31日の米国市場ダイジェスト:米国株式市場は反発、利上げ長期化懸念が後退
■NY株式:米国株式市場は反発、利上げ長期化懸念が後退
ダウ平均は368.95ドル高の34,086.04ドル、ナスダックは190.74ポイント高の11,584.55で取引を終了した。
10-12月期雇用コスト指数が予想以上に鈍化したため、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ長期化懸念が後退し、買い戻しが先行。自動車メーカーのゼネラル・モーターズ(GM)や石油会社のエクソンモービル(XOM)の良好な決算を好感した買いも相場を一段と押し上げた。また、長期金利の低下でハイテクも買われ、主要株価指数は終盤にかけて上げ幅を拡大して終了。セクター別では、自動車・自動車部品、運輸の上昇が目立った。
自動車メーカーのゼネラル・モーターズ(GM)は第4四半期決算で、調整後の1株利益が予想を上回ったほか、見通しも予想を上振れ、さらに、電気自動車では値下げ計画がなく、売上が25年までに競合のテスラ(TSLA)を上回るとの強気の方針を示したことで上昇。石油化学メーカーのエクソンモービル(XOM)は22年の利益が過去最高を記録し上昇した。オンライン決算のペイパル(PYPL)は経営改革の一環として全従業員の7%の人員を削減すると発表し上昇。重機メーカーのキャタピラー(CAT)は四半期決算で中国の需要減少やコスト高、ドル高が響き29%減益を発表し下落した。ファーストフードチェーン運営のマクドナルド(MCD)は第4四半期決算で、売上が予想を上回ったものの営業利益率が予想を下回り下落。
取引終了後に四半期決算を発表した半導体メーカーのアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は1株利益が予想を上回ったほか、強い見通しが好感され、時間外取引で上昇している。一方で、テクノロジー・ソーシャルメディア、スナップ(SNAP)は1-3月期の売上鈍化を警告し、売られている。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:ドル弱含み、利上げ長期化の思惑後退
1月31日のニューヨーク外為市場でドル・円は、130円43銭から129円75銭まで下落し、130円10銭で引けた。10-12月期雇用コスト指数の伸びが前期から予想以上に鈍化し、1年ぶりの低水準にとどまったため、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ長期化の思惑が後退。さらに、米1月シカゴ購買部協会景気指数が予想以上に低下したほか、米1月消費者信頼感指数も予想外に12月から低下したため景気減速の思惑にさらに長期金利が低下、ドル売りに拍車がかかった。
ユーロ・ドルは、1.0825ドルから1.0875ドルまで上昇し、1.0863ドルで引けた。ユーロ圏10-12月期国内総生産(GDP)速報値が予想外にプラス成長を維持したためリセッション懸念も後退し、ユーロ買いが優勢となった。ユーロ・円は140円80銭まで下落したのち、141円55銭まで反発。ポンド・ドルは、1.2284ドルまで下落後、1.2337ドルまで上昇した。ドル・スイスは、0.9273フランから0.9151フランまで下落。
■NY原油:反発で78.87ドル、需要増加の思惑が再浮上
NY原油先物3月限は反発(NYMEX原油3月限終値:78.87 ↑0.97)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物3月限は、前営業日比+0.97ドルの78.87ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは76.55ドル-79.25ドル。ロンドン市場で76.55ドルまで売られたが、ニューヨーク市場の中盤にかけて79.25ドルまで反発。需要増加の思惑が再浮上し、ポジション調整的な買いが活発となったようだ。通常取引終了後の時間外取引で79ドルを挟んだ水準で推移。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 35.48ドル +0.18ドル(+0.51%)
モルガン・スタンレー(MS) 97.33ドル +1.37ドル(+1.43%)
ゴールドマン・サックス(GS)365.81ドル +8.35ドル(+2.34%)
インテル(INTC) 28.26ドル +0.31ドル(+1.11%)
アップル(AAPL) 144.29ドル +1.29ドル(+0.90%)
アルファベット(GOOG) 99.87ドル +1.92ドル(+1.96%)
メタ(META) 148.97ドル +1.91ドル(+1.30%)
キャタピラー(CAT) 252.29ドル -9.21ドル(-3.52%)
アルコア(AA) 52.24ドル +1.90ドル(+3.77%)
ウォルマート(WMT) 143.87ドル +1.72ドル(+1.21%)
《ST》