話題株ピックアップ【夕刊】(2):住友鉱、INPEX、三菱商
■住友金属鉱山 <5713> 5,301円 +40 円 (+0.8%) 本日終値
住友金属鉱山<5713>やDOWAホールディングス<5714>、三菱マテリアル<5711>といった非鉄株が高い。住友鉱は商いを伴い続伸し一時、昨年6月上旬以来、約9カ月ぶりとなる5500円台に乗せた。足もとで銅価格などが堅調に推移。1日に発表された中国2月製造業購買担当者景気指数(PMI)は前月より2.5ポイント高い52.6に上昇。好調・不調の境目である50を2カ月連続で上回った。中国景気の復調による、非鉄需要回復に対する期待感が膨らんでいる。
■INPEX <1605> 1,482円 +7 円 (+0.5%) 本日終値
INPEX<1605>が堅調。1日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の4月限が前日比0.64ドル高の1バレル=77.69ドルに上昇したことで、同社株に見直し買いが流入したようだ。米エネルギー情報局(EIA)が1日に発表した週間在庫統計で、ガソリン在庫が減少したことで需給改善期待が台頭した。また中国の2月製造業購買担当者景気指数(PMI)が52.6と回復したことから中国による原油需要の回復期待も台頭している。
■三菱商事 <8058> 4,787円 +13 円 (+0.3%) 本日終値
三菱商事<8058>は全般冴えない地合いのなか上値指向を継続、一時91円高の4865円まで買われた。昨年6月9日につけた昨年来高値4845円を約9カ月ぶりに更新し新値圏に突入している。総合商社大手で、豪州の原料炭事業で市況高の恩恵を受けているほか、自動車関連事業なども好調で23年3月期最終利益は従来計画を上方修正し前期比23%増の1兆1500億円を見込んでいる。PER6倍前後でPBR0.8倍台にとどまっており、商社という業態を考慮しても割安感がある。市場では「株主還元姿勢が評価されているほか、24年3月期も好調な業績が維持されることへの期待も高まっているようだ」(中堅証券ストラテジスト)としている。
■伊藤園 <2593> 4,600円 +5 円 (+0.1%) 本日終値
伊藤園<2593>が5日続伸。同社は1日取引終了後、23年4月期第3四半期累計(22年5月~23年1月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比12.5%増の158億7100万円となり、通期計画200億円に対する進捗率が79.4%となっていることが好感されたようだ。売上高は同8.2%増の3284億5400万円で着地。主力ブランド「お~いお茶」などの飲料が堅調だったほか、タリーズコーヒー事業が伸びたことが寄与した。なお、通期業績予想については従来計画を据え置いている。
■ワークマン <7564> 5,510円 -310 円 (-5.3%) 本日終値
ワークマン<7564>は大幅反落。1日の取引終了後に発表した2月度の月次売上高速報で、既存店売上高は前年同月比1.5%減と2カ月連続で前年実績を下回ったことが嫌気された。冬物が堅調に推移したほか、Tシャツやカーゴパンツなどの春物衣料が順調な立ち上がりとなったものの、発売から1年を迎えたキャンプギアは、前年特需の影響により伸び悩んだことが響いた。なお、全店売上高は同3.5%増だった。
■ローム <6963> 10,110円 -550 円 (-5.2%) 本日終値 東証プライム 下落率4位
ローム<6963>やタカトリ<6338>が後場急落。米テスラ<TSLA>が米国時間1日、投資家向け説明会を行った。次世代モデルの生産コストを現行モデルの半分に抑える見通しなどが報じられている。更に、SiC(炭化ケイ素)の削減方針も伝わっており、これがパワー半導体関連銘柄の売りを促す要因となったようだ。
■泉州電業 <9824> 3,535円 -115 円 (-3.2%) 本日終値
泉州電業<9824>が失速。同社はきょう午後2時ごろ、23年10月期第1四半期(22年11月~23年1月)の連結営業利益が前年同期比29.4%増の21億4700万円になったと発表。これを好感した買いで昨年来高値を更新したが、その後は目先の材料出尽くし感が強まり軟化している。売上高は同9.6%増の297億6400万円で着地。同社は電線・ケーブルの専門商社で、同期間は半導体製造装置向け需要が増大したほか、自動車・工作機械向け需要の回復、銅価格の上昇に伴い建設・電販向けの売り上げが増加したことが寄与した。なお、通期業績予想については売上高1182億円(前期比4.0%増)、営業利益78億円(同4.5%増)とする従来見通しを据え置いている。
■レーザーテック <6920> 21,445円 -425 円 (-1.9%) 本日終値
レーザーテック<6920>が売りに押される展開。前日の米国株市場では、長期金利が4%台に乗せるなかハイテク株への売り圧力が強まり、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も小幅ながら安く引けた。ただ、同社株は前日に半導体製造装置関連が総じて買われるなかも、その流れに乗れずマイナス圏で引けており、ここ下値を探る展開を強いられている。2月28日に米半導体製造装置首位のアプライド・マテリアルズ<AMAT>が新型の半導体製造装置「センチュラ・スカルプタ」の販売を開始したことを発表した。同商品は露光回数を減らすことが可能で、製造コストや時間の削減を可能とすることがセールスポイントとなっており、マスクブランクス検査装置を手掛けるレーザーテクにとってはビジネスチャンスが低減するとの思惑が嫌気されているもよう。しかし、市場関係者によると「アプライドの新型製造装置は時系列でみると露光の後に使用されるもので、同社株の製品需要の減退にはつながらない可能性がある」(国内投資顧問ストラテジスト)という指摘もある。
■トレンドマイクロ <4704> 6,360円 -50 円 (-0.8%) 本日終値
トレンドマイクロ<4704>が安い。大和証券は1日、同社株のレーティングを「1」から「3(中立)」へ2段階引き下げた。目標株価も8700円から6200円に見直した。22年12月期の営業利益は人員増と処遇アップから前の期比28.2%減となった。同証券では、23年12月期の連結営業利益の予想を350億円(会社計画348億円)に下方修正した。値上げ効果は不透明で人件費動向も流動的とみている。ただ、実態確認は7~9月期となり、今年夏が投資判断の分岐点としている。21年度以前の営業利益率20%台回帰の可否が中長期的な株価の停滞と反発のカギを握ると指摘している。
■ミスミグループ本社 <9962> 3,350円 -20 円 (-0.6%) 本日終値
ミスミグループ本社<9962>が軟調。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が1日、ミスミGの目標株価を6300円から5500円に引き下げた。レーティングは「オーバーウエート」を継続する。主要事業において景況感悪化の影響を受けている状況を織り込み、同証券による23年3月期の営業利益予想を570億円から500億円に引き下げた。一方、中国を中心とするミドルエンド市場の需要の取り込みを進めつつも、粗利益率の改善を継続している点は評価が可能などとしたうえで、24年3月期から最高益更新の局面に回帰すると想定している。
株探ニュース