注目銘柄ダイジェスト(前場):サンリオ、エニグモ、GA TECHなど
Hamee<3134>:901円(+75円)
大幅反発。前日に第3四半期決算を発表、累計営業利益は11.7億円で前年同期比37.6%減益となったが、上半期決算時に下方修正した通期予想の10.1億円は超過する状況になっている。米国での拡販施策実施などから、グローバル事業の採算が改善傾向にあるもよう。固定費管理の徹底もあって、利益率は修正計画を上回っているようだ。過度な業績懸念の後退につながっているとみられる。
サンリオ<8136>:4885円(+700円)
ストップ高。国内ライセンス事業の収益認識に関する期間帰属の操作が判明したことで、遅延していた第3四半期決算を前日に発表している。累計営業利益は106億円で前年同期比5.2倍となり、通期予想は従来の70億円から129億円、前期比5.1倍に上方修正している。海外及び国内需要が想定を上回る推移となっているほか、構造改革により原価率も低減しているようだ。年間配当金も従来計画の30円から35円に引き上げ。
三住建設<1821>:399円(-20円)
大幅続落。前日に23年3月期の収益予想・配当予想の下方修正を発表している。営業損益は従来予想の75億円の黒字から一転、125億円の赤字となる見通し。国内大型建築工事における169億円の工事損失の追加計上が主要因となるもよう。つれて、年間配当金計画も18円から14円に引き下げ、前期比6円の減配となる。なお、24年3月期に関しては、純利益40億円程度の見通しとしている。
エニグモ<3665>:520円(-76円)
急落で下落率トップ。前日に23年1月期の決算を発表、営業利益は11.4億円で前期比61.8%減と大幅減益に。11-1月期も3.1億円で前年同期比68.7%減益になっている。24年1月期業績予想は非公表であるが、想定以上の実績大幅減益をネガティブに捉える動きが優勢のようだ。為替変動やインフレ影響を受けて売上高が減少したほか、TVCM・人材強化などの戦略的投資を行った影響でコストも増加したようだ。
大成建<1801>:4100円(-330円)
大幅続落。札幌市で建設中の大型複合ビルにおいて、鉄骨の施工精度とコンクリートの厚さが発注者との契約に基づく規定を満たさない施工不良があったと発表している。品質管理の担当社員が発注者側に虚偽の申告をしていたもよう。建築基準法を満たさない恐れがあるため解体して建て直すようだ。21年10月に着工し、完成時期は24年2月予定であったが、26年6月末に延期する。信用力の失墜や費用負担の増加が意識される形に。
GA TECH<3491>:1279円(+192円)
大幅に反発。23年10月期第1四半期(22年11月-23年1月)のEBITDA(事業利益+減価償却費)を前年同期比76.1%増の7.34億円と発表している。投資不動産の買取再販事業などを手掛ける主力のRENOSYマーケットプレイス事業が伸長したほか、不動産会社向けSaaSなどを取り扱うITANDI事業も好調だった。通期予想のEBITDAは前期比19.2%増の68.00億円で据え置いた。
ファンペップ<4881>:196円(+13円)
大幅に反発。抗体誘導ペプチド「FPP005」の共有特許について、全世界での独占的な研究開発、製造・販売、第三者への実施許諾を可能とするライセンス契約を共有者の大阪大学と締結したと発表している。抗体誘導ペプチドは、患者の体内で抗体産生を誘導することで治療効果を期待するペプチド治療ワクチン。化学合成で製造することが可能なため、製造コストを抑制できるという。
Kudan<4425>:2620円(+118円)
大幅に続伸。戦略的パートナーであるシンガポールのMovel AI社の自律移動ロボット(AMR)向けのオールインワン商用ソフトウェアソリューション「Seirios」に、Kudanの3D Lidar SLAM(KdLidar)やVisual SLAM(KdVisual)のSLAMソフトウェアが完全統合されたと発表している。これに伴い、Kudan SLAM統合ソリューションはグローバル市場への提供を開始し、今後数カ月のうちに顧客環境で商用展開する見込みという。
《ST》