ビジネス・ブレークスルー説明会文字起こし(2023年1月24日開催)(2)

材料
2023年3月8日 17時00分

本稿は、「ビジネス・ブレークスルー説明会文字起こし(2023年1月24日開催)(1)」の続きである。

では、ここで、われわれを取り巻く教育事業の市場環境について、お話をさせていただきたいと思います。こちら、二つ、事業セグメントを書かせていただきました。左側がプラットフォームサービス、つまり、インターナショナルスクール事業のセグメントになります。右側がオンライン教育を中心とする日本の教育市場のセグメントになります。

右側の教育市場は、教育セグメントへの投資にご興味を持っていらっしゃる皆さまからすると、もしかすると他社さまの資料でも出てくる数字かもしれませんが、日本の教育市場自体は3兆円弱で、これ自体は完全に安定している市場です。特に成長もしていません。それから、企業研修市場ですね。これも5,000億で、これも成長していません。減ってもいないという意味では安定しています。

語学のところも同様なのですけれども、実は、この大人の教育の市場の中では、企業研修という意味での大きな枠組みでは、成長はなく、減ることもなく安定ですけれども、eラーニングの割合が年率10から15パーセントの割合で増えているのです。このeラーニングの市場は、2000年頃は100億に満たなかったわけですが、毎年、過去二十数年、10から15パーセント成長することによって、現状は3,300億円になってきたと言えるかと思います。

なお、このeラーニングのところには、企業研修ではなくて、子どものところも含まれているので、5,000のうちの3,300ということはないのですけれども、これがどんどん増えており、われわれのオンライン教育事業のほうは、ここに乗っかって成長しているというふうに考えていただければと思います。

もう一つ、意外と思われるかもしれないのが、インターナショナルスクール市場の動向になります。この市場は、グローバルな規模で議論をした場合、実に急成長市場として、投資家の皆さまにも注目されているマーケットです。

日本の上場企業の中でインターナショナルスクールを持っている企業は、弊社が調べるところ、弊社が唯一で、かつ、国際バカロレアなどの認定校をもっているところも唯一でございます。しかしながら、海外、特にシンガポール・ニューヨーク・ロンドンといったマーケットでは、この国際教育をやっている企業が多数上場しています。

そういった意味では、グローバルな視点から見た場合、非常に成長市場で、グローバルで起きていることが日本でも時間差で今後も起きてくると考えるならば、日本市場も同様に成長するであろうと考えます。日本における市場についてのデータというのがないので、あえて書いていませんが、プリスクール市場、インターナショナルスクール市場は新規進出が非常に増えています。

そんな中で、これ、ゼロサムで食い合うことなく、われわれ自身も成長しているという意味では、この市場は、今後も日本でも成長していく可能性が非常に高く、われわれはその中のトップランナーで、規模的にも最大規模の1社でございますので、その辺りはご理解をいただいて、ご投資をいただけるといいかなというふうに思っています。

近年は、外部環境の変化、ここは、あまり申し上げるところでもないかもしれませんが、基本的には良い風が吹いている市場にあると思っております。コロナというのは、世の中的には不幸なことではあったわけですけれども、オンライン教育ということでいうと、一気に企業および学校教育の世界でもデジタル化・オンライン化が進んだというところは、皆さんのご存じのとおりのところです。

特に、われわれが今後、学校向けに国際教育・インターナショナルスクール教育で生かしたものを日本の学校向けに国際教育を展開するという構想を持っている中では、2020年よりも前は、ほぼ、全ての小学校、中学校の子どもたちは、1人1台パソコンおよびタブレットを持っていなかったというわけですけれども、今現在、ほぼ全ての学校が、事実上、1人1台パソコンまたはタブレットを持っているということになっています。

今現在、学校教育現場でも、箱は入ったけれども、中身がありません。ちょっとしたドリルとかは入っているけれども、これを実際にどう生かすか、という点においては、われわれがオンライン教育と国際教育というノウハウを持っているので、これから提案を仕掛けていくのに対して、大変ニーズが高く、われわれが強みとするところです。まさに、成長戦略のひとつと考えています。

今期に関しては、そういうことも踏まえて、実は、今期はデジタル投資に相当費用をかけております。AI、EdTechなどの最新技術の先行投資。後ほどまた申し上げますけれども。それから昨年、日本クイント、2019年にITプレナーズジャパン、こういったところを買収したということで、DX・ITマネジメント教育分野、ここもコンテンツ開発をしているということもありまして、今後の先行投資時期というのが、今期になります。この風をいっそう強くつかむために、戦略的な先行投資をしているという形になります。

この図は、BBTがオンライン教育、リカレントについては、グローバル人材育成をやっているのは分かったのだけれども、どういうフレームワークでやっているのかというところを少しお示ししたものになります。

こちらは、われわれが企業のお客さまに提示をするときによく使っている図になるのですけれども。BBTの教育の中で、非常にコアだと考えているところが問題解決力。論理思考に基づく問題解決力というところと、グローバルに活躍するための英語力と国際的視野であると。この二つは非常に重要視しているところです。

一番左のこの二つは、グローバルで活躍するという意味では、幼児であってもCEOであっても必要なものであるとして、中身のところが年代によって少し変わるだろうというところを示しているのがこの図です。

経営層には、やはり構想力というところを非常に強く打ち出しています。これは、右側にAI時代を生き抜くために必要な能力というところで、まさに、AIで処理できるところはAIで今後できてしまうでしょうから、人間でできるということでいうと、ゼロイチです。AIはゼロからイチ。データがないものは出てきませんから、最後はゼロイチになってくると思うんですね。そういったところを強化するというところを徹底的に訓練するというところをやっています。

ここからは、さらに深掘りして、BBTのグループの4つの強みについて少しご案内をさせていただきます。当社の強みは、認定教育機関を持っていること。それから圧倒的な量を誇るコンテンツを保有していること。さらに独自の教育システム・EdTechをもっているというところです。こちら、順を追ってお話しさせていただきます。

先ほど私のほうで、BBTは参入障壁が比較的高い、正式なフォーマル教育機関を持った集合体です、というふうにお伝えしました。まず、オンラインで高等教育を行うというBBT大学、大学院。こういったオンライン大学、大学院という形態は、今現在も日本では数えるほどしかないのが現状です。

これは、やはり日本では、いいかどうかは別として、オンラインで高等教育を行うということに対して、簡単に文科省、認可は下りないからです。私もこのBBT大学の学部を開学した2009年当時、事務局長として文科省の設置認可に関わりましたけれども、全部で書類が1メートルぐらいになるまで作って、それを文科省に、最後はどさっと持っていくということをしました。かなり大変でした。これは逆に言うと、参入障壁が高い事業であるということは言えます。

それから、ここまでは、あまり有名ではないかもしれませんけれども、MBAのところでいきますと、AACSB/EQUIS国際認証と書いてございますが、われわれがオーストラリアのボンド大学と組んでいるMBAなんですけれども、このAACSB/EQUISという国際認証を取っている日本のMBA自体がほとんどありません。日本ではMBAというと、大学の名前で決めてしまうというところってあるかもしれませんけれども、グローバルでは、この二つの国際認証があるかどうかというのが、やはりまともなMBAかどうかの基準になるというところは否めません。そういったものをしっかり取っているというところもポイントになります。こちらがリカレントの事業で持っている二つの参入障壁になります。

次に、3番、4番というのは、インターナショナルスクール事業のほうで持っている認可であり、参入障壁です。一つは、国際バカロレアというものです。皆さん、聞かれたことはございますでしょうか。もう一つは、ケンブリッジ大学国際教育機構で、これはケンブリッジ大学がつくった国際認定カリキュラムになります。実は、国家が定める学習指導要領によらない、こうした世界標準の国際カリキュラムというものを採用している学校が世界的に増えていますが、それが上場を果たしており、世界的にその2大国際カリキュラムを揃えていることは非常に珍しいことです。

われわれは、この国際バカロレアとケンブリッジ国際、両方持っている、上場・非上場にかかわらず、日本唯一の教育機関です。いずれも、申請すれば、はい、と通るものではなくて、審査官が国際本部から日本に来て、教育の質、教員の質、施設の質を視察し、それから、われわれのようなビジネスサイドの人間が、お金のことばかり、ビジネスのことばかり考えずに、きちんとした教育を提供するために真摯に取り組んでいるのか、とあらゆることを見た上で、認可がされます。

こういったものを取り組んだ上でやっているというところでございますので、言い換えれば、われわれは教育の仕組みにきちんと第三者の目を経た上で実施していることになり、それこそが、一つのユニークネスである、と皆さまにご理解いただければと思っているところです。

さらに、この国際バカロレアという教育に関しては、文科省が今現在、日本で200校増やしていきたいという中で、その活動を推進するためのコンソーシアムの事務局を、われわれが受託しております。

これは当然、事業として文科省から金額が下りてくるわけですけれども、それ以上に、私どもアオバジャパン・インターナショナルスクールおよびBBTという組織が国際教育の中心的な組織として、日本でエバンジェリスト的に動いているというところは、一つ、意味がある取り組みになっているかなというふうに思います。

今まで、BBTといったときに、やはり大前会長自体の印象が大変強いということをよく聞く中で、こういった認定教育機関のお話はあまりさせていただいたことはなかったということもあって、今日、改めてお話しさせていただきました。

「ビジネス・ブレークスルー説明会文字起こし(2023年1月24日開催)(3)」に続く

《TY》

提供:フィスコ

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