ビジネス・ブレークスルー説明会文字起こし(2023年1月24日開催)(3)

材料
2023年3月8日 17時00分

本稿は、「ビジネス・ブレークスルー説明会文字起こし(2023年1月24日開催)(2)」の続きである。

次に、2番目としまして、コンテンツのお話をしたいと思います。まず、YouTubeをはじめとする、ここ10年ほどの動画を使った教育、または動画を使った情報発信。これは相当一般的になってきたと思いますが、われわれは、98年創業した当時、まだナローバンドで、ブロードバンドではなかったので、なかなか動画がうまい形で配信できなかったというときから、実は、この動画制作に取り組んでいます。

90年代の終わりから2000年代初めのときまでは、ブロードバンドがなかったので、何をしていたかといいますと、大前研一の発想としては、CS放送を買い取って、チャンネルを買い取って、CNNが24時間ニュース番組をやっていたように、24時間ビジネス教育番組をするということで、このBBTは構想されました。

そういう意味では、過去、四半世紀の中で相当数のコンテンツを持っております。もちろん老朽化したところもあるわけですけれども、そこの古いものだけをため込んでいるわけではなくて、こちらにもスライドでも出ていますけれども、DXだったり、マイパーパスだったり、楠木建先生による競争戦略ですとか、その時々でトピカルなものを制作しています。

あるいは、今ですと、AI系のコンテンツ開発ということをしていますけれども、そういったものを自社で一流の講師陣の下、開発をしており、これが検索可能な状態で皆さまにコンテンツ配信をしているというところは、日本国内でも、映像の量と質は、日本で随一ではないかなと思います。

これを社内のプラットフォームでも、独自のプラットフォームでも提供しているわけですけれども、この映像自体は、特に他社のプラットフォームでものせることはできますので、そういった取り組みもしているという形になります。

3番目として、独自の教育システムを保有しています。これは、オンラインキャンパスを独自で持っているというところになります。

「コンテンツはあるけれども、プラットフォームがない」、または、「プラットフォームはあるけれども、コンテンツはつくっていません」とEdTechオンライン教育の世界では、おおむねどっちかになるケースが多いのですが、コンテンツとプラットフォームを両方とも自社で持っており、しかも最先端なものをつくっているという会社は、そう多くはありません。

この独自教育システム「AirCampus」は、まさに学習マネジメントシステムというものが世界的にまだ存在していなかったときに、大前研一が着想し、つくり上げてきたものになりますので、われわれの中でも非常に重要なオンラインキャンパスプラットフォームとして位置付けています。今度は、ここでどのようなことをしているか、どんなところが面白いのか、というところをアルムナイ、卒業生の皆さんに聞いてみたのが、こちらになります。

ここでは、受講生の中で活発にディスカッションをしていますが、ディスカッションは、こういったZoomですとかライブでやることもあるのですが、われわれのキャンパスの特徴は、世界のどこにいる人でも活発にディスカッションをするというような形でやっているため、時差があったとしても参加できるように、“テキストでのディスカッション”というのを非常に重視しています。

例えば、リアルなケーススタディーを、テキストでコミュニケーションすると、文字ベースでディスカッションをするため、最終的に、こういった丁々発止の議論だけでなくて、メールとか、Slackだったり、チャットだったりで、文字コミュニケーションをするため、テキストでしっかりとビジネスを遂行し、議論する力、それから説得する力をつけることになります。それらが、ひいてはリーダーシップにつながるということで評価をいただいています。

こういったオンライン教育のノウハウというのは、企業のお客さまはもちろんですけれども、実は、学校法人さんですとか、幅広いところから、こういったユニークネスなノウハウを、要は箱ですとかコンテンツだけではなくて、われわれの教育ノウハウ自体にバリューがあるということで、お話をいただいているところになります。

最後に4番目、EdTechのアプリについてお話をしたいと思います。このEdTechのところに関しては、われわれ、EdTechという言葉が出る前からずっと取り組んでいるところなので、あまり取り立ててというところではあるわけですけれども。

あえて申しますと、こういったオンラインでの本人確認、出欠確認。これは海外でもオンライン・プロクタリングというふうにも呼ばれますけれども、実際にオンラインで、きちっと受講するための担保は、どうするのかというところ、これも一つの重要技術として、われわれ、高等教育でオンラインの正式な大学をやっている時点のときから取り組んでいるというところになります。

それから、AIによる「おすすめ」とありますけれども、保有する1万時間のコンテンツから必要なものを探すために「AirSearch」というプラットフォームを開発しまして、そのときそのときに、明日の皆さまに必要なコンテンツが、すぐ出るというプラットフォームを構築しています。

それから、日本人であっても、外国人の人であっても、例えばグローバル企業ですと、統一した映像を教育として提供したいというニーズは結構多いため、そうした要望に応えるための多言語字幕機能というのも実装しています。さらに、これはアメリカにあるELSA SpeakというAI技術を活用した音声アプリがありまして、ここと業務提携し、AI×英語教育を提供しています。世界最先端のEdTechを自社開発または他社とのパートナーシップで非常に積極的に組んでやっていることを、皆さまご理解いただければと思います。

財務についてのご案内になります。BBTは、これは過去4期の推移を示しておりますけれども、過去、上場して以来の2005年からを見ても、CAGR、10パーセントぐらいと申しましたけれども、一貫して増収基調で推移しています。途中、投資というフェーズもあるものですから、営業利益のところは、先行投資の中で出たり入ったりするところはございますけれども、基本的には長期で見た場合は、増収増益基調で推移しているという会社になります。

セグメントでご案内させていただきますと、まず連結は、全体感としては、前期は67億ということなんですが、先ほど私のほうでも、リカレント事業とプラットフォーム事業、インターナショナルスクールが入るプラットフォームですね、これが半々になってきたというふうに申し上げましたが、過去、5期に関して申し上げると、プラットフォーム事業が大きく牽引してきたというところが見て取れるかと思います。

そういった中で、10期連続、過去最高を更新してきた中での牽引というのは、インターナショナルスクール事業であったというふうに見て取れます。

一方で、利益というところでいうと、このインターナショナルスクール事業というのは、先行投資がかさむんですね。箱物事業ということになりますので、やはり新しいキャンパスを造る、そういったときには、その期に関しては、減価償却があったとしても赤字が出ます。単体ではですね。そのビルドするには、赤字が出る分、やはり利益率は下がるというところになるんですけれども。逆に、先行投資が実を結んだので、前期については、一気に利益も伸ばしたという形になります。

今期に関して申し上げると、今まではプラットフォーム事業、国際教育のほうに重点を置いていたわけですけれども、今期は、コロナをきっかけとするオンラインの教育のニーズが再び相当高まったということもあって、投資分野というのはBBTのほうに移っており、BBTのほうを先行投資ということで、プラットフォーム、コンテンツ開発、EdTechの取り組みということをやっているというのが今期の取り組みになります。

ご案内の通りで、前期まではプラットフォーム事業への先行投資があったわけですが、いったんほぼ投資フェーズは終わってきていますので、今度は、プラットフォーム事業が利益面では後押し、リカレント事業のほうに投資をしていくというふうに想定していただければと存じます。

主にこの二つの事業をもう少し輪切りにしてご案内しますと、University事業というのは、オンライン大学、大学院になります。それから法人向けというのは、われわれの持っているコンテンツを生かして、法人のお客さま、企業のお客さまに対して、研修および人材育成のコンサルティングをさせていただいているというところになります。

Universityのほうは、やはり、きちっとやっていく必要はあるものですから、ここは手堅くやるビジネスなので、急成長するというところでもないんですけれども、大学、大学院については、この秋の入学者は比較的堅調でした。法人のところは一貫して成長しているところでありますけれども、コロナが収束して、教育がリアルのほうに移るのかなというところ。われわれもリアルの教育の提供はもちろんできますし、いわゆるリアルとオンラインを組み合わせたハイブリッドもできるわけですけれども、リアルへの移行によって、われわれのほうのニーズも落ち着いてしまうのかなと思いましたが、今のところ、こちらも堅調になります。

それから英語教育事業というところは、今現在はオンラインとAIテクノロジーを生かしたELSAとの提携といった取り組みや、新規事業としまして、子ども向けのオンライン教育に注力をしているところになります。

それからITマネジメント教育、DX教育というところで、買収をしましたITプレナーズジャパンと日本クイント、両事業に関しては、実はニッチな市場でのジャイアントというような形の位置付けになっています。なじみのない方もいらっしゃるかもしれませんけれども、IT企業ですとか、そういった企業の皆さまでは、認定資格として「ITIL」というのがあるのですが、これの国内教育シェアは、半数近くが当グループになっているというところになります。

それから成長を過去5年ほど牽引してきたインターナショナルスクール事業ですけれども、今期も非常に堅調に推移しています。もしお子さまがいらっしゃって、アオバジャパン・インターナショナルスクールに仮に申し込みをされる、インターナショナルスクールは9月始まりなんですけれども、ということがございましたら、特に、小学生のお子さん、幼児か小1のところでインターに入れようかなと思われた場合は、9月の入学であったとしても、もう今からお申し込みをいただかないと、おそらくもう少しでいっぱいになってしまいます。

このように堅調なインターナショナルスクール事業ですが、最近は進学実績も伴って出てきていますので、投資家でなくても、日本の国際教育に興味を持っている保護者の皆さん、生徒の皆さんにより認知されていくことで、われわれの人気はますます高まっていきます。

「ビジネス・ブレークスルー説明会文字起こし(2023年1月24日開催)(4)」に続く

《TY》

提供:フィスコ

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