富田隆弥の【CHART CLUB】 「3月底値、4月上昇のシナリオを想定」
◆どうやら今年も「3月の安値示現(彼岸底)」になりそうだ。米国発の金融システム不安もあり、日経平均株価は3月9日高値の2万8734円から16日には2万6632円まで急落、1月中旬から積み重ねてきた上昇分をわずか5日間で帳消しにした。しかし、その後は2万7000台を回復し落ち着きを見せている。
◆過熱シグナルが灯ったテクニカル指標だったが、20日に東証プライム銘柄のおよそ94%(1723銘柄)が値下がりし、騰落レシオは103%まで低下した。順位相関指数RCI(9日線、13日線)は20~21日にかけて底打ちしている。こうなると、日本株のアノマリー(経験則)である「3月彼岸底」が意識されてくる。コロナショックの2020年も、ロシアによるウクライナ侵攻のあった22年も、3月に急落して下値をつけた。今回も16日の2万6632円が調整の終焉(底値)になってもおかしくはない。
◆注目された3月21~22日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、連邦準備制度理事会(FRB)が0.25%利上げに動いた。9会合連続の利上げである。16日に開催された欧州中央銀行(ECB)理事会は3会合連続で政策金利を0.5%引き上げている。米SVBファイナンシャル・グループ<SIVB>傘下だったシリコンバレーバンクの破綻から始まった金融不安に対して、各国中央銀行は預金の全額保護や少なくとも4月末までドルの流動性供給の拡充に向けて協調するなど素早い対応を見せ、その上でECBとFRBはともにインフレ抑制の姿勢を貫いた。金融不安は一部銀行の問題であり、金融システムは健全で強固であることを強調した。
◆金融システム不安は連鎖しやすく、先行きへの警戒は怠れない。ただ、株式市場は落ち着けば買い戻しを交えて一旦反発しやすくなる。2008年のサブプライムショックでは3月半ばで株式市場は落ち着き、6月上旬まで3カ月ほど戻りを見せた。リーマン・ショックが始まるのはその後である。
◆今年がどうなるかは不透明だが、日本株は4月の新年度入りで5月上旬頃まで上昇しやすいタイミングを迎える。5月には広島サミットも控えている。米国で金融危機の再燃やNYダウの崩れがなければ、4月の日経平均株価はアノマリー通り堅調に推移することが想定される。
(3月23日 記、次回更新は4月1日を予定)
情報提供:富田隆弥のチャートクラブ
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