為替週間見通し:ドルは底堅い動きか、米インフレ高止まりの思惑残る

通貨
2023年2月18日 13時26分

【今週の概況】

■ドルは堅調推移、米利上げ長期化の思惑強まる

今週のドル・円は堅調推移。米国の利上げ長期化を想定したドル買い・円売りが活発となった。2月14日発表の1月米消費者物価指数(CPI)と16日発表の1月米生産者物価指数(PPI)は市場予想を上回った。また、16日発表の新規失業保険申請件数は増加予想に反して減少したことから、米連邦準備制度理事会(FRB)は政策金利を一段と引き上げる可能性が高まった。17日のロンドン市場でドル・円は一時135円台に上昇した。

17日のニューヨーク外為市場でドル・円は、134円86銭から134円06銭まで下落した。

バーキン米リッチモンド連銀総裁が「経済指標への対応で柔軟性の余地をひろげる25BP(0.25ポイント)の利上げを支持する」との見方を伝えたことから、利上げペース再加速の思惑は後退し、長期金利は低下したことから、リスク選好的なドル買い・円売りは縮小した。ドル・円は134円17銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:131円14銭-135円10銭。

【来週の見通し】

■ドルは底堅い動きか、米インフレ高止まりの思惑残る

来週のドル・円は底堅い値動きか。米インフレ高止まりの見方から、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ長期化観測でドル買いが入りやすい。また、日本銀行は現行の金融緩和策を当面維持することが見込まれ、円売り基調も続く。2月14日に発表された米消費者物価指数(CPI)と16日発表の 生産者物価指数(PPI)は伸び率が鈍化したが、市場予想を上回った。

市場では早期利上げ休止と年内利下げの思惑が広がっていたが、直近のインフレ指数が前回を上回るケースが目立つ。来週発表の1月米PCEコア価格指数は前年比+4.3%と、上昇率は12月実績を下回る見通しだが、市場予想を上回った場合、インフレ鎮静化の流れが逆戻りする可能性もある。そうした観点から、FRBのタカ派姿勢をにらんだ金利高・ドル高は継続しそうだ。ドル・円は1月6日に付けた年初来高値134円77銭を一時上回っており、新たなドル買い材料が提供された場合、1ドル=135円を再び超えて一段高となる可能性がある。

なお、次期日銀正副総裁の人事案が国会に提示された。総裁候補の植田和男元審議委員は黒田東彦総裁の緩和路線を当面維持するとみられ、現時点では円安方向に振れている。ただ、年後半以降には金融緩和策の修正に動き始めるとの見方もあるため、金融政策などについての植田氏の発言には注意が必要か。

【米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨】(22日公表予定)

米連邦準備制度理事会(FRB)は2月22日、直近開催の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を公表する。インフレ鎮静化の観測が後退するなか、タカ派的なトーンならドル買い材料に。

【米・1月PCEコア価格指数】(24日発表予定)

2月24日発表の米1月PCEコア価格指数は前年比+4.3%と、前月の+4.4%を下回る見通し。ただ、市場予想を上回り、インフレ鎮静化の流れが変わるとの見方が広がれば、再び金利高・ドル高に振れやすい。

予想レンジ:132円50銭-136円00銭

《FA》

提供:フィスコ

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