クリングルの上値追い鮮烈、再生医療分野での活躍期待でバイオ株人気の象徴に
クリングルファーマ<4884>が鮮烈な上げ足をみせている。前日に続く急伸できょうは一時24%高に買われ全市場を通じての値上がり率首位を争う状況となっている。同社は肝細胞増殖因子(HGF)タンパク質を活用した難治性疾患の治療薬の研究開発を行っている。
足もとの業績は赤字ながら再生医療分野での独自技術が脚光を浴びており、今月1日には慶応大学と協業で進めている慢性期完全脊髄損傷に対する複合治療に世界で初めて成功したことを発表し、耳目を集めた経緯がある。目先新たな買い材料が出現したわけではないものの、市場では「メッセンジャーRNAのがん治療への応用などの横軸展開や、mRNAに絡むバイオ工場が国内で稼働する状況下にあって、バイオ関連株には思惑が向かいやすい」(準大手証券ストラテジスト)という声がある。また、同社株については株式需給面でも追い風が吹く。外資系経由での貸株調達による空売りが観測されていたが、直近その買い戻しが株価に浮揚力を与えているもようだ。