8日の米国市場ダイジェスト:米国株式市場は反落、FRB高官のタカ派姿勢を警戒
■NY株式:米国株式市場は反落、FRB高官のタカ派姿勢を警戒
ダウ平均は207.68ドル安の33,949.01ドル、ナスダックは203.27ポイント安の11,910.52で取引を終了した。
NY連銀総裁や連邦準備制度理事会(FRB)の理事などの高官が相次いで経済の需要が予想よりも強く、インフレ制御のための追加利上げが必要になると主張したため、金利高を警戒した売りが先行。本日開催された講演でのFRB高官のタカ派発言が続き、終日軟調推移となった。セクター別では、メディア・娯楽での下落が目立った一方、自動車・自動車部品が小幅上昇した。
配車サービスのウーバー・テクノロジーズ(UBER)は四半期決算の内容や第1四半期の見通しが予想を上回り上昇。総合ヘルスケア会社のCVSヘルス(CVS)は23年の通期収入予想が市場予想を上回ったほか、報道通り、高齢者向け医療保険、メディケア給付対象者向けプライマリーケアセンターを運営するオークストリート・ヘルス(OSH)買収で合意したと正式発表し、買われた。オークストリート・ヘルス(OSH)も上昇。メディアのニューヨーク・タイムズ(NYT)は第4四半期決算で1株利益が予想を上回ったほか、最高経営責任者(CEO)がデジタルのみの購読者数が100万人超伸びたことに言及し、上昇した。
検索のグーグルを運営するアルファベット(GOOG)は、グーグルが新たに採用した人口知能(AI)搭載のチャットボット「bardバード」が不正確な内容を生成したとする複数報道を受けて大幅安。スポーツ用品メーカーのアンダーアーマー(UAA)は四半期決算の内容が予想を上回ったものの、前年比での在庫50%増が警戒され下落した。
エンターテインメントのウォルト・ディズニー(DIS)は取引終了後に決算を発表。調整後の1株利益が予想を上回ったほか、同社の動画サービス、ディズニープラスの加盟者数が警戒された程減少しなかったため、時間外取引で上昇している。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:FRB高官が追加利上げの必要性を主張、ドル売り後退
8日のニューヨーク外為市場でドル・円は、131円00銭から131円54銭まで上昇し、131円42銭で引けた。ウィリアムズ米NY連銀総裁やクック理事、ウォラー理事がそろって一段の利上げが必要であるとタカ派発言をしたため、金利先高観に伴うドル買いが優勢となった。その後、米10年債入札の結果が強く、金利が低下に転じたためドル買いも後退。
ユーロ・ドルは、1.0743ドルから1.0710ドルまで下落し、1.0712ドルで引けた。ユーロ・円は140円67銭から141円03銭まで上昇。クノット・オランダ中銀総裁が5月も0.5%の利上げの必要性を主張するなど日欧金利差拡大観測に伴うユーロ買い・円売りが再燃。ポンド・ドルは、1.2097ドルから1.2055ドルまで下落。ドル・スイスは、0.9187フランから0.9217フランまで上昇した。
■NY原油:続伸で78.47ドル、中国経済の再拡大を意識した買いが入る
NY原油先物3月限は続伸(NYMEX原油3月限終値:78.47 ↑1.33)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物3月限は、前営業日比+1.33ドルの78.47ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは77.08ドル-78.57ドル。アジア市場で77.08ドルまで下落したが、中国経済の再拡大を意識した買いが観測されており、米国市場で一時78.57ドルまで一段高となった。通常取引終了後の時間外取引では78ドル台で推移。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 36.50ドル -0.27ドル(-0.73%)
モルガン・スタンレー(MS) 98.96ドル -0.26ドル(-0.26%)
ゴールドマン・サックス(GS)375.10ドル +0.70ドル(+0.19%)
インテル(INTC) 28.24ドル -0.81ドル(-2.79%)
アップル(AAPL) 151.92ドル -2.73ドル(-1.77%)
アルファベット(GOOG) 100.00ドル -8.04ドル(-7.44%)
メタ(META) 183.43ドル -8.19ドル(-4.27%)
キャタピラー(CAT) 248.87ドル -0.79ドル(-0.32%)
アルコア(AA) 50.62ドル -2.62ドル(-4.92%)
ウォルマート(WMT) 140.22ドル -0.76ドル(-0.54%)
《ST》