1日の米国市場ダイジェスト:米国株式市場はまちまち、金利高でハイテクが重し
■NY株式:米国株式市場はまちまち、金利高でハイテクが重し
ダウ平均は5.14ドル高の32,661.84ドル、ナスダックは76.06ポイント安の11,379.48で取引を終了した。
一部小売り企業の低調な決算を失望した売りが先行。2月ISM製造業景況指数の支払い価格の上昇や連邦準備制度理事会(FRB)高官のタカ派発言を受けて長期金利が上昇するとさらなる売り圧力となった。一方、ダウ平均は月初に伴う新規買いを支えに小幅ながらプラス圏を回復。他方、金利高が重しでハイテクが弱く、ナスダック総合指数は軟調推移が続いた。セクター別では、エネルギーが上昇した一方、公益事業が下落した。
医薬品会社のイーライリリー(LLY)は糖尿病患者向けのインスリン製剤を7割値下げすると発表、これに伴い政治的な圧力が後退し、当局が現在見直し中の同社が新たに開発している糖尿病や肥満、アルツハイマー型認知症治療薬を巡る承認の可能性が強まったとの期待が強まり、買われた。一方、ホームセンターのロウズ(LOW)は23年の既存店売上が最大で2%落ち込む可能性を警告し売られた。百貨店のコールズ(KSS)は第4四半期決算で年末商戦での売り上げが低迷し、予想外の損失を計上したほか、通期の弱い見通しを警告したため大幅に下落。電気自動車メーカーのリビアン(RIVN)は、四半期決算で発表した出荷台数目標が予想を下回ったため失望売りで下落。また、バイオのノババックス(NVAX)は第4四半期決算で調整後の赤字幅が予想を上回ったほか、23年の売り上げを巡りかなり不確実性があるとし、将来の継続企業の前提に重要な疑義があると開示したため警戒感から大きく売られた。
クラウド型ソフトウエア会社のセールスフォース(CRM)は取引終了後に第4四半期決算を発表。調整後1株利益が予想を上回ったほか、今期ガイダンスも予想を上回り、さらに、自社株買いプログラムを200億ドルに拡大したことで、時間外取引で上昇している。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:米2月ISM価格上昇やFRB高官のタカ派発言でドル売り一服
1日のニューヨーク外為市場でドル・円は、135円40銭から136円32銭まで上昇し、136円22銭で引けた。米2月ISM製造業景況指数は予想を下回ったが、同指数の仕入れ価格が予想を上回り昨年9月来初めて50を上回り根強いインフレが示唆されたほか、米連邦準備制度理事会(FRB)高官のタカ派発言を受けて金利先高観を受けたドル買いが再開した。
ユーロ・ドルは、1.0691ドルまで上昇後1.0644ドルまで反落し、1.0671ドルで引けた。スペインやフランスに続きドイツの2月インフレ加速で欧州中銀の追加利上げ観測を受けたユーロ買いに拍車がかかった。その後、米金利上昇に伴うドル買いに押された。ユーロ・円は144円60銭から145円37銭まで上昇。日欧金利差拡大観測に伴うユーロ買い・円売りが優勢となった。ポンド・ドルは、1.2074ドルから1.1965ドルまで下落。ドル・スイスは、0.9350フランから0.9429フランまで上昇した。
■NY原油:強含みで77.69ドル、時間外取引で再上昇
NY原油先物4月限は強含み(NYMEX原油4月限終値:77.69 ↑0.64)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物4月限は、前営業日比+0.64ドルの77.69ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは76.12ドル-77.85ドル。アジア市場で77.74ドルまで買われた後、ロンドン市場で76.12ドルまで下げたが、米国市場の序盤に77ドル台を回復。米長期金利の上昇を受けて伸び悩んでいたが、通常取引終了後の時間外取引で77.85ドルまで再上昇した。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 34.14ドル -0.16ドル(-0.47%)
モルガン・スタンレー(MS) 96.19ドル -0.31ドル(-0.32%)
ゴールドマン・サックス(GS)346.23ドル -2.92ドル(-0.84%)
インテル(INTC) 25.33ドル +0.40ドル(+1.60%)
アップル(AAPL) 145.31ドル -2.10ドル(-1.42%)
アルファベット(GOOG) 90.51ドル +0.21ドル(+0.23%)
メタ(META) 173.47ドル -1.47ドル(-0.84%)
キャタピラー(CAT) 248.67ドル +9.12ドル(+3.81%)
アルコア(AA) 51.65ドル +2.71ドル(+5.54%)
ウォルマート(WMT) 140.15ドル -1.98ドル(-1.39%)
《ST》