3日の米国市場ダイジェスト:米国株式市場は続落、景気後退懸念が強まる
■NY株式:米国株式市場は続落、景気後退懸念が強まる
ダウ平均は10.88ドル安の33,136.37ドル、ナスダックは79.50ポイント安の10,386.98で取引を終了した。
中国の新型コロナ感染ピークアウトによる経済再開期待が買い材料となり、上昇スタート。しかし、国際通貨基金(IMF)の専務理事が本年の世界経済が昨年よりもさらに厳しいものになると警告したことが投資家心理の悪化につながり売りに転じた。主要株価指数は終日軟調に推移。ただ、長期金利の低下や新年度入りに伴う新規投資の買いが下支えし、終盤にかけては下げ幅を縮小した。セクター別では、メディア・娯楽、耐久消費財・アパレルが上昇した一方で、自動車・自動車部品やエネルギーが下落。
カジノを運営するウィン・リゾーツ(WYNN)は中国の経済活動の完全な再開に伴う売り上げ回復を織り込みアナリストが同社の投資判断を引上げたため上昇。同業のラスベガス・サンズ(LVS)も買われた。オンライン決済のペイパル(PYPL)やブロック(SQ)もアナリストの投資判断引上げでそれぞれ上昇。オンライン小売のアマゾン(AMZN)もアナリストの投資判断引上げで上昇した。一方で、電気自動車メーカーのテスラ(TSLA)は22年度の納車台数が目標に達さず大幅続落。携帯端末のアップル(AAPL)は一部の同社製品需要の弱さが報じられて売られた。
中国は同国からの渡航者に対する各国の入国制限を批判し、渡航規制課した国への報復を警告した。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:世界経済の懸念でリスク回避の円買いも
3日のニューヨーク外為市場でドル・円は、130円06銭まで下落後、131円11銭まで上昇し、130円95銭で引けた。本年の景気後退入りを警戒した長期金利の低下に伴うドル売りが優勢となったのち、米11月建設支出の予想外のプラス改善を好感したドル買いが再燃した。
ユーロ・ドルは、1.0530ドルから1.0600ドルまで上昇したが、1.0548ドルで引けた。欧州引けにかけたユーロの買戻しが優勢になったものの、高値では独12月消費者物価指数(CPI)速報値の予想以上の伸び鈍化を受けたユーロ売りが上値を抑制。ユーロ・円は137円61銭まで下落後、138円36銭まで上昇。国際通貨基金(IMF)専務理事が本年の世界経済の悲観的な見方を示したためリスク回避の円買いが優勢となった。ポンド・ドルは、1.1947ドルから1.2056ドルのレンジで上下に振れた。ドル・スイスは、0.9320フランへ下落後、0.9393フランまで上昇した。
■NY原油:反落で76.93ドル、世界経済の減速を意識した売りが入る
NY原油先物2月限は反落(NYMEX原油2月限終値:76.93 ↓3.33)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物2月限は、前営業日比-3.33ドルの76.93ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは76.60ドル-81.50ドル。ロンドン市場の序盤にかけて81.50ドルまで買われたが、が、ニューヨーク市場では世界経済の減速を警戒した売りが強まり反落。通常取引終了後の時間外取引で一時76.60ドルまで売られた。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 33.51ドル +0.39ドル(+1.18%)
モルガン・スタンレー(MS) 85.72ドル +0.70ドル(+0.82%)
ゴールドマン・サックス(GS)346.22ドル +2.84ドル(+0.83%)
インテル(INTC) 26.73ドル +0.30ドル(+1.14%)
アップル(AAPL) 125.07ドル -4.86ドル(-3.74%)
アルファベット(GOOG) 89.70ドル +0.97ドル(+1.09%)
メタ(META) 124.74ドル +4.40ドル(+3.66%)
キャタピラー(CAT) 238.88ドル -0.68ドル(-0.28%)
アルコア(AA) 44.58ドル -0.89ドル(-1.96%)
ウォルマート(WMT) 143.60ドル +1.81ドル(+1.28%)
《ST》