NY為替:欧米金融不安が深刻化、リスクオフの円買い
15日のニューヨーク外為市場でドル・円は、132円22銭まで下落したのち、133円77銭付近まで上昇し、133円45銭で引けた。2月生産者物価指数(PPI)が予想外のマイナスに転じたほか、2月小売売上高もマイナスに落ち込み、さらに、米国の地銀の破綻に加えて、スイスのクレディ・スイス銀存続を巡る不安が広がったため金融システムへの不安が再開。リスク回避の円買いや連邦準備制度理事会(FRB)の3月の追加利上げ観測後退でドル売りも強まった。その後、スイス中銀・当局が声明で必要とあれば、世界的な規模の銀行、クレディ・スイスに流動性を供給すると発表し警戒感の後退で円の売り戻しやドルの買戻しが優勢となった。
ユーロ・ドルは、1.0594ドルから1.0516ドルまで下落し、1.0575ドルで引けた。スイス銀存続を巡る不安に域内の金融不安が広がり、欧州中央銀行(ECB)の50ベーシスポイント(BP)の利上げ観測が大きく後退。ユーロ売りに拍車がかかった。ユーロ・円は139円48銭まで下落後、141円60銭まで上昇した。欧州金融不安にユーロ売りが優勢となったのち、当局のクレディスイス支援期待にユーロ買い戻しが優勢となった。ポンド・ドルは、1.2112ドルへ強含んだのち、1.2010ドルまで下落。英国政府が予算を発表、ハンド財務相が本年の景気後退を回避できる見通しを示し一時ポンド買いが強まった。ドル・スイスは、0.9200フランから0.9338フランまで上昇した。スイス銀のクレディ・スイスを巡る不透明感を受けてフラン売りが加速。その後、スイス中銀や当局が声明で、必要とあれば流動性供給する姿勢を示したため売りが一服した。
《MK》