NY株式:米国株式市場は下落、主要小売り決算や金利上昇を嫌気
ダウ平均は697.10ドル安の33,129.59ドル、ナスダックは294.97ポイント安の11,492.30で取引を終了した。
主要小売企業の決算で需要鈍化見通しが嫌気され下落スタート。2月製造業・サービス業PMIが予想以上の伸びとなったため、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ長期化観測が強まり、年初来の水準まで上昇した長期金利がさらなる売り圧力となった。主要株価指数は終日軟調で、引けまでげ下げ幅を広げる展開となった。セクター別では、自動車・自動車部品、小売りの下げが特に目立った。
シリアルなどの食品会社のゼネラル・ミルズ(GIS)は消費需要に弾力性があると指摘し、通期の見通しを引上げたことで上昇。ディスカウント小売りのウォルマート(WMT)は四半期決算で通年の慎重な見通しを示し下落で始まったが、調整後の1株利益が予想を上回ったことが好感され上昇に転じた。
ホームセンター運営のホーム・デポ(HD)は第4四半期既存店売上高が予想を下回ったほか、23年の売り上げがほぼ横ばいと冴えない見通しを示し、さらに、朝方発表された1月中古住宅販売件数が予想外に減少したことも材料視されて下落。百貨店のディラーズ(DDS)は第4四半期で売上高が予想を下回り、今四半期に3店舗閉鎖する計画を発表し売られた。電子署名のドキュサイン(DOCU)はアナリストが同社株の投資判断を引き下げたことが嫌気され下落。鉄道のノーフォーク・サザン(NSC)は、2月初めにオハイオ州で起きた有害物質を一部車両に搭載していた列車脱線事故を巡り、環境保護庁(EPA)が運営していた同社に対して環境汚染の処理を指示、また、ペンシルバニア州知事が同社に対し刑事告発したことを発表し、売られた。同業のユニオン・パシフィック(UNP)も下落。
取引終了後に決算を発表したカジノリゾート運営のシーザーズ・エンターテインメント(CZR)は1株損失が予想以上に拡大し時間外取引で売られている。
(Horiko Capital Management LLC)
《YN》