話題株ピックアップ【夕刊】(1):日野自、INPEX、三菱UFJ
■豊田合成 <7282> 2,232円 +58 円 (+2.7%) 本日終値
豊田合成<7282>が高い。同社は27日取引終了後、南米でのエアバッグなどセーフティシステム製品の販売拡大に対応するため、ブラジルのグループ会社であるGDBRインダストリアコメルシオの生産能力を強化すると発表。これが買い手掛かりとなったようだ。導入設備はエアバッグの組付装置やハンドルの成形・組付装置で、投資金額は約14億円。今後も持続的な成長が見込まれる南米市場で、セーフティシステム製品を主軸にカーメーカーのニーズに応じて更なる事業成長を目指すとしている。
■日野自動車 <7205> 542円 +11 円 (+2.1%) 本日終値
日野自動車<7205>がしっかり。27日、型式指定取消処分の対象機種・車種のうち、再申請をしていた「A09Cエンジン」搭載の大型観光バス「日野セレガ」について、24日に国土交通省より型式指定を取得したと発表した。同社は速やかに生産・出荷再開に向けた準備を進めていくとしており、これを手掛かり視した買いが入ったようだ。
■INPEX <1605> 1,369円 +25 円 (+1.9%) 本日終値
INPEX<1605>や石油資源開発<1662>が堅調。朝方の東京市場で、東証の業種別指数で「鉱業」が上昇率トップとなっており、「石油・石炭製品」も1%を超す上昇となっている。27日の米原油先物相場は急反発し、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近物となる5月限は5%超の上昇となった。金融システム不安の後退を受け、リスク資産とされる原油先物への買い戻しが入ったほか、イラクのクルド人自治区からの原油輸出が一部停止されたことを受け、原油の供給がタイト化するとの見方も広がった。INPEXと石油資源に対しては、原油価格の上昇による業績へのポジティブな影響を期待した買いが集まったとみられている。
■三菱UFJ <8306> 839.6円 +14 円 (+1.7%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>が4日ぶり反発。前日の欧州株市場ではドイツ銀行<DB>の株価が切り返しに転じたことで、金融システム不安が後退し主要国の株価指数が全面高に買われたほか、米国株市場でも破綻したシリコンバレーバンク(SVB)の引受先が決まったことで、金融株中心に買われる展開となった。これに追随する形で東京市場でも同社株をはじめとするメガバンクへの買い戻しが活発化している。前日に米長期金利が大幅上昇したことも運用環境の改善につながるものとしてポジティブに作用している。また、メガバンク各社は配当利回りが高いことで権利取り狙いの買いを誘い戻り足を助長している。
■横浜ゴム <5101> 2,646円 +31 円 (+1.2%) 本日終値
横浜ゴム<5101>が5連騰。SMBC日興証券が27日、浜ゴムの目標株価を2900円(従来は2600円)に引き上げた。投資評価は「2」を継続する。浜ゴムは昨年3月、農機用タイヤなどを手掛けるスウェーデンのトレルボルグ・ホイール・システムズ(TWS)の買収を発表していた。このほど欧州での競争法に基づく審査が完了したことに伴い、同証券は買収効果を業績予想に織り込み、23年12月期の営業利益予想については730億円から775億円に引き上げた。TWSの株式取得による負債増加により、財務健全化が優先課題となるとみる一方で、中期的にはTWSへの増産投資や生産効率化投資による販売拡大、ブランド力向上などの相乗効果に注目が集まると指摘した。
■壱番屋 <7630> 4,960円 +50 円 (+1.0%) 本日終値
壱番屋<7630>は5日続伸。27日の取引終了後、集計中の23年2月期連結業績について、売上高が472億円から482億8600万円(前の期比7.2%増)へ、営業利益が30億5000万円から36億1300万円(同26.5%増)へ、純利益が21億9000万円から25億3800万円(同13.1%減)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感された。既存店売上高が好調に推移し、下期の前提である前年同期比2.0%増を上回る8.7%増となったことが要因としている。また、原材料価格の上昇が想定を下回ったことや海外子会社の業績が計画上回ったことも寄与した。
■住友電気工業 <5802> 1,654円 +13 円 (+0.8%) 本日終値
住友電気工業<5802>や古河電気工業<5801>、フジクラ<5803>、昭和電線ホールディングス<5805>など電線株が堅調。日本電線工業会が27日、2023年度の銅電線の出荷量が前年度見込みに比べ2.9%増の64万5000トンとなる見通しを発表した。自動車や電力関連の需要が増加する予想となっている。電線株に対しては、来期の業績への好影響を期待した買いが集まったようだ。
■昭和産業 <2004> 2,568円 +17 円 (+0.7%) 本日終値
昭和産業<2004>が続伸。27日の取引終了後、23年3月期の期末配当予想を30円から35円へ引き上げたことが好感された。年間配当予想は65円(前期60円)となる予定だ。同時に、ベトナムにプレミックス及び調製糖の製造販売を行う子会社を設立すると発表した。ASEANにおける事業領域拡大の基点とする方針で、操業開始は25年春を予定している。
■日清食HD <2897> 11,920円 +50 円 (+0.4%) 本日終値
日清食品ホールディングス<2897>が反発。同社は27日、乳酸菌飲料の「ピルクル400 Light」と「ピルクル400 鉄分」の販売を休止すると発表した。健康志向の高まりなどで市場が活況となり、需給ひっ迫から販売を休止するという。販売休止による機会損失は想定されるものの、需要旺盛により関心が向かったようだ。
■東レ <3402> 749.2円 +1.4 円 (+0.2%) 本日終値
東レ<3402>が小幅ながら続伸。今月20日につけた安値720円40銭を目先の底に上値慕いの動きを続けている。時価は75日移動平均線との下方カイ離解消が目前となっている。同社は繊維業界のシンボルストックで炭素繊維では世界トップの実力を有する。そのなか、27日取引終了後に26年3月期を最終年度とする新たな中期経営計画を発表し、マーケットの視線を集めている。航空機向け炭素繊維や水素関連部材などの成長領域に3年間で4500億円を投じ業容拡大に取り組む方針を示しており、本業のもうけを示す事業利益は26年3月期に1800億円(前期実績1320億6300万円)を目指す計画。これを評価する形で根強い買いを引き寄せている。
株探ニュース