ダウ平均は6日ぶりに反発 市場も落ち着きを取り戻す 米CPIは利上げを正当化=米国株前半

市況
2023年3月15日 2時10分

NY株式14日(NY時間13:00)

ダウ平均   32124.52(+305.38 +0.96%)

ナスダック   11424.65(+235.81 +2.11%)

CME日経平均先物 27275(大証終比:+375 +1.38%)

きょうのNY株式市場でダウ平均は6日ぶりに反発。SVB<SIVB>、シグネチャー・バンク<SBNY>、そして、その前のシルバーゲート<SI>を含め、米中小金融3行が破綻したが、市場も落ち着きを取り戻している。

預金保護の措置など米当局の対応も早かったためか、金融システム全体への、それこそパンデミックは回避されるのではとの楽観論も出ている。ファースト・リパブリック<FRC>やチャールズシュワブ<SCHW>など地銀株が急反発しており、大手銀も買い戻されている。

一方、株式市場にとっては怪我の功名か、米利上げ期待が後退している。日本時間21時半に発表された米CPIはインフレ圧力の持続を示し、サービスインフレも上昇が続いている。FRBのタカ派姿勢を裏付ける内容となっており、来週のFOMCでの利上げを正当化する内容。

一部からは来週のFOMCで利上げを一旦停止するのではとの観測も出ていたが、今回のCPIからは、その観測は正当化されない。短期金融市場では0.50%ポイントの大幅利上げは完全に後退させているものの、0.25%ポイントの利上げ期待は高まっている。確率は80%程度で織り込んでおり、据え置きは20%程度に低下している。

インフレに軸足を置いているFRBがターミナルレート(最終到達点)の見通しを変えたとはまだ思われないが、少なくともアプローチはこれまで以上に慎重になるのではとの期待もあるようだ。市場からは今回の混乱を受けて、伝染リスクは低くいものの、短期的にFRBは追加利上げを手加減するという。一部では来週のFOMCは利上げを実施したうえで、早期の利上げ一時停止のシグナルを出すのではとの見方もあるようだ。短期金融市場では6月にも利下げを織り込む動きが出ている。きょうの米CPIはインフレ圧力の粘着性が示されたが、今後FRBは難しい判断が迫られそうだ。

メタ・プラットフォームズ<META>に買いが強まっている。約1万人の人員削減を計画していることを明らかにした。約5000人分の空きポジションについては埋めない方針。経費節減と効率化を図るのが目的で、過去6カ月で2回目の大規模な人員削減となる。

ボーイング<BA>が3日続伸し、ダウ平均をサポートしている。取引開始前にサウジからの大型受注を正式に獲得したと発表。サウジはサルマン皇太子が同国の国営航空会社を活性化させ、さらに新たに国際航空会社を設立し、エミレーツ航空やカタール航空に対抗する。それにあたって、同社の787ドリームライナーを計78機を購入する契約を締結した。

ウーバー・テクノロジーズ<UBER>やリフト<LYFT>、ドアダッシュ<DASH>といった配車サービス銘柄が上昇。カリフォルニア州の控訴裁判所が、ギグワーカーを従業員ではなく独立した契約者に分類する現行法を支持したことが材料視されている。

ウーバー<UBER> 32.57(+1.75 +5.66%)

リフト<LYFT> 8.70(+0.24 +2.84%)

ドアダッシュ<DASH> 57.53(+3.73 +6.93%)

ボーイング<BA> 210.48(+7.11 +3.50%)

アップル<AAPL> 152.58(+2.11 +1.40%)

マイクロソフト<MSFT> 259.66(+5.74 +2.26%)

アマゾン<AMZN> 94.07(+1.64 +1.77%)

アルファベットC<GOOG> 93.90(+2.24 +2.44%)

テスラ<TSLA> 182.99(+8.51 +4.88%)

メタ・プラットフォームズ<META> 193.04(+12.14 +6.71%)

AMD<AMD> 88.02(+6.01 +7.33%)

エヌビディア<NVDA> 241.52(+11.86 +5.16%)

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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