注目銘柄ダイジェスト(前場):ZHD、NTN、ELEMENTSなど
日本酸素HD<4091>:2270円(+174円)
大幅反発。前日に第3四半期決算を発表、累計コア営業利益は875億円で前年同期比14.7%増となっている。10-12月期は314億円で7-9月期の259億円からは大幅な増益となる形に。米国や欧州州事業の利益が順調に拡大する状況となっている。半導体向け特殊ガスの先行き懸念などが先行していたとみられ、好決算を受けて買い安心感が先行する展開のようだ。
ソニーG<6758>:12030円(+540円)
大幅続伸。前日に第3四半期決算を発表、10-12月期営業利益は4287億円で前年同期比7.8%減となったが、市場予想は400億円強上回る着地になっている。また、通期予想は従来の1兆1600億円から1兆1800億円に上方修正。懸念されていたゲーム&ネットワークサービス、イメージング&センシング・ソリューションの主力2事業が大幅増益と好調、上方修正値はコンセンサス並みだが、ストレートに評価の動きが強まっている。
NTN<6472>:286円(+24円)
大幅反発。前日に第3四半期の決算を発表、10-12月期営業利益は60億円で85億円程度の市場予想を下振れる着地になった。物流混乱によるコスト増で自動車関連分野が伸び悩む格好に。通期予想は前期比3.8倍の260億円を据え置き、自動車は下方修正も産業機械と補修分野が上振れのもよう。また、24年3月期営業利益は390-420億円の水準が目標とあらためて示されているもようであり、ポジティブに受け止める動きが優勢のようだ。
日新電<6641>:1686円 カ -
ストップ高買い気配。親会社である住友電工が、同社の完全子会社化を目指してTOBを実施すると発表。同社では賛同の意見を表明しており、TOB価格の1700円にサヤ寄せを目指す動きとなっている。TOB価格は前日終値に対して22.7%のアップ率となっている。TOB期間は2月3日から3月22日まで。なお、住友電工とは同社のほかに、テクノアソシエの完全子会社化も発表している。
ZHD<4689>:427.1円(+52.7円)
大幅続伸。前日に第3四半期決算、並びに、ヤフー、LINEとの合併方針を発表している。経営体制の刷新は市場の期待よりも早いタイミングと評価され、今後の経営スピードの加速化を期待する動きが先行へ。一方、10-12月期調整後EBITDAは935億円で前年同期比4.5%減となったが、子会社化したPayPayを除けば前年並みを確保。通期では3315億円の見通しと、従来予想の下限水準としているが、あく抜け感につながっているようだ。
エコモット<3987>:586円(-5円)
朝高後、値を消す展開。生産性向上エッジAIカメラシステム「PROLICA」を開発し、レンタルを開始したと発表している。ディープラーニングを用いた画像解析により、目視による状況認識や異常検知等を代行するシステム。工事車両の出入口に接近する一般車両の検知と作業員への通知で接触事故を防止するほか、危険箇所への立ち入りの監視、操作画面モニタや検針メーターの読み取りによる品質管理・作業効率の向上などで利用できるとしている。
ELEMENTS<5246>:948円(-133円)
大幅に4日ぶり反落。東証が3日から信用取引に関する規制措置を強化したことが嫌気されている。新規の売付及び買付に係る委託保証金率が50%以上(うち現金20%以上)となった。日証金も増担保金徴収措置を実施している。ELEMENTS株は22年12月27日に312円で初値を付けてから今月2日に1275円まで上昇するなど短期間に急騰しており、高値警戒感からの利益確定売りも出ているとみられる。
クリングル<4884>:776円(-14円)
3日ぶり反落。慢性期完全脊髄損傷の複合治療に世界で初めて成功したと1日に発表したことが引き続き買い材料視されている。慶應義塾大学が保有するiPS細胞由来神経幹・前駆細胞とクリングルファーマが開発する組換えヒトHGFタンパク質及びスキャフォールド(足場基材)の併用療法で、脊髄の神経線維を切断した完全脊髄損傷モデル動物の慢性期に新たな神経回路の構築による運動機能と排尿機能の回復に成功したとしている。
《ST》