7日の米国市場ダイジェスト:米国株式市場は反発、パウエルFRB議長がタカ派色強めず
■NY株式:米国株式市場は反発、パウエルFRB議長がタカ派色強めず
ダウ平均は265.67ドル高の34,156.69ドル、ナスダックは226.33ポイント高の12,113.79で取引を終了した。
強い1月雇用統計を受け、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁など連邦準備制度理事会(FRB)高官がタカ派色と強めたことで、金利高を警戒した売りが先行。その後、パウエル議長がインタビューで連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見と同様に、ディスインフレの初期段階にあることを再表明し金利が低下すると上昇に転じた。一方、議長が、強い雇用データが続いた場合にはターミナルレート(政策金利の最終到達点)が上昇する可能性に言及すると一時下落に転じる荒い展開となった。しかし、終盤にかけ、本年内に利上げ終了の軌道変わらずとの見方から再び買われ、上げ幅を拡大して終了した。セクター別では、半導体・同製造装置、メディア・娯楽が上昇した一方、電気通信サービスが下落した。
ビデオ会議サービス供給のズームビデオ(ZM)はマクロ経済の不透明感に対応し、全従業員の15%削減計画を発表し上昇。ワイヤレス半導体メーカーのスカイワークス・ソリューションズ(SWKS)は、決算で調整後の1株利益が予想に一致、売上見通しが予想を下回ったものの、下半期に「iPhone15」絡みの需要増を見込んだ楽観的な見方が指摘され、買われた。レンタカー会社のハーツ・グローバル(HTZ)は、第4四半期決算で強い需要や自動車不足が奏功し、1株利益が予想を上回り上昇。ヘルスケアプロバイダーのオークストリートヘルス(OSH)は、CVSヘルス(CVS)が同社買収で合意に近いと報じられて大幅高。オンライン教育サービスのチェグ(CHGG)は第1四半期の見通しが予想を下回ったほか、会員数の伸び低迷を警告し売られた。
メキシコ料理チェーンレストラン運営のチポトレ・メキシカン・グリル(CMG)は取引終了後に第4四半期決算を発表。1株利益が予想を下回り、時間外取引で売られている。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:ドル・円は反落、パウエルFRB議長タカ派姿勢強めず
7日のニューヨーク外為市場でドル・円は、132円13銭から130円48銭まで下落して131円08銭で引けた。日本の賃金の予想以上の伸びで、日銀の緩和政策修正の思惑に伴う円買いが加速。さらに、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が強い雇用統計にもかかわらず先の会見と同様ディスインフレの初期の段階であると繰り返し、タカ派色を強めなかったため長期金利低下に伴いドル売りに転じた。その後、強い雇用が継続した場合、ピーク金利が高まるとの発言で、下げ止まった。
ユーロ・ドルは、1.0669ドルへ下落後、1.0767ドルまで上昇し1.0727ドルで引けた。ユーロ・円は141円50銭から140円29銭まで下落。日欧金利差縮小観測にユーロ売り、円買いが加速。ポンド・ドルは、1.1961ドルまで下落後、1.2095ドルまで上昇した。ドル・スイスは、0.9273フランから0.9192フランまで下落。
■NY原油:大幅続伸で77.14ドル、2月1日以来の77ドル台に戻す
NY原油先物3月限は大幅続伸(NYMEX原油3月限終値:77.14 ↑3.03)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物3月限は、前営業日比+3.03ドルの77.14ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは74.35ドル-77.35ドル。アジア市場で75ドル台を回復した後、金利上昇を警戒して米国市場で一時75ドルを下回ったものの、米国市場の後半にかけてポジション調整的な買いが強まり、通常取引終了後の時間外取引で77.35ドルまで一段高となった。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 36.77ドル +0.40ドル(+1.10%)
モルガン・スタンレー(MS) 99.22ドル +0.32ドル(+0.32%)
ゴールドマン・サックス(GS)374.40ドル +3.60ドル(+0.97%)
インテル(INTC) 29.05ドル +0.36ドル(+1.25%)
アップル(AAPL) 154.65ドル +2.92ドル(+1.92%)
アルファベット(GOOG) 108.04ドル +4.57ドル(+4.42%)
メタ(META) 191.62ドル +5.56ドル(+2.99%)
キャタピラー(CAT) 249.66ドル -1.76ドル(-0.70%)
アルコア(AA) 53.24ドル +1.22ドル(+2.35%)
《NH》