4日の米国市場ダイジェスト:米国株式市場は反発、雇用指標強く景気後退懸念が緩和

市況
2023年1月5日 7時44分

■NY株式:米国株式市場は反発、雇用指標強く景気後退懸念が緩和

ダウ平均は133.40ドル高の33,269.77ドル、ナスダックは71.78ポイント高の10,458.76で取引を終了した。

中国の経済再開などを期待した買いから上昇スタート。11月JOLTS求人件数が予想を上回り労働市場の逼迫が確認されると、金利先高観から一時下落に転じたが、一方で景気後退への懸念が緩和、押し目買い意欲も強く、底堅く推移した。その後、連邦準備制度理事会(FRB)が公表した12月開催分の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の中で、想定通りタカ派姿勢が再確認されると、利上げ長期化観測が強まり再び下落する場面が見られた。ただ、終盤にかけては押し目買いが優勢となり、結局プラス圏で終了。セクター別では、自動車・自動車部品、半導体・同製造装置が上昇した一方、ソフトウエア・サービスが下落した。

クラウド型ソフトウエア会社のセールスフォース(CRM)は事業再編の一環として全従業員の1割を削減、いくつかの事務所スペースを削減するとの計画が好感され上昇。電気自動車メーカーのテスラ(TSLA)は投資家キャシーウッド氏が運営するアークキャピタルが昨日の押し目で同社株を購入したことが明らかになり反発。オンライン決済のペイパル(PYPL)はアナリストの投資判断引上げで上昇。クルーズ船運営のカーニバル(CCL)は4月1日付けでの欧米の料金値上げの計画を発表し、収益改善期待から買われた。同業のノルウェージャンクルーズ(NCLH)も1月1日から値上げを実施しており連れ高となった。パーソナルケア製品メーカーのバス&ボディワークス(BBWI)は、アナリストが同社の国際的なビジネス拡大などを理由に目標株価を引き上げたことで上昇した。一方、ソフトウエアメーカーのマイクロソフト(MSFT)はアナリストの投資判断引き下げで下落となった。

FRBが公表した12月開催分のFOMC議事要旨では、2023年に利下げが適切と考えているメンバーはいないことが明らかになった。

(Horiko Capital Management LLC)

■NY為替:ドル・円は一時132円72銭、FOMC議事要旨が高金利長期化を示唆

4日のニューヨーク外為市場でドル・円は、130円55銭から132円72銭まで上昇し、132円68銭で引けた。ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁がインフレがピークをつけたと言及するのは時期尚早で、少なくともあと、数会合、利上げを継続することが適切とし、本年の金利が5.4%に達すると予想しているとの発言でドル買いが優勢となった。さらに、米11月JOLT求人件数が予想を上回ったほか、米12月ISM製造業景況指数の雇用も改善したためドル買いが加速。その後、連邦準備制度理事会(FRB)が公表した12月開催分の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録も時期尚早の緩和政策への転換を警告、23年に利下げが適切と考えているメンバーはいないことが明らかになり、高金利の長期化観測にドル買いが一段と強まった。

ユーロ・ドルは、1.0628ドルへ強含んだのち、1.0581ドルまで反落し、1.0605ドルで引けた。ユーロ・円は138円61銭から140円76銭まで上昇。株式相場の回復でリスク選好の円売りが優勢となった。ポンド・ドルは、1.2012ドルから1.2077ドルのレンジで上下に振れた。ドル・スイスは、0.9266フランから0.9316フランまで上昇した。

■NY原油:大幅続落で72.84ドル、世界経済の減速を意識した売りが強まる

NY原油先物2月限は大幅続落(NYMEX原油2月限終値:72.84 ↓4.09)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物2月限は、前営業日比-4.09ドルの72.84ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは72.73ドル-77.42ドル。アジア市場の前半で77.42ドルまで戻したが、ポジション調整的な売りが強まり、ロンドン市場の前半で75ドルを下回った。その後75ドル台前半まで戻したが、ニューヨーク市場において世界経済の減速を警戒した売りが再び強まり、一時72.73ドルまで一段安となった。通常取引終了後の時間外取引では主に73ドル台で推移した。

■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC) 34.14ドル +0.63ドル(+1.88%)

モルガン・スタンレー(MS) 86.65ドル +0.93ドル(+1.08%)

ゴールドマン・サックス(GS)347.70ドル +1.48ドル(+0.43%)

インテル(INTC) 27.68ドル +0.95ドル(+3.55%)

アップル(AAPL) 126.36ドル +1.29ドル(+1.03%)

アルファベット(GOOG) 88.71ドル -0.99ドル(-1.10%)

メタ(META) 127.37ドル +2.63ドル(+2.11%)

キャタピラー(CAT) 241.36ドル +2.48ドル(+1.04%)

アルコア(AA) 45.13ドル +0.55ドル(+1.23%)

ウォルマート(WMT) 143.76ドル +0.16ドル(+0.11%)

《ST》

提供:フィスコ

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

プレミアム会員限定コラム

お勧めコラム・特集

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
株探プレミアムとは

日本株

米国株

PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.