海運株が業種別値上がり率断トツ、JCR格上げとバルチック指数の戻り足も追い風に
日本郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>など海運株が総じて高く、業種別騰落率ランキングで断トツの上昇率となっている。一頭地を抜く配当利回りの高さに着目した配当権利取り狙いの買いを誘引しているほか、祝日前の22日に日本格付研究所(JCR)が海運大手3社についてそれぞれ1段階格上げしたことも、投資家の買い安心感につながったもようだ。
一方、昨年末以来一貫して下値を探っていたバルチック海運指数が前週17日をターニングポイントに急速に戻りに転じていることも物色人気に拍車をかけている。同指数は鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の値動きを表す総合指数で1985年の1月4日を1000として算出しているが、ばら積み船部門を持つ海運株との連動性も高い。21年10月には5500強まで高騰したが、それ以降は下げトレンドに転換。最近は停滞する中国経済などを背景に2カ月近くにわたり下落基調を続け、530まで売り込まれた経緯がある。ただ目先底入れを明示し、前日まで5日続伸して816まで水準を戻している。