話題株ピックアップ【夕刊】(3):サンオータス、ヘッドウォ、安永
■関西ペイント <4613> 1,760円 -66 円 (-3.6%) 本日終値
関西ペイント<4613>が急落。28日取引終了後、株式売り出しを発表しており需給悪化を警戒する売りが優勢となっている。トヨタ自動車<7203>など5社が2279万400株を売り出す。同時にオーバーアロットメントによる上限341万8500株の売り出しも実施する。売出価格は3月8日から14日のいずれかの日に決定する。同時に、自社株買いの実施も発表した。820万株(発行済み株式数の3.50%)、120億円を上限としており、取得期間は売出価格決定の6営業日後から24年3月15日まで。
■サンオータス <7623> 883円 +150 円 (+20.5%) ストップ高 本日終値
サンオータス<7623>が後場に急騰した。午後2時、経済産業省の「新事業特例制度」をもとに、電動キックボードシェアリングの実証を神奈川県の湘南・三浦地区で1日から開始したと発表。これを材料視した買いが集まったようだ。すでにシェアリングサービスを展開する横須賀市地区とあわせ、実施エリアを拡大する。エリア全域で相互乗り入れが可能な専用ステーションは22カ所となっており、引き続き自治体などとの連携や、京浜急行電鉄<9006>との連携協定に基づき、順次増設を計画しているという。
■ヘッドウォータース <4011> 8,950円 +1,500 円 (+20.1%) ストップ高 本日終値
ヘッドウォータース<4011>がストップ高。28日の取引終了後、企業向けのGPTサービスラインアップの拡充について発表した。これを材料視した買い注文が集まったようだ。同社のマルチAIプラットフォーム「SyncLect(シンクレクト)」と、チャット分析ソリューション「Chat Analyzer(チャットアナライザ)」について、米オープンAIとマイクロソフト<MSFT>とのパートナーシップによるサービス「Azure OpenAI Service」に対応させる。ChatGPTでも利用されているGPT-3文章生成モデルをシンクレクトに連携することで、企業向けのウェブシステムやアプリケーションなどに対し早期に組み込むことが可能になるとしている。また、企業内チャットデータをGPTモデルへ追加学習させることにより、チャットボットが人手によるデータ登録なしで応答することもできるようになるという。
■安永 <7271> 786円 +100 円 (+14.6%) ストップ高 本日終値 東証プライム 上昇率トップ
安永<7271>は急速人気化。同社はコネクティングロッドなどエンジン部品で世界首位級の商品競争力を持つ自動車部品メーカーで、インバーターハウジングやトランスアクスルケースなど電動化領域でも実績が高い。28日取引終了後、次世代パワー半導体新材料である酸化ガリウム向けの加工設備としてワイヤソーがノベルクリスタルテクノロジー社に採用されたことを発表、これを材料視する形で投資資金が流れ込んだ。ノベルクリスタルテクノロジーはタムラ製作所<6768>からカーブアウトする形で設立された会社で、酸化ガリウムのエピウエハーの開発、製造、販売を行っており、次世代パワー半導体関連のキーカンパニーとして注目されている。
■メタリアル <6182> 1,246円 +81 円 (+7.0%) 本日終値
メタリアル<6182>は大幅高。同社は人工知能(AI)を活用した自動翻訳サービスの提供などを行うが、メタバース分野への展開に積極的。28日取引終了後、AIを用いて既存の2D映像を3次元化してメタバース空間上に投影する技術「DiveVerse(ダイブバース)」を開発したことを発表、これを材料視する買いを呼び込んだ。株価は今週27日に急動意をみせたのち上昇一服となっていたが、きょう改めて上げ足を強めている。
■日本ギア工業 <6356> 533円 +31 円 (+6.2%) 本日終値
日本ギア工業<6356>の上値指向が際立っている。1月25日に23年3月期業績予想の上方修正を発表し翌26日にストップ高に買われる人気となったが、その後も目先筋の利益確定売りを完全にこなして上値を買い進む動きが鮮明、連日の昨年来高値更新と気を吐いている。電力分野向けなどを中心に歯車装置事業を主力展開するが、価格改定効果もあって利益の伸びが顕著だ。23年3月期営業利益は前期比6.3倍の7億4000万円と急拡大する見通し。更に同社は原子力発電所向けバルブ・アクチュエーターで高い商品シェアを誇っており、岸田政権の原発の長期利用に前向きな政策スタンスを背景に関連有力銘柄として根強い買いが続いている。
■ロボペイ <4374> 1,561円 +90 円 (+6.1%) 本日終値
ROBOT PAYMENT<4374>が大幅続伸。2月28日の取引終了後、大塚商会<4768>と業務提携し、「たよれーる」で「請求管理ロボ」の販売を開始したと発表しており、好材料視された。「請求管理ロボ」は、今までエクセルと手作業で行っていた、請求・集金・消込・催促といった作業を全て自動化し、請求業務の大幅削減を実現するクラウドサービス。大塚商会「たよれーる」の請求管理領域においては初の取り組みとなり、大塚商会が持つ全国の販売網を活用することで、「請求管理ロボ」の利用層の広がりが期待されている。
■東邦金属 <5781> 1,255円 +72 円 (+6.1%) 本日終値
東邦金属<5781>が続急伸。タングステンやモリブデンの希少金属の複雑加工を主力に手掛け、特殊電極などでも高い実績を有する。独自技術力に定評があり、核融合科学研究所と協業で研究開発を進める。共同開発した異種金属接合技術を発展させ、黒鉛とモリブデン合金の接合を可能とする新技術の開発に注目が集まっている。これは核融合炉の実現に貢献する研究領域であり、直近28日に開催された政府の有識者会議を受け、核融合発電政策の進展に対する期待が高まっていることが同社の株価を改めて刺激している。なお、直近21日付で増し担保規制がかかっているが、既に調整は一巡しており、テクニカル的にも切り返しのタイミングにあった。
■加藤製作所 <6390> 1,058円 +56 円 (+5.6%) 本日終値
加藤製作所<6390>の上値追い鮮烈、きょうは一時1062円まで駆け上がり前週末につけた昨年来高値1030円を払拭、再び新値街道に突入した。建設用クレーンのトップメーカーで中国などアジア向けの需要開拓も進めている。きょう発表された2月の中国製造業PMIが想定を上回る好調で、中国経済の回復期待が高まった。中国では全国人民代表大会を控え、景気刺激策などが期待されており、その関連銘柄の一角として同社株にも物色の矛先が向いている。同社株はここ急速に株価水準を切り上げているが、PBRが0.2倍台と依然として極めて割安圏にあり、一段の水準訂正高に対する思惑が物色人気を増幅させている。
■イード <6038> 878円 +30 円 (+3.5%) 本日終値
イード<6038>が3日ぶりに反発した。28日の取引終了後、取得総数3万株(自己株式を除く発行済み株式総数の0.60%)、取得総額3000万円を上限とする自社株買いを実施すると発表した。これを手掛かり視した買いが入ったようだ。取得期間は3月6日から4月30日まで。東証における市場買付けを通じ取得する。
●ストップ高銘柄
BTM <5247> 3,990円 +700 円 (+21.3%) ストップ高 本日終値
プライム・ストラテジー <5250> 3,450円 +500 円 (+17.0%) ストップ高 本日終値
クシム <2345> 565円 +80 円 (+16.5%) ストップ高 本日終値
元旦ビューティ工業 <5935> 7,350円 +1,000 円 (+15.8%) ストップ高 本日終値
シーズメン <3083> 1,142円 +150 円 (+15.1%) ストップ高 本日終値
など、9銘柄
●ストップ安銘柄
アースインフィニティ <7692> 4,170円 -1,000 円 (-19.3%) ストップ安 本日終値
以上、1銘柄
株探ニュース