話題株ピックアップ【夕刊】(2):丸大食、大垣共立、元旦
■丸大食品 <2288> 1,433円 -30 円 (-2.1%) 本日終値
丸大食品<2288>が反落。27日の取引終了後に23年3月期業績予想の下方修正を発表。最終損益を5億円の赤字から51億円の赤字(前期3億7600万円の赤字)へ大幅に引き下げており、これが嫌気された。売上高も2220億円から2210億円(前期比1.1%増)へ引き下げた。原材料価格やエネルギーコストが上昇するなかで、価格転嫁が遅れたことが響く。
■大垣共立銀行 <8361> 1,781円 -5 円 (-0.3%) 本日終値
大垣共立銀行<8361>は冴えない。27日の取引終了後、23年3月期の連結業績予想を見直したと発表した。経常収益の見通しは1180億円から1217億円(前期比5.5%増)に上方修正した。半面、最終利益の見通しは85億円から45億円(同57.6%減)に引き下げており、嫌気されたようだ。銀行単体の有価証券運用のうち外国債券において、外貨調達コストが利息を上回る状態が続く可能性が高いとみて、逆ザヤの軽減に向けこれまで外国債券の含み損の一部実現を進めてきた。23年1~3月期においても同様の取り組みを進め、影響を業績予想に反映させたという。一方、「顧客向けサービス利益」は順調に推移し、目標としていた黒字化を達成できる見込みだとしている。
■元旦ビューティ工業 <5935> 16,190円 +3,000 円 (+22.7%) ストップ高 本日終値
元旦ビューティ工業<5935>がストップ高。27日の取引終了後、23年3月期の期末一括配当予想を75円から150円へ引き上げたことが好感された。なお、前期実績は75円だった。
■ゼネテック <4492> 623円 +100 円 (+19.1%) ストップ高 本日終値
ゼネテック<4492>がストップ高まで買われた。各メディアで「岸田文雄首相は27日の参院予算委員会で、物流業界の運転手不足が深刻化する2024年問題に対応するため、近く関係閣僚会議を開催する方針を明らかにした」ことが伝えられるなか、同社の3次元シミュレーションソフトウェア「FlexSim」への関心が高まったようだ。「FlexSim」は、生産ラインや物流現場、医療現場などのレイアウトを見やすい3Dモデルで簡単に作成し、現状の分析から課題を発見できるソフト。「ローコード(プログラミング技術が不要)で複雑なレイアウトを再現」「多階層の施設をよりリアルに再現可能」「シミュレーションの時間経過に応じてリアルタイムに結果の確認が可能」といった特徴がある。
■エコモット <3987> 638円 +100 円 (+18.6%) ストップ高 本日終値
エコモット<3987>がストップ高。同社はIoTソリューションの企画やこれに付随する端末製造、通信インフラ、アプリケーション開発などを行い、クラウドサービスにも展開するなど総合的なIoT関連ビジネスを手掛けている。太陽光発電分野への参入や電気自動車(EV)充電サービスなどにも展開を図るなどビジネス領域を広げている。そうしたなか、27日取引終了後に積水樹脂<4212>とIoTプロダクト・ソリューションの共同開発などで資本提携を伴う業務提携契約を締結したことを発表、これによる業容拡大効果に期待した買いを呼び込んだ。
■セレンHD <7318> 1,020円 +150 円 (+17.2%) ストップ高 本日終値
セレンディップ・ホールディングス<7318>がストップ高。同社は27日取引終了後、子会社の天竜精機がフッ素フィルムを用いたアンテナ一体型高周波伝送路を開発し、近畿大学工学部と連携した試験運用を通じて、5G対応端末への適応を確認したと発表。これが材料視されたようだ。この製品は、材料接合に接着剤を使用しない工法のため、厚さ0.35ミリ(対従来品比54%)と非常に薄く軽量なため、スマートフォンや薄型パソコンへの搭載がしやすいという特性を持つ。今後は6Gなどの高周波帯にも対応した伝送路を開発し、車載ネットワークサービス用高周波信号線の置き換えやサーバー用伝送路の置き換えなどの開発を進めるとしている。
■Speee <4499> 1,385円 +84 円 (+6.5%) 本日終値
Speee<4499>が急伸した。この日、子会社のDatachainと三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>傘下の三菱UFJ信託銀行、ソラミツ(東京都渋谷区)が、国内で発行が予定されるステーブルコイン間の滑らかな相互移転・交換の実現に向け技術提携を開始したと発表。これを材料視した買いが入ったようだ。三菱UFJ信託銀が主導するステーブルコイン発行・管理基盤「Progmat Coin(プログマコイン)」を用いて発行される様々なステーブルコインや、ソラミツが開発に貢献するオープンソース・ブロックチェーン基盤を活用して発行される地域デジタル通貨などを用いて、異種ブロックチェーン基盤上のデジタルマネー相互移転の実現を目指す。銀行間や企業間、個人間の送金の効率化や手数料削減も目指すとしている。
■NCS&A <9709> 683円 +33 円 (+5.1%) 本日終値
NCS&A<9709>が急反発。27日の取引終了後、23年3月期の連結業績予想について、売上高を190億円から192億円(前期比6.1%減)へ、営業利益を14億円から15億3000万円(同18.0%増)へ、純利益を10億5000万円から12億5000万円(同27.8%増)へ上方修正し、期末一括配当予想を25円から28円(前期22円)へ引き上げたことが好感された。デジタルトランスフォーメーション(DX)を背景に、マイグレーションサービスや主力ソリューションが堅調に推移したことに加えて、収益性の高い主力ソリューションの取り組み強化や受託開発分野における得意領域へのリソースの集中などが寄与した。
■ニーズウェル <3992> 1,140円 +53 円 (+4.9%) 本日終値 東証プライム 上昇率2位
ニーズウェル<3992>は大幅反発に転じ、一時7.5%高の1168円まで駆け上がる場面があった。金融向けを中心とした業務系ソフトや組込みソフトを手掛け、基幹系システムの開発で強みを持っている。人工知能(AI)を活用したソリューションでも実力を発揮、画像認識・処理や自然言語処理、チャットボット分野など幅広く対応し、業種を問わず、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)投資推進の担い手として需要を獲得している。業績は23年9月期連結営業利益予想が10億400万円(前期は単独決算で6億9000万円)と好調だが、24年9月期も高利益率案件の押し上げ効果により大幅な利益成長が見込まれる。PER16倍台は成長力を考慮して上値余地が大きい。
株探ニュース