話題株ピックアップ【夕刊】(3):マイクロ波、シルバエッグ、藤コンポ

注目
2023年3月30日 15時18分

■マイクロ波化学 <9227>  1,794円  +168 円 (+10.3%) 一時ストップ高   本日終値

マイクロ波化学<9227>が急伸。午前11時に量子科学技術研究開発機構とともに、マイクロ波加熱を用いた省エネ精製技術によりベリリウム鉱石の溶解に成功したと発表した。核融合発電の実現を加速させる技術としており、材料視されたようだ。従来は2段階の加熱処理が必要だったが、これを1段階とし、精製プロセスの大幅な簡素化が図れることを実証した。同一の溶解設備で異なる鉱石の溶解処理が可能になり、核融合発電に不可欠なベリリウムなど、鉱物資源の安定確保などにつながるとしている。

■シルバエッグ <3961>  1,171円  +78 円 (+7.1%) 一時ストップ高   本日終値

シルバーエッグ・テクノロジー<3961>が続急騰。前日まで2営業日連続でストップ高に買われる人気となっていたが、きょうも目先筋の売り圧力を吸収し、鮮烈な上げ足をみせている。株価は昨年来700~800円のゾーンで長期にわたるもみ合いを続けており、売り物がこなれていたこともあり一気に上放れる形となっている。同社はWebマーケティング支援ビジネスを展開しており、人工知能(AI)を活用してサイト上で利用者の興味を誘う商品を表示する。市場関係者は「今のところ目立った買い材料は見当たらないが、米国ではAI関連株が短期で数倍化するようなケースがみられ、東京市場でもAI関連で時価総額の小さい銘柄に投機資金が集結する傾向が強い。同社の場合は時価総額が50億円未満と小さく、株式需給面でも仕掛けやすい条件が揃っていたのではないか」(中堅証券ストラテジスト)としている。

■藤倉コンポジット <5121>  1,058円  +67 円 (+6.8%)  本日終値  東証プライム 上昇率3位

藤倉コンポジット<5121>が大幅続伸。29日の取引終了後、21年12月に発行した第1回行使価額修正条項付新株予約権について、残存する新株予約権9050個を全て取得するとともに、取得後直ちに消却すると発表しており、希薄化懸念の後退から買われたようだ。同新株予約権の発行以降の株価動向や同社の資本政策及び今後の市場環境などを勘案し、未行使の新株予約権が残存することによる市場の希薄化懸念を軽減する必要があると判断したという。なお、残取得及び消却日は4月13日。

■アールシーコア <7837>  435円  +25 円 (+6.1%)  本日終値

アールシーコア<7837>が動意。29日の取引終了後、固定資産の譲渡と借入金の返済を発表しており、これが好感された。譲渡する資産は東京都目黒区にある住宅展示場の土地・建物で、譲渡益は概算で41億円。返済する借入金額は42億9100万円としている。譲渡益の会計上の取り扱いについては検討中とし、金額などが確定次第速やかに公表するという。また、借入金の返済に伴い、24年3月期以降の支払利息が減少するとしている。

■ザインエレクトロニクス <6769>  865円  +45 円 (+5.5%)  本日終値

ザインエレクトロニクス<6769>が高い。同社はきょう、クラウドと連携可能なハイブリッド型エッジAIソリューション「EdgeAI-Link」を企画し、組込み/エッジコンピューティング展(4月5~7日、東京ビッグサイト)で展示すると発表。これが材料視されたようだ。同社が取り組む人工知能(AI)ソリューションは、クラウド側とエッジ端末側(カメラ側)で分散コンピューティングを行うことにより、遠隔カメラ画像診断の課題であったAI処理精度と即時性、通信コスト削減を両立させることを可能にするエッジAIハードウェアソリューション。物流入出庫検品、インフラ設備監視、飲食店や小売店などの防犯用途などでの適用を想定している。

■フレクト <4414>  1,757円  +81 円 (+4.8%)  本日終値

フレクト<4414>が大幅反発。午前11時ごろ、ID管理サービス大手のオクタ<OKTA>とパートナー契約を締結したと発表しており、好材料視された。フレクトはこれまでにも複数の大手企業においてオクタ社の顧客向けID管理ソリューション「Okta Customer Identity Cloud」による、統一された認証体験を伴う顧客接点アプリケーションの開発を支援してきたが、今回パートナー契約を締結することで、顧客向けID管理ソリューションの導入支援を強化するとしている。

■FRONTEO <2158>  743円  +34 円 (+4.8%)  本日終値

FRONTEO<2158>は大幅続伸で700円台半ばを目指す展開にある。同社は人工知能(AI)を活用したリーガルテック事業を主力に、AIソリューションを横軸展開してライフサイエンス部門などでも実績を重ねている。ここ最近のAI関連株人気に乗り、今週に入って商いを膨らませ急動意をみせている。29日取引終了後、搭載AIエンジンの分類性能を向上させた改良版デジタルフォレンジックツール「KIBIT XAMINER」の提供を4月から開始することを発表、足もとではこれを新たな手掛かり材料に投資資金を引き寄せる格好となった。

■ワイエイシイ <6298>  2,741円  +125 円 (+4.8%)  本日終値  東証プライム 上昇率7位

ワイエイシイホールディングス<6298>が全般軟調地合いに抗して急反発。半導体製造装置や液晶製造装置などメカトロニクス分野を主戦場とするが、特にパワー半導体分野での活躍に焦点が当たっている。同分野ではレーザー技術に強いワイエイシイビームなど有力子会社を抱え、同社の成長を支えている。営業利益は22年3月期に前の期比倍増となる高変化を示したが、23年3月期も前期比53%増の24億円を見込むなど高成長が続く。時価予想PER15倍台は成長力を考慮すると割安感が強い。

■中村超硬 <6166>  612円  +21 円 (+3.6%)  本日終値

中村超硬<6166>が大幅高。超硬合金加工を手掛け、足もとの業績は低迷しているもののダイヤモンドワイヤ製造装置に注力し挽回を図っている。そうしたなか、29日取引終了後に貿易商社の興和(名古屋市中区)とインドにおけるダイヤモンドワイヤ製造装置の販売代理店契約を締結したことを発表、これを材料視する形で買いが入った。株価は今月に入り急動意をみせており、上下にボラティリティの高い値動きとなっているが、足もとでは調整一巡感から投資資金が再攻勢に転じている。

■tripla <5136>  2,426円  +81 円 (+3.5%)  本日終値

tripla<5136>が大幅高。同社は29日、同日付で韓国支店を設立したと発表。日本と台湾でサービス展開を進めてきた実績をもとに韓国の宿泊施設の課題解決を図り、更なるアジア市場の拡大を目指すとしていることが買い手掛かりとなったようだ。

●ストップ高銘柄

Arent <5254>  2,183円  +400 円 (+22.4%) ストップ高   本日終値

トミタ電機 <6898>  3,280円  +504 円 (+18.2%) ストップ高   本日終値

元旦ビューティ工業 <5935>  3,095円  +471 円 (+18.0%) ストップ高   本日終値

櫻護謨 <5189>  4,545円  +650 円 (+16.7%) ストップ高   本日終値

阿波製紙 <3896>  754円  +97 円 (+14.8%) ストップ高   本日終値

など、7銘柄

●ストップ安銘柄

アジア開発キャピタル <9318>  1円  -2 円 (-66.7%) ストップ安   本日終値

以上、1銘柄

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