株価指数先物【寄り前コメント】 配当再投資に伴う需給要因でTOPIX優位の展開、VIX20割れで押し目狙いのスタンス
大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 27250 -40 (-0.14%)
TOPIX先物 1946.5 -0.5 (-0.02%)
シカゴ日経平均先物 27230 -60
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
28日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。経営破綻したシリコンバレーバンクの引受先が確定し、金融システムを巡る過度な不安が後退したことを受け、買い先行で始まった。コンファレンスボードが発表した3月の米消費者信頼感指数が予想に反して上昇したことから、NYダウは120ドルほど上昇する場面も見られた。ただし、米長期金利の上昇がハイテク株などの重荷となったほか、地銀株が下げに転じたことがセンチメントを冷ます格好となり、主要な株価指数は下落に転じた。S&P500業種別指数はエネルギー、消費者サービス、運輸が上昇した一方で、メディア、自動車・同部品、ヘルスケア機器・サービスが下落。
シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比60円安の2万7230円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは、日中大阪比変わらずの2万7290円で始まり、直後に付けた2万7310円を高値に軟化し、2万7200円~2万7280円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始後にはレンジを切り下げ、一時2万7150円まで売られる場面があった。売り一巡後は終盤にかけて買い戻され、2万7250円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする格好で、やや売り優勢の展開になりそうだ。ナイトセッションでは引き続き25日移動平均線に上値を抑えられており、抵抗線突破を狙ったロングは期待しづらいところだ。もっとも、下値の堅さも意識されており、オプション権利行使価格の2万7125円と2万7375円によるレンジでの推移になろう。金融システム不安がくすぶるなか、米当局が必要に応じて米銀への支援拡充を検討する姿勢を示していることもあり、短期的なショートに対しては押し目狙いのロングスタンスでの対応となろう。
とはいえ、配当再投資に伴う需給への思惑からTOPIX優位の展開が見込まれるため、NTショートによるスプレッド狙いが入りやすい。昨日のNT倍率は先物中心限月で14.01倍に低下した。米国市場でも足もとで見られていた「銀行売り・ハイテク買い」に対するリバランスの動きが目立っており、東京市場でも同様の動きが想定される。配当再投資に伴う需給が加わることで、よりNT倍率の低下が意識されやすい。
一方で、需給イベントによる要因が大きいため、25日、75日線が位置する13.90倍辺りまで低下する局面では、その後のリバランスを想定したNTを組成するタイミングとなる可能性も想定しておきたいところだ。
なお、VIX指数は19.97と節目の20.00を下回ってきた。金融システム不安で急伸した分を埋めてくるなか、不安心理は後退してきており、次第にリスク選好の流れに向かわせそうだ。
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