話題株ピックアップ【夕刊】(2):マクドナルド、板硝子、トヨタ

注目
2023年1月6日 15時13分

■マクドナルド <2702>  5,070円  +75 円 (+1.5%)  本日終値

日本マクドナルドホールディングス<2702>は5000円台を回復。同社が5日取引終了後に発表した2022年12月の既存店売上高が前年同月比15.2%増と2ケタの伸びを確保した。ドライブスルーやデリバリーが売り上げに貢献しているほか、新メニューの導入効果なども反映された。これで前年実績を30カ月連続で上回ったことになり、堅調な業績を継続していることを改めて評価する買いを誘導している。

■日本板硝子 <5202>  647円  +9 円 (+1.4%)  本日終値

日本板硝子<5202>は大納会から4日続伸し、2021年10月以来、約1年2カ月ぶりの高値をつけた。同社は23年3月期の連結業績について、最終損益が410億円の赤字の見通しとしている。2006年のピルキントンの買収に伴って発生したのれん及び無形資産に関し、欧州金利上昇を背景に、減損テストに用いる割引率が上昇。結果、減損損失を計上することとなり、巨額赤字の見込みとなった。一方、直近で重くのしかかっていた原燃材料費負担を巡っては、足もとで天然ガス先物価格に下落圧力が掛かっている。会社側は欧州自動車ガラス事業について中長期的に改善するとの見方を示しており、サプライチェーン問題で落ち込んだ自動車向けの生産回復と構造改革による業績面でのプラス効果が期待されている。更に、米国での太陽光パネル向けの需要拡大への思惑もあり、来期以降の業績回復を期待した買いが続いているようだ。

■トヨタ自動車 <7203>  1,825円  +17.5 円 (+1.0%)  本日終値

トヨタ自動車<7203>が後場強含み。この日の取引終了直前、日本銀行は12月のイールドカーブ・コントロール(YCC)政策修正の影響を見極めるため、再修正を急がずと一部で報じられた。外国為替市場でドル円相場は1ドル=134円台前半まで円安に振れた。円高進行による業績悪化懸念が和らぐ格好となり、同社株の支えとなったようだ。

■みずほFG <8411>  1,892円  +13.5 円 (+0.7%)  本日終値

みずほフィナンシャルグループ<8411>が反発。株価は一時1923円まで上昇し、18年11月以来となる4年2カ月ぶりの高値圏に値を上げた。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は5日、同社株のレーティングを「ニュートラル」から「オーバーウエート」に引き上げた。目標株価は1940円から2400円に見直した。メガバンク3社のなかでは自己株取得を行っていないうえにリスクテイク力も低いが、国内事業の比率が高く日銀がマイナス金利やYCCを撤廃した場合のプラス効果は相対的に大きい。また、同社はマイナス金利導入直前のPBRに比べ、現在のPBRは相対的に低いとみている。

■ケーヨー <8168>  890円  +2 円 (+0.2%)  本日終値

ケーヨー<8168>は小幅反発。5日の取引終了後、上限を150万株(発行済み株数の2.51%)、または13億3200万円とする自社株を、6日朝の東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)で取得すると発表しており、これが好材料視された。資本効率の向上と機動的な資本政策の遂行を可能とするとともに、株主還元策の一環として行うとしている。

■ジンズホールディングス <3046>  4,200円  -575 円 (-12.0%)  本日終値  東証プライム 下落率トップ

ジンズホールディングス<3046>が急反落。5日の取引終了後に発表した12月度の月次売上状況(速報)で、既存店売上高が前年同月比10.1%減と2カ月ぶりに前年実績を下回ったことが嫌気された。12月は、15日から販売しているJINS史上最強の特殊なコーティングを施した「JINS無敵コーティング」や、世界最高水準屈折率の両面非球面レンズ「JINS極薄レンズ」をはじめとしたオプションレンズが好調だったものの、前年のコラボレーション商品の反動が大きかった。また、全国旅行支援により観光や飲食などに需要が向けられ、アイウェアの購買需要獲得につながらなかったことも影響した。なお、全店売上高は同7.1%減だった。

■ユナイテッドアローズ <7606>  1,765円  -64 円 (-3.5%)  本日終値  東証プライム 下落率10位

ユナイテッドアローズ<7606>は反落。5日の取引終了後に発表した12月度の売上概況(速報)で、小売りとネット通販を合わせた既存店売上高は前年同月比3.5%増と2カ月ぶりに前年実績を上回ったものの、想定内との見方が強いようだ。セール販売の抑制などにより買上客数は同5.6%減と前年を下回ったものの、定価販売が好調に推移したことで、客単価は同8.5%増となり、改善傾向が続いた。なお、全社売上高は同3.1%増だった。

■三菱地所 <8802>  1,656円  -36.5 円 (-2.2%)  本日終値

三菱地所<8802>は軟調。前日の米長期金利の上昇が金利デメリットセクターの不動産株の重荷となるなか、朝方の売り一巡後は買い戻しの動きもみられた。ただこの日の午後、米雇用統計の公表前で様子見ムードが広がるなかにもかかわらず、日本の長期金利が上昇。日銀の変動許容幅の上限となる0.5%をつけた。これが不動産株への買い手控え要因となったようだ。三井不動産<8801>や住友不動産<8830>も安く、東証の業種別指数で不動産業は下落率でトップとなっている。

■クスリアオキ <3549>  7,440円  -100 円 (-1.3%)  本日終値

クスリのアオキホールディングス<3549>が反落。5日の取引終了後、子会社クスリのアオキがサンエー(新潟県糸魚川市)からスーパーマーケット事業を3月1日付で譲り受けると発表したものの、これを好材料視する動きは限定的のようだ。サンエーは、糸魚川市に食品スーパー2店舗を展開しており、今回の事業譲受により新潟地区におけるドミナント強化を図るのが狙い。譲受価額は非開示。なお、業績に与える影響は精査中としている。同時に22年12月度(11月21日~12月20日)の月次営業速報を発表しており、既存店売上高は前年同月比4.8%増と7カ月連続で前年実績を上回った。客数が同1.0%増となったほか、客単価も同3.8%増と上昇した。

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