30日の米国市場ダイジェスト:米国株式市場は続伸、ハイテクが引き続き支援
■NY株式:米国株式市場は続伸、ハイテクが引き続き支援
ダウ平均は141.43ドル高の32,859.03ドル、ナスダックは87.24ポイント高の12,013.47で取引を終了した。
利上げ停止が近いとの期待や金融混乱の深刻化が回避可能との見方から買い戻しが強まり、上昇スタート。一方、連邦準備制度理事会(FRB)高官が追加利上げを支持する姿勢を示したため金融セクターが再び売られ、ダウ平均は一時下落に転じた。反面、金利の上昇一服を背景にハイテクは引き続き堅調に推移。終盤にかけて、金利が低下に転じると相場全体を再び押し上げ、主要株価指数はプラス圏で終了した。セクター別では半導体・同製造装置や小売りが上昇した一方で、銀行が下落。
百貨店のコールズ(KSS)は最高経営責任者(CEO)による自社株購入が当局への報告で明らかになり上昇。オンライン決済のブロック(SQ)は空売り投資家で知られるヒンデンブルグリサーチのレポートで指摘された利用者水増しを巡る疑惑が解消され上昇。動画配信のネットフリックス(NFLX)は広告付きのサービスが収益を押し上げるカタリストになるとアナリストが楽観的な見解を示したことで上昇。
一方、同業のロク(ROKU)は事業改革の一環として全従業員の6%を削減する計画を発表したが、利益率を巡る不透明性が強まり、下落。金融サービス会社のチャールズ・シュワブ(SCHW)はアナリストが銀行取付騒ぎに脆弱と判断して投資判断を引き下げたため下落した。オンラインのペット用品小売り、チューイー(CHWY)は堅調決算ながらも高インフレが影響してアクティブ顧客数の減少が嫌気され売られた。
バイデン政権は複数の連邦銀行監督機関に対し、銀行規制強化を提案した。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:根強い米景気後退懸念にドル反落
30日のニューヨーク外為市場でドル・円は、132円97銭まで上昇後、132円32銭まで反落し、132円70銭で引けた。米10-12月期コアPCE確定値が予想外に上方修正されたため金利上昇に伴うドル買いが優勢となった。同時に同期成長や個人消費の伸びが予想外に下方修正されたため景気後退への懸念も強まり、金利低下に伴いドル売りに転じた。金融不安の緩和に連れて安全通貨としてのドル買いも後退したと見られる。
ユーロ・ドルは、1.0888ドルから1.0926ドルまで上昇し、1.0905ドルで引けた。ドイツインフレ改善も予想を上回りユーロ買いが優勢となった。ユーロ・円は144円14銭から145円08銭まで上昇後、再び反落。ポンド・ドルは、1.2340ドルから1.2393ドルまで上昇した。ドル・スイスは、0.9154フランから0.9126フランまで下落した。
■NY原油:反発で74.37ドル、株高を意識した買いが入る
NY原油先物5月限は反発(NYMEX原油5月限終値:74.37 ↑1.40)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物5月限は、前営業日比+1.40ドルの74.37ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは72.61ドル-74.63ドル。アジア市場の前半に72.61ドルまで売られたが、株高を意識した買いが入ったことで反転し、米国市場の後半にかけて74.63ドルまで上げ幅を拡大した。通常取引終了後の時間外取引でも主に74ドル台で推移した。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 28.30ドル -0.37ドル(-1.29%)
モルガン・スタンレー(MS) 86.11ドル -0.13ドル(-0.15%)
ゴールドマン・サックス(GS)321.14ドル +0.42ドル(+0.13%)
インテル(INTC) 32.09ドル +0.57ドル(+1.81%)
アップル(AAPL) 162.36ドル +1.59ドル(+0.99%)
アルファベット(GOOG) 101.32ドル -0.58ドル(-0.57%)
メタ(META) 207.84ドル +2.49ドル(+1.21%)
キャタピラー(CAT) 224.54ドル +1.54ドル(+0.69%)
アルコア(AA) 41.76ドル +0.82ドル(+2.00%)
ウォルマート(WMT) 145.67ドル +1.44ドル(+1.00%)
《ST》