ダウ平均は大幅反発 銀行株に買戻しも実体経済への不安は強い=米国株概況

市況
2023年3月21日 5時32分

NY株式20日(NY時間16:21)

ダウ平均   32244.58(+382.60 +1.20%)

ナスダック   11675.54(+45.03 +0.39%)

CME日経平均先物 26930(大証終比:+260 +0.97%)

きょうのNY株式市場でダウ平均は反発。一時400ドル超上昇する場面が見られた。金融システムへの不安感が強まっているが、週末にUBS<UBS>によるクレディスイスの買収が伝わったほか、主要国の中銀による流動性供給強化の発表があったことで、ひとまず市場の不安感は一服している。

スイスの当局はクレディスイスが発行している高利回りの分、弁済順位が最下層の偶発転換社債(CoCo債)として知られる「その他ティア1債(AT1債)」を無価値化すると発表。債権者からは株式よりも弁済順位が低いとして怒りの声が上がっているが、スイス当局は、この決定がクレディスイスの資本増強につながると説明し、民間投資家にも痛みの分担を求めた。大手銀行株が買い戻されていることも安心感につながったいる模様。欧州市場で大きく下落していたUBS<UBS>も下げを解消。

ただ、市場の不安感は根強く、積極的に買い戻しを入れる向きは少ない。「金融システムへの不安は徐々に解消され、株式市場は短期的に反発する可能性はある。しかし、長期的にはさらなる実体経済への不安が予想される」といった声も出ている。

「金融システムへの不安感と、さらなる想定困難な事象の出現も警戒され、景気後退は確実のようだ。きょうは新たな強気相場の始まりというよりも、弱気相場の中の上昇のように感じられる」といった声も出ている。

今週はFOMCが予定。今回の件でFRBがどう行動してくるか確認したいところ。いまのところ、0.25%ポイントの利上げが有力視されているが、据え置きのシナリオも25%程度の確率で見ている。利上げは実施するものの、その先は慎重なアプローチを強調してくるのではとの見方も多い。現地時間の22日午後(日本時間23日深夜3時)に結果が公表される。

きょうは銀行株が買い戻されているものの、ファースト・リパブリック<FRC>は急落。S&Pグローバルが同社の格付けを再び引き下げたことが圧迫。この1週間で2回目となる。同社株は先週末までの2週間で80%超急落しているが、その下げをさらに拡大させ、一時11ドル台半ばまで急落。JPモルガン<JPM>のダイモンCEOをはじめとする主要銀行のトップは、ファースト・リパブリック<FRC>に対して行った計300億ドルの預金の一部または全体を資本に転換できるかどうか検討していると伝わっていた。

NYコミュニティ・バンコープ(NYCB)<NYCB>が大幅高。傘下のフラッグスター・バンクが破綻したシグネチャー・バンクを買収することで合意した。

太陽光機器のエンフェーズ・エナジー<ENPH>が4日ぶりに反発。アナリストが投資判断を「買い」に引き上げ、目標株価を225ドルに設定した。

デル・テクノロジーズ<DELL>が上昇。アナリストが「買い」でカバレッジを開始し、目標株価を43ドルに設定した。

NYCB<NYCB> 8.61(+2.07 +31.65%)

ファースト・リパブリック<FRC> 12.18(-10.85 -47.11%)

UBS<UBS> 18.80(+0.60 +3.30%)

デル・テクノロジーズ<DELL> 38.55(+1.33 +3.57%)

エンフェーズ・エナジー<ENPH> 192.51(+8.87 +4.83%)

アップル<AAPL> 157.40(+2.40 +1.55%)

マイクロソフト<MSFT> 272.23(-7.20 -2.58%)

アマゾン<AMZN> 97.71(-1.24 -1.25%)

アルファベットC<GOOG> 101.93(-0.53 -0.52%)

テスラ<TSLA> 183.25(+3.12 +1.73%)

メタ・プラットフォームズ<META> 197.81(+2.20 +1.12%)

AMD<AMD> 96.81(-1.03 -1.05%)

エヌビディア<NVDA> 259.00(+1.75 +0.68%)

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

プレミアム会員限定コラム

お勧めコラム・特集

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
株探プレミアムとは

日本株

米国株

PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.