話題株ピックアップ【夕刊】(2):三菱UFJ、日ケミコン、ソフトバンクG

注目
2023年3月14日 15時19分

■三菱UFJ <8306>  823円  -77.3 円 (-8.6%)  本日終値  東証プライム 下落率8位

三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>などメガバンクがいずれも下値模索の動きを続けている。米中堅金融のSVBに続き、シグネチャー・バンクの破綻で金融不安が漂っている。前日の欧州株市場では主要国の株価が軒並み大幅安に売られ、特に金融株への売りが目立った。米国株市場でもゴールドマン・サックス<GS>、シティグループ<C>などをはじめ大手金融株や地銀株への売り圧力が強い。東京市場でもこの流れを引き継ぎ、メガバンクへの売りがかさんでいる。また、財務内容が脆弱な地銀セクターの下げも目立つ状況にある。

■日本ケミコン <6997>  2,114円  -159 円 (-7.0%)  本日終値

日本ケミコン<6997>が大幅安で3日続落。13日の取引終了後、従来未定としていた期末配当を無配にすると発表しており、これが嫌気された。これにより、23年3月期は年間を通じて無配となる。半導体不足による自動車の減産や、ウクライナ情勢の長期化による原材料やエネルギー価格の高騰など、経営環境が依然として不透明な状況にあり、今後の事業環境や財務状況などを勘案した。

■ソフトバンクグループ <9984>  5,040円  -214 円 (-4.1%)  本日終値

ソフトバンクグループ<9984>が3日続落。前週末に大陰線で下放れたが、今週に入ってからも全体波乱相場に引きずられ、下値を切り下げる動きを続けている。米銀の相次ぐ破綻でリスク回避ムードが強まっているが、同社は米ハイテク系グロース株のほか、ベンチャー企業への投資を積極的に行っていることから、足もとの収益環境に逆風が意識されている。株式需給面では信用買い残が増加傾向を続けており、直近データでは900万株を超え信用倍率は3.57倍まで拡大、個人投資家の見切り売りを誘発しやすい状況だ。5000円大台攻防となるかどうかが注目される。

■ゆうちょ銀行 <7182>  1,131円  -24 円 (-2.1%)  本日終値

ゆうちょ銀行<7182>は下げ渋りの展開。下落率は2%前後で、東証の業種別指数の「銀行業」が7%を超す下げとなったことを踏まえると、底堅く推移している。13日の取引終了後、日本郵政<6178>が傘下のゆうちょ銀株の売り出し価格を1131円に決めたと発表した。ゆうちょ銀株は14日から国内では15日(海外では17日)まで、売り出しを円滑にするために、幹事証券が株価を安定させることができる「安定操作期間」に入っている。

■ソースネクスト <4344>  228円  -3 円 (-1.3%)  本日終値

ソースネクスト<4344>は全体波乱相場のなかしっかり。この日午前10時ごろ、子会社ポケトークが法人向けビジネスシリーズ「ポケトーク for BUSINESS」シリーズにおいて、米オープンAI社が開発する音声認識モデル「Whisper(ウィスパー)」の採用を決定したと発表した。これにより、音声認識の精度が更に向上するという。

■東映 <9605>  17,440円  -190 円 (-1.1%)  本日終値

東映<9605>が下げ幅を縮小。午後2時ごろ、23年3月期の期末配当予想を30円から100円へ引き上げたことが好材料視された。特別配当70円を実施する。なお、年間配当は130円となり、前期実績に対しては70円の増配になる予定だ。

■ナガセ <9733>  6,930円  -30 円 (-0.4%)  本日終値

ナガセ<9733>は小動き。13日の取引終了後、23年3月期の連結業績予想について、売上高を551億1800万円から541億1800万円(前期比9.5%増)へ、営業利益を66億7700万円から56億7700万円(同1.6%増)へ、純利益を43億8800万円から37億1800万円(同8.1%増)へ下方修正したが、市場の反応は限定的のようだ。従来予想では、高校生部門における夏期、冬期の生徒募集期の新型コロナウイルス感染拡大の影響などによる新規入学の遅れについて、第4四半期、新年度募集での回復を見込んでいたが、直近の募集状況が概ね前年並みで推移していることが要因としている。

■ライトアップ <6580>  981円  +150 円 (+18.1%) ストップ高   本日終値

ライトアップ<6580>が大幅反発。この日の寄り前に、ChatGPT搭載の人材採用アプリ「HelloBoss」を提供するNGA(東京都港区)と業務提携したと発表しており、好材料視された。今回の提携によりライトアップは、NGAが提供する企業と求職者を直接つなぐ第3世代AI採用アプリ「HelloBoss」のサービス展開を開始した。「HelloBoss」は、ChatGPT技術による企業側の募集要項や求職者側の自己PRの自動作成が可能になり、採用や求職に関するカウンセリングを受けることもできるサービス。まずは、ライトアップが企画・開発・運用を行う全国の中小企業1000社が参加する経営ネットワーク「JDネット」から提供を開始するとしている。

■北越メタル <5446>  1,886円  +246 円 (+15.0%)  本日終値

北越メタル<5446>が全体相場に逆行して急騰。新潟を地盤とする電炉メーカーだが、製品値上げ効果が発現し足もとの業績は会社側の想定を上回って好調に推移している。同社が13日取引終了後に23年3月期の業績予想の修正を発表、営業利益は従来予想の9億5000万円から11億5000万円(前期は7億6200万円の赤字)に大幅上方修正した。更に好業績を背景に株主還元も強化し、今期年間配当は従来計画の70円から15円の増額で85円とすることも併せて発表。配当利回りは前日終値換算で5.2%弱まで水準が切り上がっている。これを好感する形で投資資金が集中した。

■ミマキエンジニアリング <6638>  675円  +59 円 (+9.6%)  本日終値  東証プライム 上昇率トップ

ミマキエンジニアリング<6638>が大幅反発。13日の取引終了後、23年3月期の連結業績予想について、営業利益を34億2000万円から40億円(前期比55.7%増)へ、純利益を22億円から24億5000万円(同4.4%増)へ上方修正したことが好感された。欧米などの景気減速により、顧客の稼働率低下に伴いインクを中心に需要減少を見込むことから、売上高は718億円から700億円(同17.6%増)へ下方修正したが、販売価格の見直しや物流混乱の解消に伴う輸送コストの減少、粗利率の高いプリンター本体新製品の販売拡大に伴う機種ミックスの良化などにより利益を上方修正した。なお、同時に発表した第3四半期累計(22年4~12月)決算は、売上高523億4600万円(前年同期比19.8%増)、営業利益31億2600万円(同36.8%増)、純利益19億5700万円(同5.7%減)だった。

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