株価指数先物【寄り前コメント】 米金融株の下落がセンチメント冷まし、売り一巡後は2万8000円での攻防を想定

市況
2023年3月10日 8時13分

大阪6月限ナイトセッション

日経225先物 28000 -370 (-1.30%)

TOPIX先物 2022.5 -25.5 (-1.24%)

シカゴ日経平均先物 28000 -370

(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

9日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が下落。米新規失業保険申請件数が2万1000件増の21万1000件と予想を上回ったことで利上げ長期化懸念が和らぎ、朝方は買いが先行した。その後、バイデン米大統領が、2024年度(23年10月-24年9月)の予算教書を公表。歳出を6兆9000億ドル規模とし、富裕層や企業に対する増税が含まれることが嫌気され下落に転じた。

また、商業銀行のSVBファイナンシャル・グループ<SIVB>が60%を超える急落となったほか、暗号資産(仮想通貨)を扱うシルバ―ゲート・キャピタル<SI>は事業閉鎖を発表し40%を超す下落を演じ、大手銀を含む金融株全般に売りが広がった。そのほか、10日に2月の米雇用統計の発表を控えて、次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.5%利上げを決める方向に傾くとの見方が強まり、持ち高調整の動きもみられた。S&P500業種別指数はすべてのセクターが下落し、銀行、自動車・同部品、各種金融、素材、消費者サービスの下げが目立った。

シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比370円安の2万8000円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは、日中大阪比40円安の2万8330円で始まり、直後に2万8110円まで売られた。その後、米国市場の取引開始後に2万8340円まで下げ幅を縮めたものの買いは続かず、終盤にかけては米国市場の下落影響から下げ幅を広げており、一時2万7940円と節目の2万8000円を下回る場面も見られ、2万8000円でナイトセッションの取引を終えた。

日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り優勢の展開になりそうだ。3月限の先物オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)となるが、米株安の影響もあり、SQに絡んだ商いは売り越しが見込まれる。ただし、SQ値がサポートとして意識される可能性があるため、SQ通過後は底堅さがみられそうだ。米国では利上げ長期化への警戒はもとより、昨日は金融株の下落がセンチメントを冷ます格好だったことから、相対的にTOPIX型の弱さが目立ちそうである。

そのため、日経225先物は2万8000円辺りでの攻防となるなか、NTショートによるスプレッドを狙った動きに向かわせよう。昨日のNT倍率は先物中心限月で13.82倍だった。25日移動平均線が位置する13.84倍を挟んだ推移だったため、同線での底堅さがみられてくるようだと、NTショートが強まりやすいと考えられる。

VIX指数は22.61に上昇し、一気に25日、75日線を上放れてきた。一時23.14まで上昇し、2月22日に付けた戻り高値23.63に迫ってきた。VIX指数の急上昇により、押し目狙いのロングも手控えさせる可能性があり、まずは売り一巡後の底堅さを見極めつつ、スキャルピング中心のトレードになりそうだ。

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