NY株式:米国株式市場は続落、根強い景気後退懸念が上値抑制
ダウ平均は252.40ドル安の33,044.56ドル、ナスダックは104.74ポイント安の10,852.27で取引を終了した。
景気後退懸念がくすぶり寄り付き後は下落。週次失業保険申請件数が予想外に減少したことで追加利上げを織り込む金利上昇を警戒した売りが再燃した。また、イエレン財務長官が連邦債務が上限に達し、特別策を講じ議会に上限引き上げなどの対応を要請したことが報じられると、政府機関閉鎖リスクを懸念した売りも強まった。その後、連邦準備制度理事会(FRB)のブレイナード副議長が利上げ減速を支持する姿勢を見せると警戒感を受けた売りが後退。一時下げ止まるも終日軟調推移となった。セクター別では、メディア・娯楽、エネルギーが上昇した一方、半導体・同製造装置、資本財が下落。
銀行のM&Tバンク(MTB)は第4四半期決算で、貸倒引当金が警戒されていた程膨らまず内容が予想を上回ったため上昇。また、ソーシャルメディアのフェイスブック(FB)を運営するメタプラットフォームズ(META)や企業向けIT管理ソフトウエアメーカーのサービスナウ(NOW)はアナリストによる投資判断引き上げでそれぞれ上昇した。一方、クレジットカード会社のディスカバー・ファイナンシャル・サービシズ(DFS)は貸倒損失引当金引き上げが嫌気され下落。消費財メーカのプロクター・アンド・ギャンブル(PG)は第4四半期決算で値上げが影響し、販売数量が市場予想を下回ったため、売られた。不動産投資信託会社ボルネード・レアルティー・トラスト(VNO)は四半期減配を発表して下落。また、保険会社のオールステート(ALL)は第4四半期の暫定決算で調整後純損失が想定以上に悪化したほか、大災害損失計上も予想を上回り下落した。
動画配信のネットフリックス(NFLX)は取引終了後に四半期決算を発表。内容は予想を下回ったが、新契約者数が予想を上回ったほか、自社株買い再開計画が好感され時間外取引で買われている。
(Horiko Capital Management LLC)
《YN》