話題株ピックアップ【夕刊】(3):富士通ゼ、郵船、日パレット
■富士通ゼネラル <6755> 3,600円 -105 円 (-2.8%) 本日終値
富士通ゼネラル<6755>が反落。25日の取引終了後、23年3月期の連結業績予想について、経常利益を220億円から200億円(前期比75.4%増)へ下方修正したことが嫌気された。急激な為替相場の変動に伴い、第3四半期までに為替差損を計上したことが要因。ただ、空調機の調達・生産・出荷オペレーションの正常化や売価改善が着実に進展しているとともに、素材・部品価格や海上運賃の高騰が落ち着くなどコスト環境も改善していることから、売上高3900億円(前期比37.3%増)、純利益130億円(同3.5倍)は従来見通しを据え置いている。同時に発表した第3四半期累計(22年4~12月)決算は、売上高2567億6500万円(前年同期比29.6%増)、経常利益45億4400万円(同20.4%減)、純利益22億1400万円(同27.2%減)だった。海外向け空調機及び電子デバイスの売り上げが増加した一方、素材・部品価格や海上運賃の高騰に加え、事業強化に向けた先行投資費用の増加、円安によるコスト増などの影響が大きかった。
■日本郵船 <9101> 3,165円 -77 円 (-2.4%) 本日終値
日本郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>の海運大手3社が安い。世界最大手のコンテナ船会社MSC(スイス)と同2位のAPモラー・マースク(デンマーク)は25日、船舶を共同運航する「2Mアライアンス」を25年1月末で終了することで合意したと発表。価格競争の激化によるオーシャン・ネットワーク・エクスプレス(ONE)への業績への影響の懸念から、3社への売りが出ているようだ。
■DyDo <2590> 4,700円 -60 円 (-1.3%) 本日終値
ダイドーグループホールディングス<2590>は冴えない動き。25日の取引終了後に発表した1月度(22年12月21日~23年1月20日)の国内飲料事業の販売状況で、販売本数が前年同月比11.1%減となったことが嫌気された。稼働日が1日少なく、チャネル別では流通が同25.9%減と落ち込んだほか、自販機も同7.0%減だった。
■サイバーエージェント <4751> 1,236円 -7 円 (-0.6%) 本日終値
サイバーエージェント<4751>は売り買い交錯。25日の取引終了後に10~12月期決算を発表し、売上高は前年同期比2.1%減の1675億7700万円、営業損益は前年同期の黒字から12億5500万円の赤字に転落した。同決算を巡り、ネットテレビ「ABEMA」の将来的な成長を期待する向きと、足もとの業績悪を嫌気する向きとの間で評価が分かれているようだ。「ABEMA」などを手掛けるメディア事業で、「FIFAワールドカップ」関連費用を計上したことが利益面で大きく響いた。一方、W杯効果により同事業の売り上げは大きく伸びている。このほか、インターネット広告事業は景気の影響を一部受けつつも堅調、ゲーム事業は主力タイトル周年記念前の端境期の影響で減収減益だった。なお、通期の増収・営業減益見通しは据え置いている。あわせて、株主優待制度の導入を発表した。毎年9月末時点で100株以上保有する株主を対象に、「ABEMA」のプレミアム利用料の無料クーポンを贈呈する。今年9月から開始する。
■レーザーテック <6920> 26,270円 -110 円 (-0.4%) 本日終値
レーザーテック<6920>、東京エレクトロン<8035>など半導体製造装置関連は売り優勢の展開となり弱含みで推移。前日の米国株市場ではNYダウが後半切り返しわずかながらプラス圏で引けたものの、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は小幅安で着地した。ただ、半導体関連は底堅い動きでフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は前日終値を若干上回った。東京市場では半導体関連企業の収益先行きに強弱観が対立するなか株価も不安定な動きが続くが、株式需給面ではひと頃と比べ信用買い残の整理が進んでいることから上値は軽くなっている。
■日本パレットプール <4690> 2,068円 +400 円 (+24.0%) ストップ高 本日終値
日本パレットプール<4690>がストップ高。25日の取引終了後、23年3月期の単独業績予想について、営業利益を7億円から9億5000万円(前期比2.1倍)へ、純利益を5億円から7億5000万円(同2.8倍)へ上方修正したことが好感された。売上高は71億8500万円から72億円(同1.5%増)へ小幅な上方修正にとどまるものの、レンタル稼働率の向上に伴う貸与資産のメンテナンスコストの削減や、効率的な運用による収支の改善が想定以上に進んでいることが利益を押し上げるとしている。
■日本ギア工業 <6356> 427円 +80 円 (+23.1%) ストップ高 本日終値
日本ギア工業<6356>が急騰。電力分野向けを主力に歯車及びその関連装置を製造するが、コスト低減努力に加え、製品価格の見直し効果が発現し、足もとの利益は会社側の計画を大きく上回って推移している。25日取引終了後、23年3月期業績予想の修正を発表、営業利益は従来見通しの3億3000万円から7億4000万円(前期比6.3倍)に大幅増額した。これが株価を強く刺激する格好となっている。PBRが0.5倍台と株価指標面からも水準訂正余地を示唆しており、上値を見込んだ短期資金の流入が加速した。
■エコモット <3987> 486円 +80 円 (+19.7%) ストップ高 本日終値
エコモット<3987>がストップ高。25日の取引終了後、遠隔臨場システム「Gリポート」が、国土交通省新技術情報提供システム「NETIS」に登録されたと発表したことが好感された。NETISは国交省が運営する、民間企業などにより開発された新技術に係る情報を共有及び提供するためのデータベース。今回登録された同社の「Gリポート」は、高画質映像のリアルタイム共有と録画を可能とする遠隔臨場システムで、従来技術との比較において「経済性」「工程」「品質」「安全性」「施工性」「周辺環境への影響」の6項目全てで活用効果(向上)が認められた、現時点で唯一の「遠隔臨場ツール」としている。
■キムラユニティー <9368> 892円 +95 円 (+11.9%) 本日終値
キムラユニティー<9368>が急伸し、昨年来高値を更新した。午前11時、株主還元方針の変更と配当予想の増額修正を発表し、好感されたようだ。連結配当性向の目標をこれまでの30%から40%に引き上げた。また、期末配当予想は従来の15円から12円増額の27円に見直した。年間配当予想は42円とし、7月の株式分割を考慮したベースで前期の水準と比較すると、実質的に16円の増配の計画となった。あわせて発表した23年3月期第3四半期累計(4~12月)の連結決算は、売上高が前年同期比5.4%増の440億3500万円、最終利益が同14.3%増の19億4900万円だった。物流サービス事業における受注量の増加などが寄与した。
●ストップ高銘柄
セレンHD <7318> 862円 +150 円 (+21.1%) ストップ高 本日終値
AIAIグループ <6557> 894円 +150 円 (+20.2%) ストップ高 本日終値
ベースフード <2936> 492円 +80 円 (+19.4%) ストップ高 本日終値
pluszero <5132> 6,350円 +1,000 円 (+18.7%) ストップ高 本日終値
ヤマト・インダストリー <7886> 1,065円 +150 円 (+16.4%) ストップ高 本日終値
など、8銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース