株価指数先物【寄り前コメント】 FRB議長の証言を受けて売り優勢も、ボリンジャー+2σと+3σによるレンジ推移か
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 28210 -110 (-0.38%)
TOPIX先物 2037.0 -9.0 (-0.43%)
シカゴ日経平均先物 28205 -115
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
7日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が7日、上院銀行委員会で証言し、利上げを加速させる可能性があるとの認識を示した。また、0.25%の利上げペースが既定路線ではないことを表明。予想以上にタカ派色の濃い発言だったことから、金融引き締めへの警戒感が改めて強まり、幅広い銘柄が売られた。S&P500業種別指数はすべてのセクターが下落し、銀行、自動車・同部品、不動産、各種金融、素材の下落が目立った。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比115円安の2万8205円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中大阪比変わらずの2万8320円で始まり、その後はリバウンド基調のなか、2万8460円まで買われた。しかし、米国市場の取引開始後に軟化し、下落に転じると、終盤にかけて一時2万8170円まで売られ、2万8210円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り優勢の展開になりそうだ。パウエル議長は、最新の経済データは予想以上に強く、利上げペースを引き上げる用意があるとも述べており、3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での判断については、2月の雇用統計と来週のインフレ指標を重視する姿勢を示している。3月のFOMCで利上げ幅が0.5%に拡大されるとの見方が強まるなか、今後発表される経済指標の結果を見極めたいとする様子見姿勢に向かわせそうだ。
また、日経225先物はナイトセッションで一時2万8460円まで買われ、昨年11月24日に付けた戻り高値2万8420円をクリアしたことで、いったんは達成感が意識されやすい。ただし、ボリンジャーバンドの+2σ(2万8170円)と+3σ(2万8450円)処でのレンジ推移は継続しているため、売り一巡後の底堅さを見極めたい。また、8日のパウエル議長の下院での証言は、同様の内容となるとみられるため、売り一巡後は押し目待ち狙いの動きも見られよう。
3月限の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控えるなか、限月交代に伴うロールオーバーが中心となる。節目の2万8000円を上回って推移するなか、短期的にショートを仕掛けてくる動きは限られそうだ。また、6月限とのスプレッドは-260円程度であるため、2万8250円前後での底堅い値動きを見せてくるようだと、配当落ち後も2万8000円がサポートとして意識されやすい。
VIX指数は19.59に上昇したが、25日移動平均線を下回って推移しており、NYダウが574ドル安と大幅に下落したなかでは、落ち着いた動きであろう。なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で13.84倍に低下した。ただし、25日線が位置する18.84倍で下げ渋る動きを見せており、朝方は売り優勢のなかで低下が見込まれるものの、売り一巡後はこう着のなかでNTロングによるスプレッド狙いに向かわせよう。
株探ニュース