銀行株の戻りが限られるようだと、次第に持ち高調整の流れに向かわせる可能性/オープニングコメント
22日の日本株市場は、買い一巡後は底堅さを見極める展開になりそうだ。21日の米国市場はNYダウが316ドル高だった。イエレン米財務長官が講演で、金融システムにも影響しかねない中小銀行保護で、必要なら再び介入する方針を表明したため、銀行株が買い戻された。22日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を見極めたいとする様子見ムードの中で上げ幅を縮める場面も見られたが、NYダウは続伸で上値を抑えられていた200日線を突破した。シカゴ日経225先物は大阪比440円高の27110円。円相場は1ドル132円30銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、買い先行で始まろう。日経225先物は20日の日中取引終了後のナイトセッションで一時26390円まで売られたものの、祝日取引で節目の27000円を回復し、ナイトセッションで一時27150円まで買われる場面も見られた。直近で上値を抑えられている水準まで回復してきたことから、日経平均についても20日の下落部分を埋めてくる動きを見せてきそうだ。ただし、同水準に位置する75日、200日線が上値抵抗線として意識されやすいため、買い一巡後は支持線に変えてくる底堅さを見せてくるかが注目される。
またイエレン米財務長官の発言によって金融システム不安が和らぐ格好となるなか、足もとで下落基調が強まっていたメガバンクなど銀行株への自律反発狙いの動きが意識されやすいだろう。UBSによるクレディスイス救済発表でもメガバンクは弱い値動きを見せていたこともあり、ポジションはショートに傾いていると考えられる。強いリバウンドを見せてくるようだと、ショートカバーを誘う動きに向かわせ、センチメント改善につながろう。
もっとも、FOMCの結果を見極めたいとする模様眺めムードも強まりやすく、銀行株の戻りが限られるようだと、次第に持ち高調整の流れに向かわせる可能性はありそうだ。そのため、メガバンクのリバウンドの強さを見極めつつ、20日の下落場面でイレギュラー的な下げとなった中小型株の自律反発を狙った短期的な物色にも向かわせそうだ。まずは、買い一巡後の底堅さを見極めたいところである。
《AK》