8日の米国市場ダイジェスト:米国株式市場はまちまち、金利先高観が重し
■NY株式:米国株式市場はまちまち、金利先高観が重し
ダウ平均は58.06ドル安の32,798.40ドル、ナスダックは45.67ポイント高の11,576.00で取引を終了した。
金利の上昇一服を好感した買いが先行。その後、予想を上回った雇用関連指標や、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が下院での議会証言で3月会合での大幅利上げも除外しない姿勢を表明すると金利が上昇に転じ売りが再開。ただ、概ね織り込み済みの内容で終盤にかけては買い戻され、ダウ平均は下げ幅を縮小。ナスダック総合指数はプラス圏を回復し、まちまちで終了した。セクター別では、半導体・同製造装置が上昇、自動車・自動車部品やエネルギーが下落した。
食品会社のキャンベルスープ(CPB)は四半期決算で1株利益が予想を上回ったほか、通期の売上見通しを引き上げ上昇。エネルギー資源会社のオキシデンタル・ペトロリアム(OXY)は著名投資家のバフェット氏が運営するバークシャー・ハサウェイが同社株を追加で購入したことが当局への報告で明らかになり買われた。半導体のクアルコム(QCOM)は増配が好感されて上昇。
一方、電気自動車メーカーのテスラ(TSLA)は23年型「モデルY」で走行中にハンドルが外れる事象が報告されたことに関し当局が調査しているとの報道が嫌気され下落。オンライン衣料品小売のスティッチ・フィックス(SFIX)は四半期決算で損失が予想を上回り、大幅安。自然食品会社のユナイテッド・ナチュラルフーズ(UNFI)は四半期決算で調整後の1株利益が予想を下回ったほか、通期の業績見通しを引き下げ、さらに24年会計年度の財務目標を撤回したことが嫌気され、大きく売られた。
連邦準備制度理事会(FRB)が公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)では経済活動がわずかに拡大した、と報告された。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:米雇用関連指標も利上げ加速正当化、ドル続伸
8日のニューヨーク外為市場でドル・円は、136円48銭まで下落後、137円44銭まで上昇し、137円41銭で引けた。カナダ中銀が政策金利を据え置いたことや米債券市場で長短金利の利回り逆転がさらに悪化したため景気後退懸念に金利が低下し、ドル売りが優勢となった。その後、ADP雇用統計やJOLT求人件数など雇用関連指標が予想を上回ったため利上げ加速の思惑が強まった。さらに、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が下院金融サービス委員会での証言で今年の経済指標によると、ピーク金利が一段と高くなる可能性を繰り返し、3月の大幅利上げを除外しなかったことや低調な10年債入札で金利が上昇に転じ、ドル買いが再開した。
ユーロ・ドルは、1.0530ドルから1.0574ドルまで上昇し、1.0543ドルで引けた。ユーロ・円は144円24銭まで下落後、144円92銭まで上昇。ポンド・ドルは、1.1804ドルへ下落後、1.1859ドルまで上昇した。ドル・スイスは、0.9435フランへ上昇後、0.9389フランまで下落した。
■NY原油:続落で76.66ドル、米利上げペース再加速の思惑残る
NY原油先物4月限は続落(NYMEX原油4月限終値:76.66 ↓0.92)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物4月限は、前営業日比-0.92ドルの76.66ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは76.11ドル-77.73ドル。アジア市場で77.73ドルまで買われたが、調整目的の売りが増えたことによって米国市場の中盤にかけて76.11ドルまで下落。米利上げペース再加速の思惑は消えていないため、上値の重さは消えなかった。通常取引終了後の時間外取引でも76ドル台で推移。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 32.56ドル -0.44ドル(-1.33%)
モルガン・スタンレー(MS) 95.90ドル -0.16ドル(-0.17%)
ゴールドマン・サックス(GS)349.29ドル +3.21ドル(+0.93%)
インテル(INTC) 25.98ドル +0.45ドル(+1.76%)
アップル(AAPL) 152.87ドル +1.27ドル(+0.84%)
アルファベット(GOOG) 94.65ドル +0.48ドル(+0.51%)
メタ(META) 184.97ドル +0.46ドル(+0.25%)
キャタピラー(CAT) 248.72ドル +2.58ドル(+1.05%)
アルコア(AA) 51.02ドル +0.85ドル(+1.69%)
ウォルマート(WMT) 138.10ドル -1.15ドル(-0.83%)
《ST》