クシム---1Q減収も、ブロックチェーンサービス事業の売上高は順調に推移
クシム<2345>は14日、2023年10月期第1四半期(22年11月-23年1月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比47.7%減の1.75億円、EBITDAがマイナス0.43億円(前年同期は0.68億円)、営業損失が1.26億円(同0.44億円の利益)、経常損失が1.24億円(同0.47億円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失が1.48億円(同0.28億円の利益)となった。
ブロックチェーンサービス事業の売上高は前年同期比0.18億円増の0.25億円、セグメント損失は0.79億円(前年同期は0.04億円の損失)となった。チューリンガムにおいて、ブロックチェーン開発支援や受託開発、暗号資産をどのようにサービスやプロジェクトの中で利活用するのかというトークンのデザインやマーケットへの供給を行う際に誰にどのように分配を行っていくかなどの専門的なコンサルティングを行っている。当第1四半期は、前期に引き続き暗号資産のSkeb Coinへのマーケティングや流動性維持のための支援を行った。また、ネクスグループ<6634>が発行する暗号資産ネクスコインの価値向上の取り組みとしてGameFiプラットフォームの構築支援を行い、その一環としてモバイルカジュアルゲームであるSIX PokerのGameFi化及び納品を行った。クシムインサイトにおいて、同社グループが開発に関与し納品済みである複数のプロダクトの保守運用により継続的に収益を獲得している。これらのプロダクトは、ブロックチェーン技術を利用しているNFTマーケットプレイス、株主様向け議決権行使プラットフォーム、暗号資産のレンディングサービスアプリケーション等が対象となっている。
システムエンジニアリング事業の売上高は同1.03億円減の1.49億円、セグメント利益は同0.11億円減の0.09億円となった。クシムソフトのSES事業については、ニーズの高いオープン系を中心としたIT技術者の採用と育成により、顧客システム開発の支援、エンジニア派遣事業を拡充している。当第1四半期は、参画中のプロジェクトにおいて継続した取引が続いたことや中途採用者がリードタイム無くプロジェクト参画できたことによって、目標稼働率を超える稼働率を実現した。また継続してエンジニアのスキルアップに向けた社内教育を続けたことで参画プロジェクトの業務内容拡大とエンジニアの市場価値向上を達成させた。受託開発事業は、開発納品後の運用保守案件を中心に、SES事業の顧客からの開発案件を中心に、システムのバージョンアップ対応、新規受託開発案件の獲得やPOC案件の獲得等、営業活動の幅を広げて案件レコードを積み重ねている。
インキュベーション事業の売上高は同0.82億円減の0.10億円、セグメント損失は0.00億円(前年同期は0.92億円の利益)となった。暗号資産運用については、グループ全体で複数の暗号資産への投資を実行した結果、0.38億円超の収益獲得に至った。一方、低調な暗号資産市場の動向を受けた結果、保有する暗号資産の評価損として0.41億円を計上するに至った。また、同社で運用している情報メディアサイト「KUSHIM HACK」による広告事業収益は0.02億円だった。M&A及び資本提携による事業投資については、M&A仲介企業やデータベースを用いたM&A仲介サービスを活用し候補となる企業のソーシングを継続しており、事業承継やバイアウトを目指す企業の増加に伴う譲渡金額相場の上昇傾向に対して、財政状態や将来の獲得キャッシュ・フローに基づく適切な企業価値によるM&Aを推進していくとしている。
2023年10月期通期の連結業績予想について、売上高が前期比41.6%増の22.89億円、EBITDAが同55.4%増の6.86億円、営業利益が同61.9%増の3.23億円、経常利益が同68.0%増の3.25億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同58.1%減の3.15億円とする期初計画を据え置いている。
《SI》