5日の米国市場ダイジェスト:米国株式市場は反落、利上げ長期化を警戒
■NY株式:米国株式市場は反落、利上げ長期化を警戒
ダウ平均は339.69ドル安の32,930.08ドル、ナスダックは153.52ポイント安の10,305.24で取引を終了した。
最新の雇用関連指標が軒並み予想を上回り、労働市場の逼迫継続を示唆したため、利上げ長期化観測の高まりが重荷となり、大幅下落でスタート。長期金利の上昇を警戒した売りが続き終日軟調に推移した。一方、終盤にかけては、タカ派筆頭格とされるセントルイス連銀・ブラード総裁がタカ派色を弱める発言をしたため、警戒感が緩和して下げ幅を縮小した。セクター別では、エネルギーや電気通信サービスが上昇した一方で、不動産やソフトウエア・サービスが下落した。
航空大手のデルタ(DAL)は2月1日付でほとんどの国内線においてWi-Fiを無料で提供すると発表し上昇。加工食品会社のコナグラ・ブランズ(CAG)は四半期決算で1株利益が予想を上回ったほか23年の業績見通しを引き上げ買われた。一方、オンライン小売のアマゾン(AMZN)はパンデミック時の過剰採用の調整で1.8万人の雇用削減計画を発表し売られた。小売りチェーンのベッド・バス・アンド・ビヨンド(BBBY)は資金不足で破たん申請を検討する可能性が報じられ急落。飲料会社のコンステレーションブランズ(STZ)は四半期決算でワインなどの売り上げが振るわず、内容が小幅予想を下回り下落した。また、サイバーセキュリティサービス会社のクラウドストライク(CRWD)やクラウドベースの商取引プラットフォーム提供するやショッピファイ(SHOP)はアナリストの投資判断引き下げでそれぞれ下落となった。
セントルイス連銀のブラード総裁は政策金利が十分な引き締め領域に近づきつつあるとの考えを示した。同総裁は本年の連邦公開市場委員会(FOMC)投票権を持たない。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:米利上げ長期化を警戒してドル強含み
5日のニューヨーク外為市場でドル・円は、132円63銭から134円05銭まで上昇し、133円41銭で引けた。米国の12月ADP雇用統計が予想外に前月から伸びが拡大、新規失業保険申請件数も予想以上に前週から減少し労働市場ひっ迫が確認され、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ継続を正当化したため、長期金利急伸に伴いドル買いが加速した。貿易赤字が予想以上に縮小したほか米12月サービス業PMI改定値も予想を上回り成長期待も広がった。また、ボスティック米アトランタ連銀総裁のタカ派発言もさらなるドル買いを支援。その後、株安に連れたリスク回避の円買いに押されたほか、ブラード米セントルイス連銀総裁がタカ派色を弱めたため、ドルは伸び悩んだ。
ユーロ・ドルは、1.0608ドルから1.0515ドルまで下落し、1.0521ドルで引けた。ユーロ・円は141円36銭まで上昇後、140円14銭まで反落。リスク回避の円買いが再開。ポンド・ドルは、1.2011ドルから1.1874ドルまで下落した。ドル・スイスは、0.9274フランから0.9378フランまで上昇した。
■NY原油:反発で73.67ドル、米経済指標の改善を意識した買いが入る
NY原油先物2月限は反発(NYMEX原油2月限終値:73.67 ↑0.83)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物2月限は、前営業日比+0.83ドルの73.67ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは72.46ドル-74.92ドル。ロンドン市場の序盤にかけて74.92ドルまで買われた後、ニューヨーク市場で72.46ドルまで反落。ただ、米雇用関連指標の改善を意識した買いも観測されており、74.91ドルまで反発し、取引終了後の時間外取引では主に73ドル台で推移した。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 34.07ドル -0.07ドル(-0.21%)
モルガン・スタンレー(MS) 85.92ドル -0.73ドル(-0.84%)
ゴールドマン・サックス(GS)343.76ドル -3.94ドル(-1.13%)
インテル(INTC) 27.56ドル -0.12ドル(-0.43%)
アップル(AAPL) 125.02ドル -1.34ドル(-1.06%)
アルファベット(GOOG) 86.77ドル -1.94ドル(-2.19%)
メタ(META) 126.94ドル -0.43ドル(-0.34%)
キャタピラー(CAT) 240.28ドル -1.08ドル(-0.45%)
アルコア(AA) 45.49ドル +0.36ドル(+0.80%)
ウォルマート(WMT) 143.27ドル -0.49ドル(-0.34%)
《ST》