利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第2弾 35社選出 <成長株特集>
本特集では、1月下旬から2月中旬までの決算集中期間に配信した「利益成長“青天井"銘柄リスト」を、“全期間”を対象に再構成した総集編をお届けします。
今回は12日に配信した総集編 第1弾(時価総額1800億円以上)に続き、12日時点の時価総額が600億円以上1800億円未満の銘柄を対象に、22年10-12月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ今期も最高益を見込む、いわゆる利益が“青天井”状況になっている銘柄をリストアップした。
下表では、本決算月にかかわらず、22年10-12月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している35社を選び出し、10-12月期の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったのはAbalance <3856> [東証S]。22年10-12月期(第2四半期)の経常利益は過去最高だった直前の7-9月期実績を3.1倍も上回る44.1億円に急拡大して着地。太陽光パネルを製造するベトナム子会社VSUNにおいて脱炭素化を志向する欧米向けの販売が引き続き好調だった。また、世界的なインフレを受けて高騰する原材料費・輸送費の価格転嫁を進めたことに加え、コンテナ運賃のピークアウトや生産体制の効率化なども利益拡大につながった。決算発表前に23年6月期通期の業績見通しを大幅に上方修正したことも好感され、株価は青空圏を舞う展開となっている。
2位の繊維大手であるセーレン <3569> [東証P]の10-12月期(第3四半期)業績は、売上高、経常利益ともに四半期ベースの過去最高を大幅に更新した。主力のカーシートやエアバッグ材といった車輌資材の販売がアジアを中心に大きく伸びたほか、スポーツアパレルやエレクトロニクス分野なども好調だった。また、業務効率化をはじめとする経費削減の進展に加え、為替の円安進行も追い風となった。
3位に入ったミツウロコグループホールディングス <8131> [東証S]の10-12月期(第3四半期)は電力事業が収益を牽引した。電力小売りの契約数が順調に増加するなか、電源調達先の分散化によって高騰する卸電力市場からの調達率を抑えたことに加え、販売価格の改善を進めたことが奏功した。併せて、23年3月期通期の経常利益を3期ぶりの最高益見通しに上方修正するとともに、配当増額と自社株買いの実施も発表している。
4位にリスト入りした芝浦メカトロニクス <6590> [東証P]の10-12月期(第3四半期)経常利益は35.2億円(前年同期比3.3倍)に急拡大し、実に18年ぶりとなる最高益更新を果たした。主力の半導体分野で前工程のロジック・ファウンドリー向け装置、パワーデバイス向け装置、ウェハー向け装置がいずれも増勢だった。業績好調に伴い、23年3月期通期の経常利益予想を18期ぶり最高益となる96億円に上方修正し、期末一括配当も510円(前期は230円)と従来計画から120円も積み増した。株価は9日に約17年2ヵ月ぶりの高値1万6910円まで上値を伸ばしている。
半導体関連では、半導体製造装置向けを得意とする工業用シール材大手のバルカー <7995> [東証P]が18位、半導体を中心とするエレクトロニクス商社の東京エレクトロン デバイス <2760> [東証P]が20位、半導体製造装置向け流体制御機器を手掛けるCKD <6407> [東証P]が21位、半導体工場向けガス検知警報機器を主力とする理研計器 <7734> [東証P]が33位にそれぞれリスト入りしている。
7位にリストアップされた三菱商事系の食品卸大手、三菱食品 <7451> [東証S]は採算管理の強化による利益率改善や外食産業向け業務用取引の復調に加え、コンビニエンスストア向け食品物流センターを運営するケー・シー・エスの買収効果なども寄与し、10-12月期(第3四半期)は経常利益の過去最高益を67四半期ぶりに塗り替えた。
9位には自動車コーティングの施工店と自社開発製品の販売を展開するKeePer技研 <6036> [東証P]が入った。10-12月期(第2四半期)はキーパーLABO運営事業で新車の納期遅延を背景に保有車や中古車への施工が増加したうえ、平均単価も上昇した。また、キーパー製品等関連事業ではガソリンスタンド向けにコーティング剤の新製品「フレッシュキーパー」が好調だった。3月1日に発表した2月既存店売上高が前年同月比27.1%増と大きく伸びたことも評価され、株価は6日に上場来高値4835円をつけている。
12位の日本紙パルプ商事 <8032> [東証P]と19位のサンゲツ <8130> [東証P]は複数回にわたって実施した値上げ効果が収益を押し上げた。紙パル商は3四半期連続、サンゲツは4四半期連続で最高益を更新中だ。このほか、25位の三井倉庫ホールディングス <9302> [東証P]は好調な業績に加え、3月期末を前に高水準な配当利回りも意識される形で、株価は全体波乱相場のなか頑強な動きをみせている。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 10-12月 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<3856> Aバランス 206 4416 1444 383 7300 1510 31.6
<3569> セーレン 50.7 5600 3717 24.9 14900 11927 11.5
<8131> ミツウロコG 43.4 4761 3321 15.0 9500 8262 15.6
<6590> 芝浦 39.7 3524 2522 31.7 9600 7291 9.3
<4051> GMO-FG 34.3 282 210 24.6 928 745 135
<9919> 関西フードM 33.5 2698 2021 19.4 5900 4940 35.8
<7451> 三菱食品 29.7 9804 7557 22.7 25000 20371 8.0
<9869> 加藤産 25.0 5165 4133 0.1 15400 15387 11.7
<6036> KeePer 22.3 1862 1522 26.3 5463 4325 33.3
<6544> Jエレベータ 21.7 1430 1175 13.6 4800 4225 57.0
<9830> トラスコ中山 21.0 5665 4683 6.0 15970 15065 12.5
<8032> 紙パル商 19.3 6913 5794 26.2 19000 15051 3.1
<7685> バイセル 17.9 1147 973 22.5 4500 3672 28.0
<7366> りたりこ 16.7 811 695 27.2 2850 2241 60.4
<8771> イー・ギャラ 14.1 1181 1035 11.7 4200 3760 37.1
<4290> PI 10.5 2303 2084 14.0 8150 7151 15.4
<8584> ジャックス 10.3 9874 8953 13.9 30500 26786 7.4
<7995> バルカー 8.5 2562 2362 21.0 8700 7193 9.1
<8130> サンゲツ 8.1 5739 5308 58.1 20500 12969 9.9
<2760> 東エレデバ 7.4 3285 3058 50.3 11000 7318 10.8
<6407> CKD 6.9 5942 5560 13.9 20550 18043 9.9
<9037> ハマキョウ 6.8 3716 3480 3.7 12400 11957 8.0
<6866> HIOKI 6.0 2000 1886 10.9 8080 7287 18.2
<9882> イエロハット 4.9 7458 7113 3.2 15500 15014 8.3
<9302> 三井倉HD 4.7 7669 7326 3.3 26400 25553 6.4
<9413> テレ東HD 4.1 3458 3323 0.4 9200 9159 10.3
<6197> ソラスト 4.0 1964 1889 12.8 7100 6297 14.6
<4423> アルテリア 3.0 2557 2482 0.7 9311 9243 10.4 *
<9068> 丸全運 3.0 3740 3632 15.4 14500 12567 6.9
<2317> システナ 2.7 2688 2618 19.8 10280 8578 16.6
<2733> あらた 1.0 3872 3832 1.9 14000 13745 7.2
<4373> シンプレクス 0.8 1982 1967 18.1 7310 6191 24.6 *
<7734> 理計器 0.7 3691 3664 36.1 12000 8819 14.2
<7839> SHOEI 0.2 2444 2438 3.3 8780 8503 23.1
<7944> ローランド 0.2 4378 4369 21.0 12400 10250 10.9
※ 2022年1月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
※過去最高益は同一会計基準内が対象。「*」は国際会計基準を採用する銘柄。
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株探ニュース