取引終了後に発表した12月度の営業速報で、既存店売上高は前年同月比2.5%増と3カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。150~900坪の大型店が同3.3%減と引き続き不振だったものの、標準化された300坪のレギュラー店は同4.9%増となったことが牽引した。なお、全店売上高は同9.2%増だった。
■イー・ギャランティ <8771> 2,443円 +32 円 (+1.3%) 本日終値
イー・ギャランティ<8771>が8日続伸。29日の取引終了後、23年3月期の期末一括配当予想を26円から30円へ引き上げたことが好感された。23年3月期に保証残高1兆円を達成する見込みとなったことを記念して、記念配当4円を実施する。同時に22年3月期末時点の株主に対して実施した株主優待を最後に、株主優待制度を廃止すると発表した。株主への公平な利益還元のあり方を協議するなかで、配当による利益還元を行うことが公平かつ有効であると判断した。
■三菱UFJ <8306> 889円 +7.5 円 (+0.9%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>は高値圏で堅調。日銀が臨時の国債買い入れオペ(公開市場操作)や指し値オペ、更に共通担保資金供給オペなど相次いで国内金利上昇を抑制するための対応をとっており、この日は日本の新発10年債利回りは低下した。金利低下による利ザヤ縮小は銀行の収益にはマイナス要因となる。ただ直近では、同社株は信用売り残が信用買い残を上回って増加していた。中国の新型コロナウイルス感染急拡大をはじめ、世界景気の減速が鮮明になれば、国内外で債券への資金シフトに伴う金利低下が想定されるが、この日は大納会ということもあって、いったんショートポジションを解消する目的の投資家の買い戻しが株価の支えとなったようだ。この日は国内行が10年固定の住宅ローン金利を2023年1月から引き上げるとの報道も相次いだ。三井住友フィナンシャルグループ<8316>やりそなホールディングス<8308>が堅調に推移。みずほフィナンシャルグループ<8411>もしっかり。
■三益半導体工業 <8155> 2,341円 +10 円 (+0.4%) 本日終値
三益半導体工業<8155>は3日ぶりに小反発。岩井コスモ証券が29日付で、投資判断「A」を継続し、目標株価を2800円から3040円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券ではシリコンウエハーの研磨事業が堅調に推移する一方、パワー半導体製造用スピンプロッサの急伸で業績が好調と評価。会社側が上期決算発表時に通期予想を修正しなかったのは、9月に通期予想を開示してからの期間が短く時期尚早と考えた可能性が高いとみている。前述の両事業とも下期も好調を持続する可能性が高く、特にパワー半導体製造用スピンプロッサは今後更に加速感が増す可能性があり、今期業績は上振れの可能性が高いとしている。
■DTS <9682> 2,982円 -138 円 (-4.4%) 本日終値 東証プライム 下落率6位
DTS<9682>は下値模索の動きを余儀なくされている。同社は情報サービス業大手で、金融や通信向けのソフト開発に強みを持つ。企業のデジタル化需要を追い風に業績は拡大基調を続けており、今期業績は前期に続き営業最高益を更新する見通しにある。業績好調ながら、株価面では足もとPERが過去の水準と比べ依然高い位置で推移していることもあり、割高感を意識した売り圧力が強まっている。きょうは、国内大手証券によるレーティング格下げを受け、一段と下値を探る展開となっている。
■INPEX <1605> 1,396円 -20 円 (-1.4%) 本日終値
INPEX<1605>や石油資源開発<1662>が安い。29日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の2月限が前日比0.56ドル安の1バレル=78.40ドルと下落した。米エネルギー情報局が発表した週間在庫統計で、市場予想に比べ原油在庫が増えたことから需給悪化懸念が台頭した。また、中国で新型コロナウイルス感染者が急増していることも、原油に対する中国需要の減少要因と受け止められ原油安要因に働いた。
■エーザイ <4523> 8,704円 -3 円 (0.0%) 本日終値
エーザイ<4523>は底堅い。米バイオジェン<BIIB>と共同開発したアルツハイマー病治療薬「アデュヘルム」の承認手続きに関し、米食品医薬品局(FDA)が審査に際し、バイオジェンとの協力が行き過ぎだったとする米議会調査担当者の報告書が伝わった。これが一部投資家の売りを促したようだ。だが年明けにFDAが審査を終了する予定のアルツハイマー治療薬「レカネマブ」に対する市場の期待は根強く、下値は限られた。
■アジャイル <6573> 287円 +46 円 (+19.1%) 一時ストップ高 本日終値
アジャイルメディア・ネットワーク<6573>は急騰。29日取引終了後、債務超過が解消される見込みとなったと発表した。これを材料視した買いが入ったようだ。新株予約権の割り当て先の1社と協議の結果、新株予約権の一部行使を受けるに至った。第三者割当増資と第10回新株予約権の発行に伴う払い込み金額と、今回の新株予約権の一部行使の影響で連結純資産額が増加することから、22年12月期の債務超過は解消される見込みとなったという。
■monoAI <5240> 1,077円 +150 円 (+16.2%) ストップ高 本日終値
直近IPO銘柄への物色が活発化している。年末の閑散相場のなか個人投資家を中心とした個別株物色の動きが強まっており、値動きの軽い直近IPO銘柄がここ急速に関心を集めている。メタバースプラットフォームを開発するmonoAI technology<5240>がストップ高に買われる人気となったほか、デジタル化支援のBTM<5247>などが注目されている。
■ビリングシステム <3623> 1,518円 +86 円 (+6.0%) 本日終値
ビリングシステム<3623>が大幅続伸、上昇転換した5日移動平均線を絡め急速に切り返す展開にある。ネット決済サービス代行ビジネスを展開するが、厚生労働省からは国民年金のスマートフォンによる支払いに関連した業務を受注するなど、官公庁にも強さを発揮する。NTTデータ<9613>が上位株主に名を連ねており、地銀再編に伴うシステム更新やデジタル円関連としても注目度が高い。12月中旬以降は全体相場の波乱に流されて株価調整を強いられたが、年内最終売買日に前後して貸株調達による空売りの買い戻しや値ごろ感からの実需買いが観測される。
株探ニュース