米住宅市場は長いトンネルから抜け出しそうな中で住宅建設株は!=米国株個別
全米ホームビルダー協会(NAHB)が前日発表した1月のNAHB住宅市場指数は35と2021年末以降13カ月ぶりに上昇に転じた。20年ぶり高水準にあった住宅ローン金利が低下し続けたことが背景とみられている。住宅ローン金利は依然として1年前の水準を大幅に上回っているものの、昨年11月初旬から低下傾向が継続。発表元のNAHBは「住宅建設業者のセンチメントは12月に底を打ったようだ」と指摘していた。
米住宅市場は長いトンネルから抜け出しそうな気配も見せ始めているが、アナリストは「米住宅市場は良くなる前に悪くなる」と、慎重な見方を維持している一方、「投資家が警戒するほど、住宅メーカーにとっては悪くない状況」とも述べている。
既存の住宅在庫は抑制されており、上昇した住宅価格は上げる気配はないが、下げる気配もなく、粘着性を見せている。その場合、住宅建設業者は需要に見合った在庫価格を設定できるため、新築住宅が中古から市場シェアを獲得する機会を提供するという。なお米国の場合、住宅の売買における中古の割合は75%程度となっている。
現在の住宅建設業者は前回の景気後退期よりも有利な立場にあり、過去5年以上、需要が供給を上回っている状況が続いていることもあり、長期的な見通しは堅実なままだとしている。
アナリストの参照銘柄は以下の通り。()は投資判断
*トール・ブラザーズ<TOL>(買い)
利益の下振れリスクが小さく、今年のペース及び価格戦略を管理するのに適した立場にある。
*DRホートン<DHI>(中立)
同セクターで最も優れたバランスシートを持つが、株価は適正水準に近い。
*トライ・ポイント<TPH> (中立)
強固なバランスシートを有しており、新市場での成長に向けた進展の兆しがあれば、より建設的になりたい。
*パルト<PHM>(買い)
顧客の構成が良く、粗利益率の低下が小さいことから、トップピックを推奨。
18日終値
トール・ブラザーズ<TOL> 56.30(+0.21 +0.37%)
DRホートン<DHI> 94.71(-0.65 -0.68%)
トライ・ポイント<TPH> 20.46(-0.42 -2.01%)
パルト<PHM> 50.97(-0.10 -0.20%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美